| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

407




 もみじ葉の

  散りてや眺む

   天の川

 わが夢にまで

   橋はかゝらじ



 紅葉が端から散りゆくのを、ただ眺めるだけ…ふと星空を見れば、天の川が…。

 思えば…織女と牽牛は一年に一度は会えると言うのに、私はどうして会うことが出来ないのか…。

 愛される訳もない私には、夢の中でさえ…橋が架かるようなことはないのだ…。



 秋も暮れ

  風なき小夜の

   月影に

 ざわめく心の

    忍ぶ恋かな



 秋も暮れて…冬の寒さが訪れる…。

 しんと静まり返る風もない夜の空に、淡い月影が雲間より洩れ…それを見ていると、なぜか心がざわついて仕方無い…。

 きっと…誰にも言えない恋をしているからだ…。


 この彼への想いゆえ…私の心はささいなことでざわついてしまうのだから…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧