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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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その二十「ドジラ」

 
前書き
~シン怪獣さんのご親戚の方~ 

 
ある日の休み時間に、自分朱雀(すざく) 美希(みき)が体験したとある事件のお話です。



理科準備室にて~



「はぁ…なんでこんなにもじゃんけんに弱いんだろう…」

自分のじゃんけんの弱さに大きなため息が出ちゃいます。なんであの時、パーを出してしまったのだろう、チョキを出していれば勝っていたのに!
あ。なんの話し? って感じですよね。
えっと、次が理科で……しかも科学実験の授業でして…、実験の準備を手伝う人を決めるじゃんけんに負けたんです、はい。
まだ手伝うだけだったなら、こんな大きなため息もつきませんっ。理科は嫌いじゃないですし、理科準備室なんて、用がないかぎり入れませんし、用なんてものそうそうありませんし、レアな教室に入れてラッキー♪ って感じなんです、普段なら。
でも今回は駄目です…。人選ミスです。このメンバーをどうして一か所に集めて、しかも! そのお世話を自分にまかせたのかと、先生に抗議したいですね、はいっ!

「なに一人で熱く語ってるっす? ミッキー」

メンバーその1。自分は会長の足だ! と言っている、クラスメイトの足田あしだっちです。
自分のことを「ミッキー」と「●」を入れようか、どうしようか、悩むあだ名で呼んでいますが別に仲が良いというわけでもないです、たたのクラスメイトです。

「僕はなにをしようか…」

女の子相手にオドオドしているのは

下級生(モブ)くん」
「朱雀さん。僕たち同級生…だよね? 同じクラスだし…」

あとメンバーその2でもあるね。でも下級生くんは「下級生くん」という名前なので、それ以下でも以上でもない、です。

「キャッ。あはは…また転んじゃったっ♪」

理科準備室なのに何故か床に転がっていた、野球ボールに躓き転んでしまったのは

「大丈夫っすか、ドジラさん」

最近シンとかついて復活したとか言われているあの怪獣の親戚さん。……あながち嘘でもないですよ?
オレンジジュースみたいで美味しそうな? 髪色ショートボブで一見スポーツ万能タイプっぽい見た目をしているのに

「あ。試験管が…」

ちょっと触れただけで、ちゃんと収納されていた試験管がドミノ倒しのようにパタパタ……と倒れて

「ってるのを見てる場合じゃないっ!!」

シュワッチ! と3分しか地球に居られないヒーローさんよろしくのポーズで、床に落ちそうになった試験管をキャッチ!
足田っちと下級生くんからは「おー」と盛大に拍手が。……いえ。拍手なんていらないから、動いてください。

「さすがミッキーちゃんだね! すごい!」

キラキラと目を輝かせるドジラさん。…うん。とりあえず反省しましょうか。
ドジラさんは究極(天然)のドジっ子。彼女が一歩動けば天変地異、傍に居る人全てを巻き込んで大災害を起こします。
ね? あの怪獣の親戚さんかなにかですか、って思いましたよね。
こんな変な人達と一緒に準備ですよ? 理科準備室って色々危険な物が置いてあるから、用の無い生徒は近づかないようにって言われているんですよ? そんな場所にこの人ドジラさん入れたら駄目でしょう! 
やはりここは一回、先生に抗議しなければ……。

「ミッキー。このビンは何処に置けばいいのかなー?」

と、にこやかな笑顔でドジラさんが腕いっぱいに持っているのはビンのラベルには…

【ニトログリセリン】

グリセリンを硝酸と硫酸の混合物で処理して得られる無色の油状液体。わずかの衝撃でも爆発し、威力は大きい。ダイナマイト・無煙火薬の原料。血管拡張作用があり発作が緩解されるので、狭心症などに舌下錠として用いる。

【byグーグル先生】


まじですかぁぁぁああああ!!! この人、いつかなにかしらの犯罪を犯すとは思っていましたけど、ついにやってあがりましたよ!!
なにが起こっているのか分かってないのか、分かっていないんでしょうね、きっと! 「?」と首を傾げているドジラさん。
「?」じゃないんですよぉぉぉおおおお!! と叫びたくなりますが、ここは我慢です。
わずかの衝撃でも爆発すると↑上にも書いてありますし。

「――ッ!!!?」

驚きの声をあげようとして、すぐ飲み込んだ下級生さん。賢い選択です。
ニトログリセリンもそうですが、それを持っているのは太陽系で最強の生物です。こっちも刺激しないほうが吉のはずです。
もし、刺激でもしたら…

「ドジっス持っているのニトログリセリンじゃないっすか。それバーンッて爆発するやつっすよ!」
「足田ーーーーー!!!」

思わず叫んじゃった!! 呼び捨てにしてごめんっ足田っち! 

「嘘! そんなに危険なものなのっ!? ど、どうしよっ………ぁ」

コロンッ。












――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ポンッ。














ひ~る~



「(…あれ、美希がいない)」

「(下級生くんの奴どこにもいねぇ…あいつどこ行きやがった…)」

「「…あ」」

「大和殿、美希を知らないかい?」
「緑リョクさん、下級生くん知りません?」

「「知らない(ですね~)」」

「(お昼一緒に食べようって約束したのに、何処に行ったんだろう……美希)」
「(あいつがいないと、俺の昼飯が……ま、彗ホウキさんにでも行ってもらいますか)」

「「じゃあ(それでは~)」」








一方その頃、探し人は~


ありえない、ありえないです……。

「みんな同じ病室だなんて、嬉しいな」
「楽しくなりそうすっね♪」
「「よろしくね、ミッキー」」

こんな変な人達と同じ病室なんて耐えられないーーー!! 個人部屋にチェンジでお願いしますーーーーー! 


※無理。


「イヤァァアアアアア!!!」
 
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