ヘタリア大帝国
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212部分:TURN21 富嶽その二
TURN21 富嶽その二
その己の文化論からだ。レーティアは話した。
「そして主食は米だったな」
「ドクツでは野菜ですが」
「しかし日本帝国では主食だな」
「それを食べています」
「面白い文化ではあるな。中帝国では米以外にも麦やコーリャンも食べるが」
日本帝国の文化の源流の一つであるこの国の話題も出た。
「あの国は米だけだな」
「そうです。パンも食べますが」
「それでもだな」
「主食は米です。そして味噌スープに塩漬けの野菜もです」
そうしたものもあるというのだ。
「それに魚、生のものも食べます」
「それと豆腐だな」
「豆腐は非常に美味しいです。大豆から作った食べ物も多いです」
「ソイソースや味噌もそこから作るな」
「それもまた日本帝国の食事の特徴ですね」
「そうだな。それと大豆といえば」
レーティアはエルミーにこのことを問うた。
「納豆はどうだ」
「納豆ですか」
「大豆を醗酵させたものだったな」
「御存知だったのですか」
「話は聞いている。糸を引いた大豆か」
その食べ物についてだ。レーティアは眉を曇らせながら話していく。
「恐ろしい食べ物だな」
「はい、私も見ましたが」
「どうしたものだった?」
「腐っていました」
エルミーの目から見ればだ。そうだったというのだ。
「色も変色していて本当に糸を引いていまして」
「無気味だな。だが日本人達はその納豆を食べるのだな」
「朝によく出ます」
「朝から腐った豆を食べるのか!?」
いよいよだ。レーティアはその可憐な顔を曇らせた。
「恐ろしい話だな、全く」
「ですが彼等はその納豆を御飯の上にかけてです」
どうするかというのだ。そのうえで。
「とても美味しそうに食べます」
「そうなのか」
「私はとても。匂いも酷く」
エルミーは匂いについてもだ。顔を曇らせて話す。
「とても箸をつけられませんでした」
「そうか。しかし味はわからないか」
「ドクツ軍の誰も食べられませんでした」
「わかった。では納豆のことはいい」
誰も食べられないのなら仕方がないとだ。レーティアも諦めた。だがそれでもだった。
彼女は日本帝国についてさらに尋ねる。今度尋ねることとは。
「帝だが」
「日本帝国の国家元首ですね」
「帝とは会ったか」
「はい、一度謁見の形で」
会ったというのだ。その帝と。
「可憐な少女の方でした」
「らしいな。あの国では国家元首は代々女性だ」
「それも少女です」
「かなり独特のシステムだな。エイリスとはまた違うか」
「柴神という犬の頭を持つ神が選ぶシステムです」
つまり国家元首を神が選ぶシステムだというのだ。日本帝国は。
「世襲ではありません。しかも帝はです」
「帝は?」
「常に身寄りのない孤児から選ばれます」
「それにより親族や外戚の影響を排除しているな」
「その様です」
「ふむ。やはり非常に変わっている」
レーティアはその帝という存在のことを確めてだ。また言うのだった。
「日本帝国の政治についても学んだことがあったが」
「日本帝国史ですね」
レーティアの著作の一つだ。彼女は各国の文化や政治についても研究しているのだ。
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