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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0212話『炬燵での談話』

 
前書き
更新します。 

 



今日は立冬である。
だからもう秋から冬に移り変わった日でありこれからどんどんと寒くなってくるだろうという思いを感じている。
外を見れば風がビュービューと吹いており外にいるのだろう艦娘達を寒がらせているのが見える。
こんな日に外に出るなんて寒いだろうに……と思いながらも私は談話室にある炬燵の準備をしている。
各個人の部屋にある炬燵に関しては自分たちでやってもらっているけど共同スペースのここだけはいかんせん誰かがやらないといけないからな。
そんな事を思っている時に早速という感じで誰かが談話室に急いで入ってきた。

「ひゃー! 寒いですよ!」
「そうだね漣」
「うー……とっても寒いです」
「三人ともだらしないったら」
「そう言うボノたんだって少し体が震えているのですよ?」
「漣うっさい! それとまたボノたん言うなし!」

どうやら第七駆逐隊の面々が炬燵にあたりに来たらしい。
それなので私はさっそく炬燵の電源をいれながら、

「四人とも。今しがた炬燵の電源を入れたばかりだからあたっていくか?」
「おー! ご主人様ナイスです! 漣、突撃します」

さっそく漣が炬燵に入ってきた。
だけど、

「やっぱり入れたてはまだ少しだけ冷たいですねー。でも、これこそ炬燵の醍醐味と言いますか……」
「クソ提督にしてはマシな仕事じゃない? あたしも入らせてもらうわ」
「曙は素直じゃないなぁ……あたしも入らせてもらいます」
「私も入ります。失礼しますね提督」

三人もそれで炬燵に入ってきては少しだけ表情が蕩けてきていた。
それに少し面白さを感じながらも、

「それじゃ町内会から譲ってもらったみかんを持ってくるから待っていてくれ」
「「「はーい」」」

町の人達は気前がいいんだろうけどよくミカン箱をくれるんだよね。
この季節は特に助かっているから重宝している。
ざるに数個かみかんを入れて炬燵の場所へと戻ってきて、

「漣、ミカンを持ってきたからとなり入らせてもらうぞ」
「わーい! どうぞどうぞ! ご主人様なら歓迎ですよ」
「それじゃ失礼するよ」

私も炬燵に入らせてもらう。
気づけば曙が談話室のテレビをつけてなにかの映像を見ている。
私のついそれに目を向けるとそこには艦娘が映っていた。
どうやら大本営直轄の艦娘らしいけど、映像の中では歌などとか歌っている。

「はー……この子達は気楽よね。戦場で戦うより歌で稼いでいるんだから」

頬杖をつきながらそう言葉を零す曙。
なにか思う所があるんだろうな。

「曙はなにか感じたのか? 彼女達に」
「いや、そんなんじゃないけど……なんていうか艦娘もアイドルに転向してきたのかなって……海で深海棲艦と戦う事しかできないあたし達がどうやったらアイドルになれるのかなってね」
「曙もそういうのを感じるんだね」
「それってどういう意味よ朧。あたしだって少しは思う所があるんだからね?」
「ふふ、そうだね」
「むー……」

少しむくれながらもミカンを剥いてそれぞれ食べている光景を見て、

「そうだな……潮とかは歌とかは歌わないのか?」
「へ……? いえ、そんなの全然あり得ませんよ! 私なんかが歌ってもつまらないだけです……」
「そうですかねー? 漣としましては潮はいい線いっていると思いますけどね」
「漣ちゃん、そんな……私がもしそんな事になったら恥ずかしくて耐えられないよぉ……」

潮はそれで少し照れてしまっている。
うーん……確かに潮の性格だとそうかもしれないな。

「でも、そういうご主人様は歌とかは歌わないのですか?」
「私か……? そうだな。この世界に来る前はよく友達とカラオケとかで歌ったりしていたけど今ではもう歌う事もあまりないしな」
「ほー……そうなのですか。でしたらぜひご主人様の歌唱力も知りたいところですね」
「朧もそれは知りたいかも……」
「はは……私もそんなうまい方じゃないよ。せいぜいアニソンを歌うくらいでメジャーなジャンルはそんなに歌えないしな」

私はそう言うながらもミカンを剥いて口に入れる。うん、この酸っぱさ加減がいいよな。
歌と言えば……、

「そういえば……榛名は確か金剛達と一緒に元の世界では歌が出ていたけど謳わないのかい……?」
《そうですね……私も恥ずかしいですけど金剛お姉さま達となら歌っても構わないと思いますけど……》
「そうなのか」
《はい。ただ確か少しだけ感動が入っている感じの歌でしたよね?》
「まぁ、確かに……他にも加賀とか赤城とか第六駆逐隊とか夕立達とかも持ち歌はあるからな」
「こうしてみると……意外に歌う人たちって多いですよねー……」

だらーと体をのばしながら言う漣はどこか面白くなさそうな感じだった。

「もしかしたらこれから第七駆逐隊にも歌が出るかもしれないよな。四人とも人気があるからな」
「はぁ? よりによってあたし達がどうして歌わなきゃいけないのよ? なんか嫌ね」
「まぁ曙はそういう反応をするとは思っていたよ」
「そうですよねー。ボノたんはツンデレですからー」
「誰がツンデレよ!? もう……それにもういちいち注意するのも疲れたわよ……」
「お? それじゃもうボノたん呼びで構わないのですか!?」
「やっぱりそれだけは嫌ね、うん」
「いじっぱりですねー……」

漣と曙のやりとりは飽きないよな。
それを見て朧と潮も少しだけだけど笑っているから。
私はそんな四人を見ながらいい仲間関係だよなと改めて仲の良さに少しの憧れを感じていた。

「それじゃそれじゃご主人様! 今度ですけど人数集めてみんなでカラオケとか行きませんか? みんなと歌うならなにか楽しそうですから!」
「お。それはいいな」
「冗談でしょ……?」
「朧は構いませんけど……」
「潮もみんなと一緒ならいいかもしれないです」
「あんた達ねぇ……」

なにやら少し決定事項な感じになってきたな。
それはそれで楽しそうだしね。
それで後々みんなでカラオケに行く約束ができた。
楽しめればいいなと私は感じた。

それとちょうどよかったんで曙に進水日の贈り物を贈っておいた。
喜んでいたようでよかった。


 
 

 
後書き
第七駆逐達のみんなと談話は楽しいですよね。
バランスが取れているというか……。




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