マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第25話(改2)<一つの船>
前書き
司令は大将への恩返しも含めて五月雨の行動の原因を聞いて見るのだが、意外なことに……
『目に見えない物ほど、永遠に残る……』
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第25話(改2)<一つの船>
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私が五月雨の対面に座ると彼女は居心地悪そうにしている。
「あの、済みません。何だか私……」
「気にしなくて良いよ」
私は応える。
「私が勝手に君を呼んだんだ」
「……」
そんな澄んだ瞳で見詰められるとドキドキしてくるな。
だけど私自身、ちょっと意地悪をしてみたくなってきた。
「もっとも私は軍人だ。たとえ友軍であっても情報は生命線だから君から何か聞きだそうという側面も無いとは言えない」
「!」
この言葉に少し引いている五月雨。
「そう硬くならなくて良いよ」
私はソファに深く腰かけて言った。
「本当の所は君の後姿が寂しそうに見えたこと。それに『あの発言』も気になって……」
「……」
何も言わないが五月雨の感情が動いているのが分かる。
私は続ける。
「君に何か心配事があって、もし私でも手助できるなら大将……ここの提督への恩返しにもなる」
「……」
五月雨の表情が少し明るくなる。本当にこの子は量産化された艦娘なのだろうか?
こういう姿を見ると艦娘が単なる機械だとか兵器という認識は誤っていると思わざるを得ない。
私はそんな気持も含めて彼女に説明する。
「海軍は一つのクルーだ。全員が同じ船に乗っているようなものさ。だから誰かの心配は他の皆の心配でもある」
「それ、なんとなく分かります」
五月雨は明るい口調で言った。
「そうか、それは良かった」
なぜか私もホッとした。彼女に説明をしながら自分でも妙に腑に落ちるのだった。
日向が飲み物とつまみ類を持ってきた。
「外国語は苦手だが……味はソフトドリンクだ。酒ではない」
「ああ、有難う」
日向は、それぞれの前に飲料を配って着席した。
「Tシャツとは、新鮮だな……」
私は、つい言ってしまう。
「は?」
「もとい。付き合って貰って悪いな」
「気にしなくて良い……私もこの子に少し興味が湧いた」
日向の言葉に五月雨が反応した。
私はそれを受けて口を開いた。
「五月雨……君の一緒に行きたいという発言には、ちょっと驚いたよ」
「済みません」
「いや……そもそも、ここでの勤務に何か不平や不満でもあるのか?」
私は単刀直入に聞いた。
「接待が負担なのか」
日向も気になるような表情をしている。
だが五月雨は激しくかぶりを振った。
「いえ、とんでもないです。皆さん良くして下さいますし武蔵さんのような、とても素晴らしい先輩も居られます」
「……だよな」
私はソファに座り直した。
ここは人間関係(艦娘関係)に問題があるような鎮守府ではないだろう。そんなギスギスした雰囲気は微塵も無い。
「ただ……」
グラスを見つめて五月雨は言った。
「提督……貴方とは何処かで、お会いしたような……うまく説明出来ないのですが懐かしい感じがしたのです」
「うーむ」
私はチョッと考え込んだ。
「美保にも五月雨は居たはずだが」
日向もボソッと呟く。
艦娘の個人的な体験や記憶がリアルタイムで他の艦娘に同期するという話は聞いたことが無い。
美保鎮守府の五月雨がオリジナルの艦娘なのだろうか?
良く分からないが恐らく量産化してもそれは同じだろう。
私は自分でも整理するように口を開く。
「もちろん武蔵様のように、かつての艦船時代の記憶が艦娘の深層心理に定着しているらしいことは事実だが……」
二人の艦娘も黙っている。
少なくとも、かつて艦娘が出現する以前の時代に私は存在していない。
私の父親は空軍だったが彼だって先の大戦中は、まだ子供だったはずだ。
そのとき私には、なぜかあの武蔵様の台詞が頭の中で繰り返し再生される。
『目に見えない物ほど、永遠に残る……』
それは過去とか前世の記憶のことを指して言ったのだろうか?
あるいは現在でも楽しいことや哀しいこと……そういった感情は消し難いものだから、いつまでも残るのか?
グラスの氷が、溶けてカチャッと音を立てた。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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