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孔雀王D×D

作者:焼肉定食
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3・駒王学園

 私立・駒王学園。
 かつて学園長はリアスの父が務めてが、現在はリアス本人が経営を任されている。が、リアス自身はあくまでも代理であると言い続けている。
「リアス、あの子の様子はどう?」
 姫島朱乃。
 彼女もまた駒王学園の卒業生であり、オカルト研究部の元副部長であった。卒業後はリアスの秘書として学園に残っていた。
 リアスには、絶大な信頼を受けている。
「そうね。何もなく今のところは、過ごしているわね」
 リアスも朱乃も凰蝶を見た時、なにか違和感を感じていた。それが、なんなのかはわからないのだが、悪魔の勘というのだろうか。
 実は生徒達の一部しか知られてはいないのだが、オカルト研究部はリアス・グレモリーの眷属悪魔達であった。すなわち、部員ほとんどが悪魔ということになる。
 リアスが鳳 凰蝶を見たとき、強大な力を感じたのだった。そんな力があるというのに、彼女はそれに気づかず、普通に過ごしていることに違和感を感じていた。
 リアスは、それがなんなのかわかるまで、自分の目の届くところに置いておこうと決めた。
 それに、朱乃は従っただけだった。もし、万が一、彼女と戦うことになったとしても、仲間になることになったとしても、それはそれで自然に任せるしかない。
 リアスと朱乃は登校してくる生徒たちを学園長室から見下ろした。

「それじゃあ、子猫ちゃん、ギャスパー、凰蝶ちゃん、また放課後、部室で」
 一誠とゼノビア、イリナそしてアーシアは自分たちの教室に向かうべく2年生のエリアと別れて行った。
 木場は別の教室あったために早急に別れていた。
「なぁ、一誠。凰蝶の事なんだが」
 ゼノビアが先頭を歩く一誠に向かって声をかけた。
「どうした?ゼノビア。凰蝶ちゃんに何かあったのか?」
 彼らはリアスに凰蝶の事を気にかけるように言われていたのだった。
「どうみても普通の子に思えるのだが、リアス学園長代理は、何を気にしているのだろうか?」
(確かにその通りだ。どうみても普通の子だ)
 一誠もそう思える。
「まぁ、部長の事だ。俺たちは部長を信じるしかない」
  一誠はいまだにリアスを部長と呼んでいる。
 リアスもまたオカルト研究部の出身であり、部長であった。
「そうですよね。お姉さまを信じましょう」
 一誠と並んで歩いていたアーシアもにっこり微笑んでいった。
「よう一誠、今日も美少女に囲まれてうらやましいなぁー」
「われわれ、おっぱい同盟もこれまでだな」
 一誠の悪友である松田、元浜コンビが一誠に飛び掛かり、ヘッドロックやら蹴りやらを繰り出した。
「や、やめろ!!お前ら!!」
 そんな攻撃を笑いながら一誠は受け止めていた。そんな光景をみて、女性陣は苦笑するだけだった。

「おはようございます。みなさん」
 どことなく気品がありながら、子猫と比べるとませた感じの少女が教室にはいるやいなや、凰蝶たちのもとへ近づいて来て挨拶を交わした。
「おはよ、レイちゃん」
 子猫とギャスパは親しげに挨拶をした。が、凰蝶はその少女にぺこりと首を上下しただけだった。
 レイベル・フェニックス。それが挨拶をしてきた少女の名前だ。
 どういう訳かこの少女が、一誠の何のマネージャーかは知らないが、凰蝶にとっては驚きである。
 それに学校へは、あまり顔を出さないが、兵頭家に凰蝶達と住んでいる。
 兵頭家に下宿を始めるために引っ越した時に、レイベルにいきなり難癖をつけられた時からあまりいい印象が凰蝶にはなかった。
「あなたも鳳凰の名。フェニックスがついているのですね。だけど、私達、フェニックス家には何も関係なそう」
 と、レイベルは鼻で笑った。
(なんのことだか、さっぱりわからない。それにフェニック家って何?)
当時、そんなことを言われて凰蝶は苦笑したものだった。悪い子ではなそうなのだが。
「久しぶりに登校してきたんだね、レイちゃん」
 ギャスパーは、はにかんでレイベルに言った。
「そうですわね。まぁ、私程になれば学校など来なくても全然平気なのですけど、一誠様にお仕事以外でもお話出来るのは学校だけですので」
 レイベルは頬を赤らめていった。
「へぇー。じゃあ、来なければいいのに」
 子猫は眼を細め、ぼそぼそとした話し方で嫌味を言った。
「なんですって?子猫さん。あなたのようなぺったんこの胸では一誠様は満足できませんことよ」
 レイベルはその嫌味に対して子猫をさげすむような眼を向け、貴族が持つような扇子を口に当ててクスっと笑った。
(やれやれ、また始まった。この二人、仲がいいのか悪いのか)
 凰蝶はその様子を見て一つため息をついた。
「凰蝶ちゃん、二人をとめてよ」
 ギャスパーはおろおろしながら凰蝶に救いを求めている。
(放っておけばいいのに)
 そう思いながら凰蝶は二人の間に入った。
「はいはい、そこまでだよ。子猫ちゃん、レイベルさん。もうすぐ、先生来るから」
 凰蝶の仲裁に二人はすねるように眼をそらした。
「今度こそ、きっちり、くっきり決着をつけさせていただきますから。覚悟しておいてくださいまし、子猫さん」
 子猫に背を向けてレイベルは言った。
「望むところです、レイベルさん」
 子猫もレイベルに背を向けている。
(やれやれ、一誠先輩のどこがいいのかしら?)
 間に入っている凰蝶はもう一つため息をついた。
 
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