ヘタリア大帝国
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128部分:TURN13 オフランスへその一
TURN13 オフランスへその一
TURN13 オフランスへ
セーラは命からがら帰還したイギリス達から報告を受けた。そしてだ。
暗い顔になりだ。こう言ったのだった。
「そうですか。ドクツ軍はですな」
「済まない、予想以上の強さだった」
「危ういとは思っていましたが」
「いえ、いいのです」
敗北にうちひしがれる祖国、そして提督達にだ。セーラは優しい声をかけた。
そしてだ。こうも告げたのだった。
「勝敗は戦の常、それよりもです」
「ああ、艦隊は四割はやられたけれどな」
「何とかアイスランドから撤退することができました」
「アイスランドへの航路は遮断したからな」
「ドクツはそこから攻めてくることはありません」
「わかりました」
このことを聞いてだ。セーラは一先ず安堵した。
そしてそのうえでだ、こんなことも言った。
「ではまずは安心ですね」
「ああ、オフランスでの戦いに専念出来るぜ」
「後顧の憂いはありません」
「ではです」
二人の報告を受けてだ。セーラはあらためてだ。祖国達、そして提督達に言った。
「これよりオフランスに軍を向けます」
「わかりました」
「それではすぐに」
「そしてマジノ線に入ります」
迎え撃つ場所はだ。そこしかなかった、
「そのうえで、遂にです」
「はい、ドクツを」
「そこで倒しましょう」
提督達もセーラの意を決した言葉に応えた。そうしてだった。
彼等もすぐに戦いの準備に入る。しかしだった。
セーラはその中でだ。モンゴメリーにこう告げたのだった。
「貴方にはオフランスでも本国でもなくです」
「植民地ですね」
「そこに行ってもらいたいのですが」
「わかりました」
微笑んで敬礼してだ。モンゴメリーはセーラのその言葉に応えた。
「ではすぐに」
「そしてその場所ですが」
どの植民地かもだ。セーラはモンゴメリーに話した。
「北アフリカです」
「あの地ですか」
「北アフリカはイタリンが狙っています」
だからだというのだ。
「あの国の侵攻も許してはなりません」
「その通りです。ではまずは」
「どうするのですか?」
「スエズを拠点とさせてもらいたいのですが」
すぐに北アフリカに入るのではなくだ。そこに入るというのだ。
「そこから戦いたいと考えています」
「スエズですか」
「あの地が我がエイリスのアフリカ統治の拠点の一つですから」
それ故にだというのだ。
「あの地に入りそしてです」
「足掛かりを設けてですね」
「そのうえでイタリンを迎撃したいです」
「そうですね。北アフリカに直接向かうよりはいいですね」
「はい」
この辺りだ。老練の騎士提督らしい判断だった。モンゴメリーはこのことをだ。セーラに対して微笑んで話したのだ。そしてセーラの横にいたエリザもだ。
微笑みだ。こうモンゴメリーに言ったのだった。
「流石ね」
「これはエリザ様」
「私もそれでいいと思うわ。ただね」
「スエズ自体のことですね」
「あそこにいるエジプト君はね」
彼はだ。どうかというのだった。
「私達にあまり協力的ではないかな」
「はい、残念なことに」
「彼の協力はあまり期待できないかも知れないわね」
「私も。エジプト氏にはです」
どうかとだ。モンゴメリー自身も述べるのだった。
「協力は申し出ないつもりです」
「そうするしかないわね」
「本音を言いますと協力して頂きたいのですが」
「向こうがそれを受けてくれるかというとね」
「望み薄です。それにです」
ここでだ。モンゴメリーは一つ憂慮を述べた。それは彼のその顔にも出ている。
「あの地も。どうやら総督や大貴族達がです」
「彼等ですか」
セーラがだ。モンゴメリーの今の言葉に表情を暗くさせた。
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