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ヘタリア大帝国

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169部分:TURN16 南京沖会戦その十一

169部分:TURN16 南京沖会戦その十一



TURN16 南京沖会戦その十一

 彼女は指示を出す。今度の指示は。
「突進!このままよ!」
「は、はい!」
「わかりました」
 その言葉を受けてだ。ランファの乗艦も何とか前に進もうとする。だがここでだった。
 山本はまた指示を出した。今度の指示は。
「イソギンチャクじゃ」
「イソギンチャク?あれをですか」
「ここで使われるのですか」
「そうじゃ。敵の司令官の旗艦を捕まえる」
 そのだ。イソギンチャクを使ってだというのだ。
「よいな。そうするぞ」
「では。今から」
「かかりましょう」
 こうしてだった。イソギンチャクの無数の触手が延びてそうしてだった。
 ランファのガメリカの戦艦が捕らえられた。ランファはその中で叫んだ。
「何っ、拘束されたの!?」
「し、司令どうします!?」
「これは!」
「は、早く振り解かないと!」 
 触手から逃れる、そうしなければというのだ。
「さもないと捕虜になるわよ!」
「し、しかしです!」
「触手はこの艦を完全に捕らえています」
「これでは」
 部下達もわかった。この状況ではだ。
 動けない。日本帝国軍の捕虜になってしまうことにだ。そして実際にだ。
 ランファの乗艦を拘束させた山本はすぐにイソギンチャクを後方に送った。こうしてランファは捕虜になった。その顛末を見た中国は仰天して叫んだ。
「アイヤーーーーー、大変ある!ランファが捕まったあるよ!」
「司令官が捕虜になったある!」
 中国妹も驚いて叫び声をあげた。
「まずいある、全軍が動揺しているあるよ」
「このままだと大変なことになるあるよ」
 動揺しているその状況ではというのだ。
「日本帝国軍に攻められるある」
「司令官もいないし今攻められれば総崩れある」
 二人はすぐにこう判断した。そしてだった。
 中国はこの危機にだ。国家として咄嗟に決断を下した。
「全軍重慶まで撤退ある!」
「撤退あるか!?」
「司令官が捕虜になった今どうしようもないある!」
 こう妹にも答える。今も日本帝国軍は小魚を出そうとしている。小魚を出せる艦隊は山本だけが持っているのではないのである。それでだった。
「どうしようもない状況になる前にある」
「今すぐにあるか」
「そうある、撤退ある」
 即座にだ。中国は決断を下したのだ。
「これ以上の戦闘は無駄に損害を増やすだけある」
「わかったある。それならある」
 中国妹も兄の言葉に応えて言う。
「殿軍は私が務めるあるよ」
「御前があるか?」
「兄さんはすぐに主力艦隊を率いて重慶に向かうある」
 日本帝国軍が迫る中でだ。彼等はやり取りをしていく。
「そうしてある。重慶で落ち合うよろし」
「御前は無事あるか?」
「私のことは心配無用ある」
 実は兄より強い妹だったりする。尚これは中国兄妹だけではない。何故か国家は基本的に兄より妹の方が強くしっかりしているのである。
 その中国妹がだ。こう言うのだった。
「無事に帰って来るあるよ」
「ではその言葉信じるある」
 兄は妹の確かな笑みを見てから頷いた。こうしてだった。
 司令部を失って混乱状況に陥ろうとしていた中帝国軍は中国兄妹の咄嗟の判断で重慶に撤退することになった。中国は即座に自軍をまとめて撤退した。そしてだった。
 中国妹は何とか後詰を務め全軍の壊滅を止めた。そのうえで彼女も重慶に逃げ延びた。こうして中帝国軍の撤退により南京星域での戦いは終わった。
 日本帝国軍は南京も占領することになった。陸軍は無事南京を占領した。中帝国はいよいよ重慶に追い詰められた。しかし戦争はまだ続いていた。


TURN16   完


                  2012・4・9TURN16 南京沖会戦その十一

 彼女は指示を出す。今度の指示は。
「突進!このままよ!」
「は、はい!」
「わかりました」
 その言葉を受けてだ。ランファの乗艦も何とか前に進もうとする。だがここでだった。
 山本はまた指示を出した。今度の指示は。
「イソギンチャクじゃ」
「イソギンチャク?あれをですか」
「ここで使われるのですか」
「そうじゃ。敵の司令官の旗艦を捕まえる」
 そのだ。イソギンチャクを使ってだというのだ。
「よいな。そうするぞ」
「では。今から」
「かかりましょう」
 こうしてだった。イソギンチャクの無数の触手が延びてそうしてだった。
 ランファのガメリカの戦艦が捕らえられた。ランファはその中で叫んだ。
「何っ、拘束されたの!?」
「し、司令どうします!?」
「これは!」
「は、早く振り解かないと!」 
 触手から逃れる、そうしなければというのだ。
「さもないと捕虜になるわよ!」
「し、しかしです!」
「触手はこの艦を完全に捕らえています」
「これでは」
 部下達もわかった。この状況ではだ。
 動けない。日本帝国軍の捕虜になってしまうことにだ。そして実際にだ。
 ランファの乗艦を拘束させた山本はすぐにイソギンチャクを後方に送った。こうしてランファは捕虜になった。その顛末を見た中国は仰天して叫んだ。
「アイヤーーーーー、大変ある!ランファが捕まったあるよ!」
「司令官が捕虜になったある!」
 中国妹も驚いて叫び声をあげた。
「まずいある、全軍が動揺しているあるよ」
「このままだと大変なことになるあるよ」
 動揺しているその状況ではというのだ。
「日本帝国軍に攻められるある」
「司令官もいないし今攻められれば総崩れある」
 二人はすぐにこう判断した。そしてだった。
 中国はこの危機にだ。国家として咄嗟に決断を下した。
「全軍重慶まで撤退ある!」
「撤退あるか!?」
「司令官が捕虜になった今どうしようもないある!」
 こう妹にも答える。今も日本帝国軍は小魚を出そうとしている。小魚を出せる艦隊は山本だけが持っているのではないのである。それでだった。
「どうしようもない状況になる前にある」
「今すぐにあるか」
「そうある、撤退ある」
 即座にだ。中国は決断を下したのだ。
「これ以上の戦闘は無駄に損害を増やすだけある」
「わかったある。それならある」
 中国妹も兄の言葉に応えて言う。
「殿軍は私が務めるあるよ」
「御前があるか?」
「兄さんはすぐに主力艦隊を率いて重慶に向かうある」
 日本帝国軍が迫る中でだ。彼等はやり取りをしていく。
「そうしてある。重慶で落ち合うよろし」
「御前は無事あるか?」
「私のことは心配無用ある」
 実は兄より強い妹だったりする。尚これは中国兄妹だけではない。何故か国家は基本的に兄より妹の方が強くしっかりしているのである。
 その中国妹がだ。こう言うのだった。
「無事に帰って来るあるよ」
「ではその言葉信じるある」
 兄は妹の確かな笑みを見てから頷いた。こうしてだった。
 司令部を失って混乱状況に陥ろうとしていた中帝国軍は中国兄妹の咄嗟の判断で重慶に撤退することになった。中国は即座に自軍をまとめて撤退した。そしてだった。
 中国妹は何とか後詰を務め全軍の壊滅を止めた。そのうえで彼女も重慶に逃げ延びた。こうして中帝国軍の撤退により南京星域での戦いは終わった。
 日本帝国軍は南京も占領することになった。陸軍は無事南京を占領した。中帝国はいよいよ重慶に追い詰められた。しかし戦争はまだ続いていた。


TURN16   完


                  2012・4・9

 
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