ヘタリア大帝国
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141部分:TURN14 マジノ線攻略その三
TURN14 マジノ線攻略その三
「ルーブルに行っていいな」
「勿論よ。レーティアの前からのお願いだからね」
微笑みを向けてだ。グレシアはレーティアに話した。
「是非行きたいっていうね」
「そうだ。絵はいい」
レーティアの目がだ。自然に輝いていた。
「観ているだけで心がよくなる」
「よくそう言ってるわね」
「私は絵も描く」
「絵画も天才って言われてるわよ」
こちらでもだ。レーティアは天才の名を欲しいままにしていた。104
そしてそのうえでだ。彼女の絵も評判になっているのだ。
「その絵もね」
「今は描く時間がないがな」
「けれどルーブルに行って」
「観たい」
切実な声でだ。レーティアは言った。
「是非共な」
「じゃあ今はね」
「ドクツは勝つ」
それは確実だった。レーティアはわかっていた。
そして確信しているからこそだ。こう言えたのだ。
「彼等の凱歌を待つ」
「既に政治として打つ手は全て打ったわ」
レーティア、そしてグレシアの立場からだ。それはしているというのだ。
「そしてね」
「そうだ。後はだ」
「現場の仕事ね」
「彼等はやってくれる」
国家、そして部下達に対する信頼もだ。レーティアは見せた。
「私が選び、鍛えあげた者達だからな」
「そうね。貴女がそうした人達であり国家達だからこそ」
「では待とう」
微笑みもだ。見せたレーティアだった。
「彼等の凱歌をな」
「ええ、そうしましょう」
こう二人で話しながらだ。レーティアとグレシアはオフランスへ向けて出撃するドクツ軍を見送った。ドクツ軍は恐ろしい速さでオフランスとの国境に向かう。
そしてだ。この二国にも兵を向けたのである。
オランダとベルギーはドクツ軍迫るとの報告を聞いた。そのうえでだ。
ベルギーはオランダの家、質素で清潔だが何もない感じのその家に行きだ。こう言ったのである。
「兄ちゃん、来たで」
「ドクツだな」
「そや、遂に来たんや」
「来るとはわかってた」
オランダは煙草を吸いながら述べた。二人共それぞれの国の軍服姿だ。
オランダは自分の向かい側に座る妹にだ。こう言ったのだった。
「そんでだ」
「イギリスさんとフランスさんやな」
「あの二人は何と言っている」
実は二人は既にエイリス及びオフランスと同盟を結んでいる。言うまでもなくドクツの脅威を察してのことである。ドクツの隣であることはそれだけ緊張するのだ。
それ故にだ。こう話すのだった。
「そんで」
「ああ、援軍送ってくれるそうやで」
「そか」
「けど。正直なところな」
ここでベルギーは困った顔になって兄に述べた。
「勝つのはや」
「マジノ線か」
「そう。そこで決戦挑んで勝つそうやから」
「そなら俺達はどうなるんだ」
「一戦交えてや」
そのうえでだというのだ。
「一旦後方まで退いて欲しいってことや」
「マジノ線までか」
「ドクツ軍をできるだけ惹き付けてや」
一戦交えてそのうえで後退してだというのだ。
「マジノ線に入って欲しい言うてるんや」
「国、捨てろか」
オランダの眉がぴくりと動いた。ベルギーの話をここまで聞いた。
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