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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
  22.雪花の異変

 例の来訪者、八坂和真が幻想郷へ来て一週間が経過していていた。現在彼は博麗神社で寝泊まりをしている。余程なことがない限りは面倒くさいと言っていたであろう霊夢曰わく。
「あいつはこの幻想郷に訪れてしまったもの。しかも、人為的だけど狙って幻想入りしたわけじゃない。つまり、敵になるかも味方になるかもわからないのよ。一応博麗の巫女だしね。監視もかねてしばらくは置いとくわ」
 とのことらしい。







「あー寒っ!あーあ、何であそこで俺はグーを出したんだ。悪運のグーじゃねーかよ。やっぱり自分を乗り越えることはもっとも難しいことなんだな」
 つまりはじゃんけんに負けて買い出しに出されただけである。なぜ、こんなにも雪が降ってるときにわざわざ来ているのかというと、
「にしても、早苗が風邪を引くなんてなぁ。あいつ地頭いいからな」
 そう早苗が風邪を引いたのだ。しかし守矢神社の家事は基本すべて早苗が回している。しかも二柱のお二方は家事スキルは皆無に等しく、更にディメンションに買いだめしといた食材が底をついたわけで、それだけ考えても心中お察しさてもらいたい。
『にしても、この雪は何とかならないものですかね』
「どうにもなら、なくもなさそうだ」
 丞一はある店の前で止まった。その店は『Open』という看板を立てていた。そして、日替わりコーヒーの銘柄の書いてある小さな黒板が入り口に置いてあった。店の名前は『喫茶 妖租の秘密』。
 チャリンチャリンと鈴が鳴った。
「いらっしゃい。珍しいお客さんだ。好きに座ってよ」
「どうだ?繁盛してるか?優作」
 そう。このコズミックな趣味の悪い名前の店を出してるのは他でもないあの優作だ。あくまで副業らしいが。だからと言って魔導書の名前を飲食店の名前に持ってくるのはいただけなかった。
「こんな雪の中じゃだーれもこないよ。みんな家に閉じこもってるか屋根の上。はたまたこんな中でも外で遊ぶ元気のある子供たち位だからね」
 確かに子供だけで来るようなところでもないし、来たとしてもどうせルーミアやチルノみたいな顔見知りとかだろう。商売的には見込めないな。
「はい、コーヒー」
「ああ、ありがとう。────生き返る!やはりコスタリカコーヒーは旨い」
「で?子供たちくらいしか来ないようなこんな時に、守矢神社の神主が何用で?」
「神主じゃねー。この今の幻想郷についてどう思う?」
「‥‥今回は俺は不干渉を貫くよ」
「何?」
「前回の異変の後のように親切に終わった後に仕掛けてくるとは限らないからね」
 そう、あのレミリアたちが起こした紅霧異変後の宴会の時に襲撃が起こったのだ。しかもやっかいなことに相手も夢魔だった。何でも、ある秘宝を巡って争う三人の夢魔に対抗すべく幻想郷に来た優作を片付けるために襲撃したらしい。夢の中に引き込まれることでデス13よろしくスタンドが使えなくなってしまったが、早苗がバカやっててくれたおかげで解決したのだ。だが、今回もそんなアホな終わり方をするとは限らない。最終防衛ラインを築く上では正しいだろう。
「‥‥わかった。コーヒー、ごっそさん」
 ドアのベルを耳に向けながら丞一はカフェを後にした。
 そして再び、歩みを進めると後ろから殺気がした。
 首を横に傾け、後ろから来ていた雪玉をかわす。
「ジョジョ!よくアタイの雪玉をよけたな!」
「さすがなのだー」
「お、丞一。お前もやるか?雪合戦」
「和真。お前まだ懲りてないのか?雪合戦なんかやってみろ?死人出るぞ」
「お前らだけだからなぁ!」
 寺子屋のあたりを通ると暇を持て余した子供たちとバカルテット代表二人と訪来者の和真が雪合戦をしていた。あれだけのことがありまだ雪合戦をやるとは同じことを何度も注意されるような奴と丞一はみた。だが、和真が言ってることも正しい。
 丞一は和真をとりあえず守矢神社に連れて行くことにした。霊夢的にはあまり一人にさせたくない人間だろう。
「それにしても、この世界って平和なんだな。キチガイがいっぱいいるのに」
「どういう意味だ!‥‥まあ、平和だからマイペースにやってけるんだけどな」
 それもまた、この幻想郷の真理だろう。現に紅霧異変以来変なことは起こっていない。
「何だ?まだ気にしてんの?その、この世界に来た理由やら何ちゃらだっけ?」
 八坂和真はこの幻想郷へ招かれたわけではない。この幻想郷へくる方法は四つある。
 一つは早苗たちのように自分たちから幻想入りする。
 二つは丞一や優作のように八雲紫に連れられる。
 三つは博麗大結界が綻びそこからはいってしまう。
 四つは幻想郷が招き入れる。
 この四つ目が本来の仕様で、忘れ去られたものたちをこの世界に招くということだ。
 だが、和真の場合はこのどれにも当てはまらない特殊なケースだ。自ら別世界にこようとしたが、幻想入りしようとしたわけでもなく。紫が連れてきたわけでもなければ、外で忘れられたわけでもない。だからこそ、幻想郷を囲む博麗大結界の管理者である霊夢も気にかけてるのだ。
 そのことに関して和真は「この世界に来たということは、俺は何か成さなければならないことがあるはずだ」と語った。
「気長に待てよ。確かにこう言うときにこそ異変っていうのは鉄板だけど、まさかそんなわけねー」
「?異変?」
 丞一はカクカクシカジカと異変について説明した。
「なるほど、だいたいわかった」
「まあ、気長に雪開けを待とうぜ?」
「雪開け?冬開けじゃねーの?」
「何言ってんだよ?







──────────今五月だぜ?」

「は?」
 和真はあんぐり口を開け、理解不能理解不能理解不能という状態とかしていた。
 そうしてると、和真の斜め上後ろの空からマフラー手袋いつもの服に厚着というフル装備で魔理沙が飛んできた。
「丞一!これよくよく思えば異変なんだぜ」
「‥‥‥‥‥ああ、確かに」

 とういうわけで、何やかんやで第二の異変が幕を開けた。そして、首謀者の暴走も。


 
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