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ヘタリア大帝国

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187部分:TURN18 ガメリカ共和国その九



TURN18 ガメリカ共和国その九

 あらためて場を見回してだ。こう一同に告げた。
「では今日の会議は終わりよ」
「よし、じゃあピザを食べ終えて解散だ」
「コーラもちゃんと飲んでね」
 アメリカ兄妹はここでも明るい。その明るさのまま四姉妹に話す。
「じゃあ僕は今からマニラに行って来るからな」
「お願いね、祖国ちゃん」
「ははは、任せてくれキャロル」
 アメリカとキャロルのやり取りはここでも砕けている。
「マニラでそのイーグル=ダグラスとも話してくるぞ」
「気をつけて下さいね」
 クーはそっと祖国を気遣う。
「フィリピンさんや大王さんも緊張しておられるでしょうし」
「任せてくれ。ちゃんとわかってるぞ」
「だといいのですけれど」
「ではこれで終わりね」
 ドロシーはモニターにある言葉を打ち込みながらぽつりと言う。
「また次の定例会議で会いましょう」
「そうしようね・・・・・・あれっ?」
 ここでだ。ふとだった。アメリカ妹はあることに気付いた。いや、思い出したのだった。
 それでルース、今も議長席にいる彼に顔を向けてだ。こう言うのだった。
「そうそう、プレジデントもそれでいいよね」
「構わない。そういうことでね」
「じゃあね。会議終わったし」
「マニラだ。マニラに行くぞ!」
 アメリカが最後に背伸びをしてから叫んでだ。会議は終わった。結局ルースが何かを言うことはなかった。あくまで四姉妹と祖国達だけの話だった。
 だがそれが終わってからだ。ルースは己の席に戻ってからだ。こうぼやくのだった。
「私もニューディール政策には自信があるし太平洋主義も主張しているがね」
「それでもですか?」
「先程の会議では」
「やはりな。この国では大統領の権限は思ったより小さい」
 大統領に就任してからだ。しみじみと思い知っていることだった。
「私は座っているだけでもだ」
「あの方々でお話が進みますか」
「常にな。やはり四姉妹と祖国さん達の存在が大きい」
 それがだ。ガメリカの実情だというのだ。
「確かに階級なぞなく選挙が行われ民主的な議会が存在しているがだ」
「どうしてもですか」
「そうだ。祖国氏達の存在がな」
「仕方ないといえばないですがね」
 補佐官の一人がこうルースに述べた。
「そのことも」
「わかっている。だがだ」
「プレジデントとしてはですか」
「もう少し手腕を発揮したいものだ」
「難しいところですね、その辺りは」
「うむ。だが賽は投げられようとしている」
 ルースは補佐官にこうも述べた。
「あとは開戦だけだ」
「ではいよいよ」
「開戦の時の演説の文章の作成だ」
 これはルースの仕事だった。大統領である彼の。
「それに取り掛かる。後で草稿を読んでくれ」
「わかりました。それでは」
 補佐官は一礼して応える。こうした話をしてだった。
 ルースも彼の仕事に取り掛かる。しかし彼の影は薄いままだった。
 彼の存在が薄くとも話は進む。ガメリカもまただった。
 アメリカはその中でだ。妹とこんな話もしていた。
「日系人?」
「そう、うちの国にも日本帝国からの移民がいるよね」
「そうだな。それなりにいたな」
「最近日系人への反発があるんだけれどね」
 国民の間でだ。それが起こっているというのだ。
「兄貴はそれに対してどうするんだい?」
「悪いことは許さないぞ」
 アメリカは真面目な顔で妹に返す。
「差別をする様な奴は大嫌いだ」
「じゃあ日系人はだね」
「おかしなことがあれば僕が許さないからな」
 やや一方的なところが見られるとはいえだ。アメリカはそうしたことは許さないと言い切る。
「それは何処で起こってるんだい?」
「USJとかでね」
「あそこか」
「ああ。あそこに日系人が多いからね」
「わかったぞ。ではマニラに行く前にあそこに行く」
 アメリカの動きは速かった。すぐにそこに行くというのだ。
TURN18 ガメリカ共和国その九

 あらためて場を見回してだ。こう一同に告げた。
「では今日の会議は終わりよ」
「よし、じゃあピザを食べ終えて解散だ」
「コーラもちゃんと飲んでね」
 アメリカ兄妹はここでも明るい。その明るさのまま四姉妹に話す。
「じゃあ僕は今からマニラに行って来るからな」
「お願いね、祖国ちゃん」
「ははは、任せてくれキャロル」
 アメリカとキャロルのやり取りはここでも砕けている。
「マニラでそのイーグル=ダグラスとも話してくるぞ」
「気をつけて下さいね」
 クーはそっと祖国を気遣う。
「フィリピンさんや大王さんも緊張しておられるでしょうし」
「任せてくれ。ちゃんとわかってるぞ」
「だといいのですけれど」
「ではこれで終わりね」
 ドロシーはモニターにある言葉を打ち込みながらぽつりと言う。
「また次の定例会議で会いましょう」
「そうしようね・・・・・・あれっ?」
 ここでだ。ふとだった。アメリカ妹はあることに気付いた。いや、思い出したのだった。
 それでルース、今も議長席にいる彼に顔を向けてだ。こう言うのだった。
「そうそう、プレジデントもそれでいいよね」
「構わない。そういうことでね」
「じゃあね。会議終わったし」
「マニラだ。マニラに行くぞ!」
 アメリカが最後に背伸びをしてから叫んでだ。会議は終わった。結局ルースが何かを言うことはなかった。あくまで四姉妹と祖国達だけの話だった。
 だがそれが終わってからだ。ルースは己の席に戻ってからだ。こうぼやくのだった。
「私もニューディール政策には自信があるし太平洋主義も主張しているがね」
「それでもですか?」
「先程の会議では」
「やはりな。この国では大統領の権限は思ったより小さい」
 大統領に就任してからだ。しみじみと思い知っていることだった。
「私は座っているだけでもだ」
「あの方々でお話が進みますか」
「常にな。やはり四姉妹と祖国さん達の存在が大きい」
 それがだ。ガメリカの実情だというのだ。
「確かに階級なぞなく選挙が行われ民主的な議会が存在しているがだ」
「どうしてもですか」
「そうだ。祖国氏達の存在がな」
「仕方ないといえばないですがね」
 補佐官の一人がこうルースに述べた。
「そのことも」
「わかっている。だがだ」
「プレジデントとしてはですか」
「もう少し手腕を発揮したいものだ」
「難しいところですね、その辺りは」
「うむ。だが賽は投げられようとしている」
 ルースは補佐官にこうも述べた。
「あとは開戦だけだ」
「ではいよいよ」
「開戦の時の演説の文章の作成だ」
 これはルースの仕事だった。大統領である彼の。
「それに取り掛かる。後で草稿を読んでくれ」
「わかりました。それでは」
 補佐官は一礼して応える。こうした話をしてだった。
 ルースも彼の仕事に取り掛かる。しかし彼の影は薄いままだった。
 彼の存在が薄くとも話は進む。ガメリカもまただった。
 アメリカはその中でだ。妹とこんな話もしていた。
「日系人?」
「そう、うちの国にも日本帝国からの移民がいるよね」
「そうだな。それなりにいたな」
「最近日系人への反発があるんだけれどね」
 国民の間でだ。それが起こっているというのだ。
「兄貴はそれに対してどうするんだい?」
「悪いことは許さないぞ」
 アメリカは真面目な顔で妹に返す。
「差別をする様な奴は大嫌いだ」
「じゃあ日系人はだね」
「おかしなことがあれば僕が許さないからな」
 やや一方的なところが見られるとはいえだ。アメリカはそうしたことは許さないと言い切る。
「それは何処で起こってるんだい?」
「USJとかでね」
「あそこか」
「ああ。あそこに日系人が多いからね」
「わかったぞ。ではマニラに行く前にあそこに行く」
 アメリカの動きは速かった。すぐにそこに行くというのだ。
 
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