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ドリトル先生と春の花達

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第五幕その三

「微妙なことで変わるんだよね」
「そうそう、本当にちょっとしたことでね」
 ダブダブも言います。
「変わるよね」
「気温がちょっと違うと」
 ここで言ったのはポリネシアでした。
「味が変わるから」
「今年の三月は寒かったから」
「そのせいじゃないかしら」
 チープサイドの家族も言います。
「それで虫達の味が変わった」
「そうじゃない?」
「ううん、あれだけ寒いと」
 ホワイティも三月の寒さを思い出します、今は暖かくなっていますがそれでもあえて思い出したのです。
「虫の体調も変わるしね」
「僕は虫は食べないけれど」
 それでもとです、ジップは言いました。
「食べものって確かに些細なことで味や匂いが変わるね」
「そうそう、それはね」
 チーチーはジップの言葉に頷きました。
「すぐに変わるね」
「だから虫もね」
 ガブガブも言いました。
「味が変わるんだね、僕も虫は食べないけれどね」 
「まあ気候が原因なら」
 老馬も言います。
「調べるのは簡単かな」
「というか土とか草とかお水の種類は一緒だよね」
「変えてたら変えたって学校のそうしたところから報告あがるよ」
 オシツオサレツはこのことに気付きました。
「だったらね」
「その報告調べたら?」
「うん、そうだね」
 また言った先生でした。
「土や草を変えたかどうか事情を調べよう」
「どういった土を入れたか」
「それをだね」
「調べてそしてだね」
「確かめるんだね」
「うん、そうしてね」
 そのうえでというのでした。
「小鳥君達に話そうね」
「そうだね、それじゃあね」
「今からね」
「そこを調べて」
「そのうえで」
「例えば園芸部が庭園に入れる土とかね」
 そうしたものをというのです。
「調べていこうね」
「よし、それじゃあね」
「今からだね」
「そうしたこと調べよう」
「学園に仕入れている土とか草をね」
「その種類を」
「それが変わっていたら」
 それならというのです。
「味も変わるから、ただ」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「うん、何かね」
 また言った先生でした。
「今回の理由は大体わかったよ」
「気候だね」
「そのせいだね」
「寒いから虫の調子も変わっていて」
「味もなんだ」
「うん、変わっていたんだよ」
 こう言ったのでした。
「そのせいだったんだよ」
「よし、謎は解けた?」
「まだそこまでははっきりしないけれど」
「若し学園全体の土や草が変わってないなら」
「そこね」
「気候ね」
「そうだね、しかし思うことは」
 また言った先生でした。
「前から知っていたにしても」
「それでも?」
「それでもっていうのね」
「気候が変わると何かと変わることは」
「このことについては」
「あらためて認識したよ」
 そうなったというのです。 
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