ヘタリア大帝国
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161部分:TURN16 南京沖会戦その三
TURN16 南京沖会戦その三
「それじゃあね」
「ええ。今からね」
「頑張ってね。俺が戦場にいたら外交問題になるからね」
軍事顧問だがガメリカはまだ日本とは交戦していない。だからだ。
キャヌホークは今は戦線に出ないというのだ。こう言ったのである。
「ではね。後は頑張ってね」
「勝つから。期待していてね」
「そうさせてもらうよ」
「北京からだけじゃなく香港からも来てるけれど」
日本帝国軍は香港とマカオも占領したからだ。そちら方面からも彼等が攻め入っているというのだ。
「勝つからね」
「念の為に万歳爺は重慶に退いてもらったある」
中国はシュウ皇帝について話した。
「あんな田舎に行きたくと仰っていたあるがそれでもある」
「行ってもらったのね」
「だから安心して戦えるある」
国家元首を戦いに巻き込まない、だからだった。
「南京で何とか終わらせるある」
「ええ、そのつもりよ」
ランファはその右目をウィンクさせて述べた。そうしてだった。
中帝国軍も出撃していた。そのうえで布陣してきた彼等を見てだ。東郷は長門の艦橋からだ。こう秋山に言った。
「兵器の殆どがガメリカ製だな」
「そうですね。旧式のものばかりにしても」
「それだけ関係が深いということだな」
「かなりおおっぴらに援助していますからね」
ガメリカと中帝国の関係は既に誰もが知るものになっているのだ。
「ですから」
「兵器の殆どがガメリカ製か」
「キリング家も動いていますね」
「あの家か」
キリング家と聞いてだ。東郷はその眉をぴくりと動かした。
だがそれは一瞬だけであ。すぐに表情を戻してこう言うのだった。
「そうか。関わっているか」
「だからこそあれだけの艦艇が援助されたかと」
「そうだな。そうでなければな」
「おかしいでしょう」
「全く。ガメリカも色々とやってくれるな」
飄々としたいつもの笑みだがこう言う東郷だった。
「あの手この手でな」
「ええ、我が国に絡んできますね」
「やはり避けられないか」
東郷はこうも言った。
「あの国との戦いは」
「この南京戦の後で何を言ってくるかですね」
「おそらく最後通告だな。今もな」
「宇垣閣下ですね」
「あの人がワシントンで交渉にあたってくれているがな」
「不調に終わりますか」
「そこで最後通告だな」
そうなるというのだ。
「間違いなくそうしてくるだろう」
「この南京戦の結果次第で」
「俺達が勝てば最後通告だ」
「そして若し負ければ」
「俺達にこれまで手に入れた権益を全て手放せと要求してくる」
「満州や他の星域の」
「そのうえでどうせソビエトと戦えと言ってくる」
ここまでだ。東郷は読んでいた。
「そうなるな」
「つまり我々をソビエトの当て馬にするつもりですか」
「そうだ。剣であり盾だ」
「ガメリカ大統領は共有主義には寛容な様ですが」
それはそれで問題があるがあえてだ。秋山は東郷にこのことを話した。
「しかしそれでもなのですね」
「大統領がそうでも祖国や四長官はどうだ」
「ガメリカの四姉妹ですか」
「大統領を支え実質的に国を動かしているな」
今のガメリカは大統領の下に四人の長官がいて彼女等の権限が大きいのだ。そしてその彼女達がだ。ソビエトに対してどうかというのだ。
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