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ヘタリア大帝国

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211部分:TURN21 富嶽その一


TURN21 富嶽その一

                  TURN21  富嶽
 エルミー達ドクツ軍の将兵達には官舎が提供された。当然デーニッツは提督用の場所が用意された。そのマンションを思わせる部屋に入りシャワーを浴びてだ。
 白いブラウスと、下はストライブのショーツだけのラフな姿になってからだ。彼女は白いベッドの上に上がってそこでノートパソコンを開いた。
 その画面にレーティアが出て来るとだ。エルミーはすぐにこう言った。
「ジークハイル!」
「いや、堅苦しい挨拶はいい」
 軍服に制帽姿のレーティアがだ。エルミーにすぐに返した。
「それよりもだ。日本帝国のことだが」
「はい、この国ですね」
「どうだ?やはりガメリカには負けるか」
「勝てないと思います」
 冷静に戦力だけを見てだ。エルミーはモニターの中のレーティアに答えた。
「戦力が違い過ぎます」
「そうか、やはりな」
「国力差も感じました」
 日本帝国の内情を見てだ。そうだというのだ。
「ガメリカとの差は歴然としています」
「そうだろうな。仕方ないなそれは」
「エイリスの植民地艦隊は一蹴できてもです」
 それは可能だとしてもだというのだ。
「ガメリカの正規軍には手も足も出ないでしょう」
「正面かぶつかればか」
「間違いなく敗れます」
 エルミーはその冷静な分析をレーティアに話した。
「何しろ今も魚を艦艇として使っている程ですから」
「それには私も驚いている」
 レーティアもだ。日本帝国の魚艦隊については知っていた。そのうえでの言葉だった。
「あれは古代のものだと思ったがな」
「しかし日本帝国軍は艦艇の数と質の不足の為です」
「あえて使ってか」
「そのうえで戦っています」
「魚は強いのだな」
「癖はありますがそれなりの性能があります」
 だから日本帝国軍もそれを使っている。これは確かだった。
「ですがそれでもです」
「普通はそんなものに頼らずに戦うものだ」
「それだけ日本帝国軍が窮地にある証拠でもありますね」
「そうだな。その国が近代装備のガメリカ軍と戦うか」
「ましてや数も違います」
「やはり勝つのは無理か」
「東南アジアやオセアニアを席巻できてもです」
 だがそれでもだと。エルミーは述べていく。
「おそらくインド辺りで止まります」
「そしてガメリカの反撃を受けてか」
「敗れるかと」
「流石にエイリスもインドでは本気で戦う」
 レーティアはエイリスにおけるインドの重要性を踏まえて話した。
「正規軍を送ってな」
「そうですね。おそらくインドに入る頃、いえベトナム辺りでエイリスの正規軍が来ます」
「ベトナム辺りでもう敗れるか?」
「その可能性は高いですね」
「どう考えてもインドで止まるな」
 レーティアはその黄金に輝く眉を顰めさせながら日本帝国軍についての分析を続ける。
「そこで終わりだ」
「そうですね。しかしベトナム位はです」
「攻め取って時間を稼いでもらわないとな」
「ではその為にも」
「エルミー、頼むぞ」
 レーティアはモニターからレーティアの顔を見て話す。
「日本帝国軍を助けてくれ」
「わかっています、そのことは」
「くれぐれもな。ところでだ」
 戦争の話からだ。レーティアは話題を変えてきた。その話題は。
「日本帝国はどうだ?」
「この国のことですか」
「そうだ。やはりかなり風変わりな国か」
「そうですね。食事も二本の棒で食べますし」
「ああ、箸だな」
「それを使って色々なものを食べます」
「それは聞いている。アジア文化圏の特徴だな」
 レーティアが業績を挙げているのは文化論についてもだ。欧州中心だがそれでもかなり高度で緻密な文化論を書いていることで知られている。
 
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