HUNTER FUNG
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外伝
約束「ダルフ編」
男は旅をしていた。
自分の故郷から、町から、山を越え、谷を越え、川を越え、海を越え、数々の町や道を歩いた。
男の名は、ダルフ
先に旅立った。双子の兄のように…
「悪いな、ダルフ。俺、旅にでるは」
「え、兄ちゃんどこに行くの?」
「俺は、旅にでて、そして強くなる」
「なら、俺も兄ちゃんみたいに強くなる」
「ふん、それは面白い。ならいつか出会った時が楽しみだな…」
そんな事を思い出しながら、ダルフは森を歩く
「森を抜けたら、地図によると村があるはず、村の名前は「オニッシュ」か…」
と男は歩いた。
この先に彼らがいることも知らず、これから旅の物語が始まる。
そして男は強くなる。
シロン編
あの時を思い返すと、懐かしく感じる。
「空魔兵」と呼ばれたその男、中身空っぽのゴツゴツの鎧に乗って草原を歩いていた。
オスト帝国の首都トーブルには、アニマを使えるものを魔導士として採用していた。
少年も一流魔導士として、数々の戦場を過ごし。名誉と富を得た。
が、突如……世界を観るために、旅に出た。
そして生まれ育った故郷の出て、自分を評価した都市を出て、命を懸けて守った国を出てた。
しかし、懐かしく思っている彼の国、オスト帝国はもうない…
男がそれを知るのは、まだ先の話し…
男は、今マルナスという国にいた。
しかも、その目の前で子供がモンスターに襲われそうになっていた。
「やれやれ」
そして、男は、鎧を解き放ち、子供たちを助けに行かせた。
これから始まる旅の物語に向けて……
ハル編
私は、ブテンのとある城下町の近くで、生まれた。
この町は、王都から離れたら辺境の町で、ブテンの平和を象徴する町でもあって、よくお祭りが行われていた。
とあるある日、私はお使いで城下町に来たときに、一人の女の子と出会った。
その女の子は、後にブテンの王となるお方。名前は、アルシール。
綺麗で滑らかな、明るい茶髪をした女の子は、馬小屋から桶を持って、白いワンピースを着ていた。
「わぁ、なんて白いの」
とただ単に見とれていた。
女の子は、私に気づくなり、すでに話しかけてきた。
「なにか、私に付いているのか?」
「え、あーいえ、白くて綺麗と思って」
「そうか?それを言うなら、そなたの方が可愛いと思うが」
「え、そんな、ありえない」
「そうか、私は否定されてしまったようだな」
「あ、すみません」
「ふん、まぁいい。それより名前を教えてくれ」
「え、あ、」
と戸惑っていると
「アルシール、なにをしている。馬の世話が終わったら、次をやらんかい」
と奥の方から、男性の声がした。
「すまない。では、私はこれで」
と言って、アルシールは立ち去って行った。
そんな彼女に自分の名前を教えなくては、と思い叫んだ。
「わ、私の名前は、ハル」
それから馬小屋の前を通るが、アルシールとは、出会わなかった。
そんなある日、お祭りの中に馬に乗り騎士甲冑を身に待とう、アルシールの姿があった。
「あれが、噂の姫様じゃい。天にも選ばれているし、こりゃあ後の王さまじゃな」
と町の人が、噂をしている。
「あのお方のもとで、働きたい」
そう思った私は、王制学校に通いつめ騎士となった。
砲銃騎士と言う、砲術師の最高の名誉を手に入れて、そして女性の立場で、あのお方の護衛部隊の一員となった。
「諸君、私はアルシール。姫ではなき、ただ1国の騎士である。そう思って動くことを皆にも、理解しておいてほしい。それから、・・・ハルか?」
とアルシールが部隊挨拶をしていると、私の名前を告げた。
「そなた、馬小屋であったハルか?」
「は、はい。アルシール様」
とアルシール様は、私のことを覚えてくださっていた。
それからは、アルシール様といくつかの戦場を越えて、護衛部隊の隊長になり、身近を共にする側近となった。
しかし、戦いは激しさを増していき、色合いが悪くなったとある日、アルシール様が、急に言い出した。
「ハル、よく聞いてくれ!そなたは、私の変わりに世界を見てきてくれないか?」
「え?」
「バビの所にいる間者から、噂を聞いた。その話によると、バビとアケニアで、同盟を結ぼうとしている。そして、我がブテンにも」
「同盟を結び、その後は1国となるが、私は、そう簡単には動けそうにない、なので私の変わりにそなたが私の目となり、耳となって世界を教えてくれないか?」
「そんな、アルシール様も一緒に行けるときに、行きましょ」
「それでは、ダメだ」
「え、嫌です。私は、アルシール様と一緒に」
「すまない」
「アルシール様、ちょっとロイス様、ウェイン様、ミーリー、スー、話してください。アルシール様、アルシール様」
「くぅ、ロイス!やれぇ!」
ハルから背を向けたまま、アルシールはロイスに命令した。
「は」と言うと、剣の柄の部分で私のお腹を突き立てた。
「う、な、なぜですか、アルシール、さ、まぁ」
私は、気を失って行った。
「すまない。我が心、ハルよ!そなたを一人ではおいていかない、私の心の一部をそなたに、預ける。来る日に、また呼ぶ。その時までどうか…」
気がつくと、誰もいなかった。
その虚しさに、泣いた。
何度も何時間も、泣いた。
泣き止んだのは、それからどのくらい経ったかは、わからない。
が、私は、歩き出した。
止まってても、意味は無い、アルシール様に言われたように、世界を観るんだ!
そして、来る日に、アルシール様に教えるんだ!
旅を、楽しさを、仲間を!
ジェス編
ここは、どこの国にも属していない、小さな村。人通りも少なく、他の他国からも目を向けられない、のどかな村だった。ボクの家族は、じいちゃんに父ちゃん、母ちゃん、ボク、弟、妹の6人家族。ハイテク機器もなく、電気などのライフラインも無い。水が欲しかったら、川や井戸に行って組み上げて運び。火が欲しかったら、薪をこすりつけて火を起こす。ボクは、みんなの為に働く、そんな生活が続いていた。それに、ボクも好きだ。
そんなある日、村を得体の知れない人たちが、襲ってきた。髪と瞳の色以外は、上下真っ白な服を着た人たち。不意打ちしても、怯まず。攻撃は、すべてさばききられ、抑えつけられる。逃げても、すぐに追いつく。常人離れした人たちに、村の人たちは容赦なく捕らえられた。母ちゃんがボクの名前を呼ぶ声がして、逃げようと振り返り走るが、紫色の髪と目の男がいた。
「ジェッタ・・・そいつで最後だからね」
黄色の髪と目をした女性が、紫の男に言った。ただその女性は、ボクの妹を足でリフティングするかのように、遊びながら歩いていた。その行為に怒り、襲いかかるも
「りょーかい」
紫のジェッタは、返事をするとボクを軽々と持ち上げて、村人が縛られているところへ、投げ飛ばした。
「こら、ジェッタ。大事な商品を投げるな。アーズは、リフティングするな・・・あとで修理しないといけないんだぞ」
と水色の髪と瞳の青年、リバブが2人を怒った。しかし、ジェッタは手のひらを見つめているだけで、ことの顛末を理解していない。アーズにとっては、ジェッタと同じように、村人の集まっているところへ、蹴り飛ばした。
ガタガタと荷台を揺れながら、荒野を走る去る馬車。乱視になるほどに揺れが、激しいほど行きよいよく走る。そんな馬車が、ある建物の中に入っていった。
馬車は建物の中に入ると、縛り付けていた呪符を外した。途端に荷台を覆っていたカーテンが緩み、荷台が丸裸になった。そこには一枚のボロ布をワンピースのように着ている老若男女が乗っていた。乗っていた人々は、一人一人列をなして降りる。口の周りを布で縛られ、手を縄で縛っている。足は先頭の人の左足に、縄を巻き後ろの左足にもう片方の縄を巻着付けてあった。それを交互に交互に縛り付けて、最後の人の右足に縛り付けている。
「アレハン商会は、毎回いい仕事をしてくださる(ルブルめ・・・いいパイプを持ちやがる・・・が、それを見抜いた奄の情報網は、恐ろしい)」
顎鬚を撫でながら、文圍は独り言をボソリとつぶやいている。そんな思惑は誰にも気づかれないまま、荷台から降りてくる商品を見つめていた。老人を別区画に追いやり。男性と女性に別けて、男性は大人か子供かでさらに別ける。すると、後ろの方から修道服を着た男性が近づいてきた。
「文圍さん、パーティーの時にお願いしたように、お買い物に来ましたよ」
修道服の男は、嬉しそうにしながら、文圍に話しかけた。茶髪にメガネをかけた。南の隣国マルナス王国から着た宰相である。頭の回転で出世した感じの男であるが、マルナス程の小規模な国では、それもあるのか、無いのかもわからないほどのレベルだろう。
「ああ、スットマン。よく来た。(よくここまで、来たな・・・よっぽど貧弱か?)」
「いえいえ、お声をかけてくださったのですから、行きますよ・・・それに面白い商品がたくさんありますね」
話し合いながら、文圍とスットマンは檻の中を歩いた。すると一つの檻の前で止まった。その檻は、中に大きな獣のような機械人形を乗せた檻だった。
「これはなんですか?」
「これはコアというものから戴いた。ガーディアンと言うもの」
「ガーディアン」
「ええ、東南の島々の一つに、島を守る守り神がいるそうで、それがこれでは無いかという噂じゃ」
「それは、面白い。これを買う」
スットマンは、ガーディアンに一目惚れしたかのように、即座に購入を決めた。文圍は早速提示金額を出すと、今回に持ち合わせた金額を遥かに凌ぐ金額だった。金額に驚き後ずさるが、簡単には引けずに値引き交渉を進めるが、そこは商人の文圍が一枚も二枚も何枚も上手だった。仕方なくガーディアンを諦めて、次に進む。歩いていると、あの魔導騎兵の前で、止まる。と言うより、スットマンの提示金額にあう商品に、誘導されたのである。
「騎兵甲冑を買っても、兵が熟練じゃないと意味が無いです。それでは、1人損してます。」
スットマンの言うように、甲冑を買っても扱う人が中途半端では、意味も無く。ある程度の兵が使って初めて意味がある。それなら、甲冑など買わなくても、普通に働かせれはいいのが、スットマンの考えである。しかし、文圍は屋敷の使用人の宦官に小さな子供1人を運ばせて、魔導騎兵「暗黒騎士」を装着した。すると、腕や足など鎧からはみ出している部分に黒い繊維が巻きついてきた。そして、魔導騎兵は歩き出し、文圍の指示で運ばれている商品の男性を斬り殺した。魔導騎兵の剣は、血を吸いエネルギーに変える為、取替も摩耗も無く、汚れない。
「おお、これはすごい。気に入った。買います。買います」
その光景を見たスットマンは、子供のように強請り、購入意欲を表に出した。
ボクは荷台から降りた後、仕分けの際に脚の縄が離れた瞬間に逃げだした。檻が高くて見えづらく、飛び出した先で、スットマンにぶつかってしまった。ボクはすぐに起き上がり、走り去るが2m位ある男に、捕まった。
「くそぉなんだ。一体、汚い奴隷商品の分際で、私に当たるなんて、痛いです」
スットマンは起き上がるや、服の汚れを払い落とし、メガネをかけ直して睨んだ。文圍がため息を付きながら、スットマンにお詫びを申し上げて、あの少年をおまけとして、上げる事を申し上げた。しかし、スットマンはこれを拒否して、ガーディアンか2m男を請求した。
「ガーディアンやチュートでは、流石につけが合わないので、この少年でどうか・・・おい、テロメアを呼べ」
文圍は宦官にテロメアを連れてくるよう命じた。言われた宦官は、導師姿のテロメアを連れてきた。文圍はテロメアに近づくなり、耳打ちで話し合った。テロメアはボクに名前を聞いてきた。
「少年、名前は?」
「ボクは、ジェス」
すると、テロメアはボクの右頬に模様を描き、両腕にリングをハメた。すると頬に描かれた模様から熱が発せられ、体中に呪符が回った。体中が燃え尽きるような痛みが治まると、ボクの思考は、苛立ち・妬み・怒りそして暴力・・・それらの思考や考え・感情しか湧いて来なかった。チュートから逃げて、スットマンに歩き寄った。
「オイ、ボクのどこが、奴隷商品だ?」
そう言ってスットマンの襟首を掴みかかると、宦官がボクを抑えようと襲いかかった。ボクはアクトロウィップで、遊びながら1人1人を蹂躙に螺子切ったり、バラバラに引き裂いたりして殺していった。
「どうです?」
文圍は撫で回すかのように、スットマンに訪ねた。
「か、買います・・・いや、ありがたく頂戴します」
そして、ボクは凶暴になった。
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