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ヘタリア大帝国

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123部分:TURN12 ノルウェー星域会戦その七


TURN12 ノルウェー星域会戦その七

「贅沢はしてはならない」
「そうですね。国民の為に戦う我々がです」
「贅沢を求めるなぞです」
「あってはなりません」
「この食事は今の国民達の普通の食事だ」
 それがだ。そのまま彼等の前に出されているのだ。そしてそれを食べているのだ。
「それと共にだ。総統閣下もだ」
「そうでしたね。あの方は質素です」
「しかも菜食主義者でしたね」
「お料理にラードも使われない」
「総統閣下ご自身が質素な方だ」
 レーティアはその私生活も知られているのだ。それは極めて質素なのだ。
「それでだ」
「我々が贅沢を極めるのは」
「あってはならないことですね」
「その通りだ。あってはならない」
 また言うマンシュタインだった。
「決してだ。では食事の後でだ」
「はい、エイリス、北欧連合軍ですが」
 士官の一人がフォークとナイフを止めてだ。マンシュタインに答えてきた。
「今現在北に集結しています」
「そうか、集結したか」
「場所はノルウェー星域の手前です」
 そこにだ。彼等は集結しているというのだ。
「数は六個艦隊です。指揮官はスウェーデンのアルビルダ王女です」
「あのバイキングの姫君か」
「そして各国家も参戦しています」
 士官はマンシュタインにこのことも答えた。
「その中にはイギリスとその妹もいます」
「わかった。そうした事情か」
「はい。それではですね」
「予定通りだ」
 マンシュタインは今度は黒パンを食べていた。ドクツのそれをだ。
 その武骨な巨大な手で掴むパンは小さい。そしてそれを口に入れてからだ。こう言ったのである。
「それではロンメル、祖国殿達と後でだ」
「打ち合わせの後で、ですね」
「そのうえで」
「その通りだ。戦闘に入る」
 その重厚な声で述べていく。
「それでいいな」
「畏まりました。それでは」
「食事の後ですぐに」
 打ち合わせをしてだ。そうしてだというのだ。
 彼等は戦いに入ることにした。こうしてだ。
 ドクツ軍はかなりの速さでノルウェー星域に向かった。その彼等に対して。
 エイリス、北欧連合の連合軍はそのノルウェー星域の手前で布陣した。そのうえで迎撃にたった。そのドクツ軍の艦艇の動きを見てだ。
 イギリスは己の旗艦の艦橋、広い赤と白の装飾が施された絨毯の上にある見事な、まるで王が座る様な立派な席に座ったままだ。こう言ったのである。
「速いな」
「そうですね。報告以上です」
「実際に見てみますと」
 彼の旗艦にいる士官達が応えてきた。
「特にあの艦隊です」
「あれはロンメル、そして」
「プロイセンだな」
 ドクツ軍の右手にいるその二個艦隊を見てだ。イギリスは言った。
「間違いないな」
「そうですね。あの二つの艦隊がです」
「とりわけ動きが速いです」
「うちの艦隊の倍以上の速さだな」
 そこまでだとだ。イギリスはその席から言った。
「主力も動きが速いな」
「ですね。しかも動きがいいです」
「統制が取れています」
「マンシュタインだな」
 イギリスは彼の名前を出した。
「間違いないな。あいつだ」
「一次大戦の英雄ですね」
「元帥になったと聞いていましたが」
「そいつが来るなんてな」
 どうかとだ。イギリスはまた言った。
「やっぱり相当な戦いになるな」
「はい、それでは」
「我々も」
「総員迎撃用意だ」
 イギリスは己の艦隊に指示を出した。
 
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