| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

俺のペットはアホガール

作者:猫丸
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

その十八「夏だ! 旅館だ! 温泉だ!」

 
前書き
~帰って来た夏休み:後編~ 

 
カポーンッ。

昼間アホの千代紙さんに散々な目に合わされた私(達)は本日泊る宿である旅館にある露天風呂で疲れを癒すことにしました。

「今誰も入っていないみたいですか貸し切りですねっしーさん♪」

「やほーい♪ 泳ぐぞぉぉぉ!!」

「ちよ子先輩には言ってないですよ! 温泉で泳ぐって小学生ですかっ!!?」

本当ほんとっ千代紙さんはアホですね。
脱衣所で着替えるだけなのにどうしてこんなにもうるさいのでしょう、あの子たちは。
蛙の子は蛙……親が親なら子も子、というわけですね。ふんっ。

「ふふふ」

「彗? なにかいいことでもあった? 顔ニヤけてるよ」

「あったと言うよりはこれからある、かな?」

「?」

後ろで着替えている緑屋さんと翡翠さんの会話が少し聞こえてきました。でもなんの話なのか全然わかりませんでした。
ま、まさか斎藤くんとイイ感じになろうって話じゃ……ってそんなことあるわけないですよねっ。あの大人し系の2人に限って♪

「んー??? これなんだしー?」

部屋の隅。かどっこに置いてあるゴミ箱前にしゃがみ込んで小野さんがなにか言ってますよ。

「どうなされたんですか、小野さん」

「あ。りつこ~これ見るし~」

と、小野さんがゴミ箱から取り出したのは”バトン”と書かれた紙がセロハンテープで貼り付けられた長さ20㎝くらいの棒でした。

「そ、それはぁぁぁっ!!?」

「りつこ。これがなんなのか知ってるし?」

知っているも何もその棒を手にした者はお話の主役の座を勝ち取れ、お話を自分の好き放題にしっちゃかめっちゃかにしちゃえると言われる伝説的なバトンリレーとかでよく使われてそうな”棒”じゃないっ!!
な、なんでそんな伝説的な棒がこんなところにっ! しかも小野さんが手にしているのですかっ!!?

「ハッ!!?」

「んあ?」

ま、まさか今回のお話の主役は小野さんっ!? 今回あまり出番なかったですね~ご愁傷様です、ぷぷぷ~と思っていたら、後編のトップバッターですって!?
しかも! 最藤くんとの入浴シーンのお話でぇええええ!!?

※当旅館には家族風呂並びに混浴温泉はございません。あしからずに。

斎藤くんと混浴なんて絶対にさせないんですからっ! なんとしてでもあの伝説的な棒を小野さんか奪う…いえ、温泉旅館に相応しくない物は没収しなくてはっ、だって私は生徒会なんでしからっえぇ!
しかしどうやって小野さんから伝説的な棒を没収しましょうか……そこか問題です。

「りつこ、これ欲しいし?」

「ええっ!? べ、べべべべべつに欲しいわけでは……」

「じゃあしおにでも…「まっ待ちなさいっ」ん?」

「私個人が欲しいと言うのではないんですよ? でも生徒会長ですから、そうゆう温泉旅館に相応しくないものは没収し保管しないと、ですね……」

「これ、ふさわしくないものだし?」

「えっ……えぇもちろんですっ!! 温泉に棒っなんて、いかがわしすぎますわっ!」

「????」

わ、私は何を言っているのでしょう/// 自分でも何が言いたいのか分からなくなってきました。

「……そんなに欲しいならあげるし、はい」

「だ、だから欲しいわけではなくて、ですねっ! でも有難く頂戴致しますわ」

では。と、小野さんに頭を下げてまだ着替えている皆さんの間を通って行き誰よりも早く引き戸を開けて露天風呂へ、そして

「よっしゃぁぁぁあああああああああああああああああああああああっっっっ!!!」

勝った! これで今回のお話の主役の座は私の者です!!
さ、最藤くんとイイ感じになって2人の仲は急接近して、そして2人は……

「会長楽しそうだね」

「うえええええっひ、翡翠さんっ!?」

ぜんっぜん気が付きませんでした。翡翠さんの顔がすぐ後ろにありましたっ。

「だいじょうぶ。わたしの邪魔をしなかったら、会長の邪魔もしないから」

「邪魔って…な、なんのことかしら??? 私は別に何も企んでなんて……」

「わたしの邪魔だけはしないでね」

ビュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!

「さむっ!!?」

まだ8月なのに冬のような北風が……って翡翠さんがいないっ!? 先ほどまで私の後ろにいたのにっ!!?
翡翠さんってやっぱり不思議な子…。

「やっふー温泉だ♪」

「露天風呂だしーキャフー♪」

「滑りやすいですからね。足元気を付けてくださいね」

「大丈夫だよ、美希。そんなに心配しなくても……ぁ」

「しーさんっ!? だから滑りやすいって言ったじゃないですかっ!!」

「フンッ……騒がしいな」

他の皆さんも来たようですね。1人知らない人もいますけど他のお客様でしょうか。
うちのアホの子たちがご迷惑をおかけして本当申し訳ございません。
このお話では私が主役! なら次回で千代紙さんたちを退場させることだって出来るはずっ!
別に嫌いってわけでも恨みがあるわけでもないですが、私と斎藤くんがイイ感じになるための犠牲だと思って喜んで退場してくださいね。



さあ_熱き戦いの始まりですよ_!!










『あっくんの小さいアレ』高浜 律子side 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧