心桜「んー」
七夏「どしたの? ここちゃー?」
心桜「これ・・・なんだけど」
七夏「あ、お手紙!?」
心桜「そ。つっちゃーが、用事済ましている間に読んだんだけどさ・・・」
七夏「あ、ごめんなさい」
心桜「いやいや、待ってる間、暇だったから」
七夏「くすっ☆」
心桜「んで、このお手紙の内容なんだけどさぁー」
七夏「あ、お手紙、ありがとうございます!」
心桜「おっと、ありがとうございまーす!! 読むね!」
七夏「はい☆」
心桜「えっと、『ココナッツさん、こんにちは。私はこの前、友達に「マナー違反!!」って注意されたんですけど、この言葉が引っかかって、その後も全然楽しめませんでした。確かにマナー違反かも知れない行動を、私が行ったのかも知れませんが、私は決して故意ではなかったのです。ココナッツさんはこのマナー違反という言葉、どのように思いますか?』・・・だって。マナー違反ねー。つっちゃーどう思う?」
七夏「えっと、マナーは相手の事を考えて行う行儀、作法、礼儀ですよね」
心桜「お、流石、若女将さんっ!」
七夏「え!? 私はまだお手伝いしているだけで・・・。ですから、お手紙主さんのお友達の言葉にマナーが感じ取れるかどうか・・・という事かな?」
心桜「なるほど。という事は『マナー違反!!』は、マナー違反だね」
七夏「え!?」
心桜「だってさ、お手紙の主さんは、注意されて気分が悪くなった訳でしょ!?」
七夏「この言葉を使うこと自体が、マナー違反だとしたら、何故存在するのかな?」
心桜「んー・・・それは、マナーを守らな・・・はっ!!!」
七夏「え!? どしたの?」
心桜「マナー違反!! って言葉、割と自分勝手な事を言う人が言ってるんじゃない!?」
七夏「そ、そうなの?」
心桜「空気読め・・・という事と、似てない!?」
七夏「空気って、その場の!?」
心桜「そうそう!! あたし『空気読め』って言われたことあるよ!」
七夏「え!?」
心桜「だからさ『は? あんたにとって都合のいい空気ってだけだろ!』って反撃した」
七夏「ここちゃーは、読めてますよ☆」
心桜「ともかく、マナー違反! や、空気読め! は、大抵自分勝手な言葉だよ。ある意味可愛そうに思う」
七夏「どおして?」
心桜「だって、自分勝手な考えを、その言葉に押し付けている事にならない?」
七夏「言葉に・・・押し付ける?」
心桜「あたしさ、家でテレビの音が大きい時『静かにしなさい! ご近所に迷惑!』って、親に注意される事あるけど、あれは『自分が迷惑してる』っていう意味の方が強くない!?」
七夏「そう言われれば・・・でも、全てでは無いですよね」
心桜「ま、そうなんだけどさ。『静かにして! あたしが迷惑!』って、言ってくれた方が納得できるよ」
七夏「言葉を使う人が、まず『マナーを守って伝えようね』って、言う事かな?」
心桜「そだねー。だから、注意の仕方なんだよ。お手紙主さんの場合、マナー違反!!って注意された時の『言われ方』が引っかかったんじゃないかな?」
七夏「そっと『マナーとして守ろうね』って伝えられたとしたら、受ける印象も違ったはずですよね」
心桜「うんうん!! 相手の事を本当に考えれば、マナー違反!! なんて突っぱねた言葉にはならないよね!」
七夏「はい☆」
心桜「という事で、ココナッツ的結論! マナー違反!!は、マナー違反!! 相手の気持ちを考えられるマナーと気配りのできる言い方を身に付けよう!!」
七夏「私も気をつけなくちゃ☆」
幕間十四 完
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幕間十四をお読みくださり、ありがとうございました!
本編の方も、どうぞよろしくお願い申しあげます!