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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語

作者:炎の剣製
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006話『覇王を名乗る女性の話』

 
前書き
更新します。 

 




今日はヴィヴィオちゃんとともにイクスちゃんのお見舞いをしに聖王教会へと来ていた。
ちょっと前に起きた騒動がきっかけで知り合いになったんだけどそれからすぐに眠りについちゃって今では聖王教会の一室で眠りについているんだ。
それで今日はノーヴェさん達ナカジマ姉妹の人達やシホお姉ちゃんも一緒に来ていた。
シホお姉ちゃんはイクスちゃんの定期検診をしているとかで今日も着いてきている。
なんでもシホお姉ちゃんの腕にかかれば眠りについているイクスちゃんを起こすことも不可能ではないという話なんだけど、訳あって自然回復して意識が覚醒するまで待ってからとある薬を飲まそうという話らしい。
シホお姉ちゃんが行くならランさんやレンさんとかも来たそうだったらしいんだけどまたの機会という話らしい。
その話を聞いたトレディさんが、

「……………そう、レンさんはいないんですね」
「ええ。ごめんねトレディ」

と、落ち込んでいたりしているのでシホさんに慰められていた。
トレディさんはレンさんの事が好きらしいから残念なんだろうね。
まぁそれでも気を取り直して僕たちはイクスちゃんのお見舞いへと向かっていった。
途中でシホお姉ちゃんやチンクさんとは別れたんだけど、何の話をするんだろう……?









「―――シホ、お久しぶりですね」
「ええ。カリムも元気そうでよかったわ」
「はい。でも、もう四年も経過するのにシホは相変わらず姿も変わらないのですね……。不死になってしまって辛くないですか?」
「そこらへんは、まぁ大丈夫よ。幸い周りがよく気遣ってくれるし変に見られないようにしてくれているしね」

私は今チンクとともにカリムのもとへとやってきていた。
カリムは相変わらず最初には私の心配をしてくれる。
もう四年も経過するのにこれだけは変わらない習慣だなとも思う。

「シホさんの件に関しましてはこちらも関係していますので深く言えませんが……」

チンクがそう言って顔を俯かせるんだけどもう気にしていないからそんなに気に病まないでほしい。

「大丈夫よ。私はこれでも心は折れない剣だから気にはしていないわ」
「そう言ってくださると嬉しいですが……」
「ええ。だから気を楽にしていいわ」
「はい」

チンクはそれでようやく楽な姿勢になった。
さて、よれじゃいつもの前トークは終わったので本題といきましょうか。

「それで、カリム。もう用件は知っていると思うけど……」
「はい。例の障害事件のことよね?」
「ええ。チンク、お願い」
「わかりました」

チンクにお願いしてスクリーンを出してもらう。
そこには例の『イングヴァルド』を名乗る襲撃者の映像が映し出される。

「件の襲撃者は自称『覇王・イングヴァルド』と名乗っていまして数々の格闘戦技の実力者達に勝負を挑んでいると言います」
「しかし……ここでクラウスの名を名乗ってくるなんてやっぱり血を引き継いでいる子孫なのかしら……?」
「そういえば、聖杯大戦での事は表沙汰されていませんがクラウス様も出現したのでしたね……」
「はい。オリヴィエ様に最後に倒されましたがその後にどういう訳かギルガメッシュのところでクラスカードとなって今も生きていると思いますけど……」

あれは驚いたわね。
聖杯大戦で倒したはずのサーヴァント達があの『ブリューナク・クーデター事件』ではギルガメッシュの手でどういうわけか復活していたんだから。
その後にギルガメッシュに会いに行ったらどういう訳か地球で魔術師による団体の長を大師父と一緒に務めているではないか。

「もし、この犯人の女性が本当にクラウス様の直系の方なのでしたらクラウス様と会わせてあげたいわね……」
「そうね……」

それはクラウスのオリヴィエ様との戦いでの散り際に残した言葉……。
『もし僕の子孫に会うことがあったならよろしく伝えてください……』という願い。
もしかしたら会えるかもしれないという気持ちで私は少し会えるのを楽しみにしていた。

「……それでヴィヴィオやイクスに危険が及ぶ可能性は……?」
「それはなくはないかと……ですが少なくともヴィヴィオ陛下に関しましては当面は大丈夫かと……なぜかってヴィヴィオ陛下の存在は一般には情報は開示されていませんので目の色が同じくらいでは気づくものはあまりいないと思いますから……。
むしろ……」

そこで言葉を切ったチンクは私の方へと視線を向けてくる。
……そうね。

「多分オリヴィエ陛下を狙う可能性の方を考えておいた方がいいと思うわね。四年前のJ・S事件では実際にゆりかごを起動させたのはオリヴィエ陛下ですからもう情報は一般にも開示されているからね。むしろ今まで普通に暮らせてこれたのも不思議に思うしね……」
「そうなのよね。ヴィヴィオはともかくオリヴィエ陛下はサーヴァントという存在だとはいえ普通になのはさん達と暮らしていますから。それを言うとシホ、あなたも普通に暮らしているのも不思議に思うくらいなのよ……?」
「私はほら……。私だけの功績じゃないから」
「そうだけど、実際にゆりかごを破壊せしめたのはシホ個人の力あっての事だから。ね? ミッドチルダを救った英雄様?」
「茶化すのはよしなさい、カリム」
「はいはい♪」

カルムのおかげで場の空気はなんとかほぐれたんだけど、

「ですが、用心に越したことはありません。イクスの方に関しては……」
「はい。イクスの方はセインに護衛についてもらいましょう」
「それなら安心ですね。あれでやる子ですから」
「はい。それは分かっています。それとヴィヴィオの方に関しましては……」
「そちらは私達の方でどうにかするわ。だから安心しておいてカリム」
「わかりました。それではお願いしますね」
「了解よ」

それで私達の話し合いは終わった。
それからチンクとともに廊下を歩きながら、

「……でも、もし本当にクラウスの直系の子ならギルガメッシュのところに向かうのも検討に入れておいた方がいいわね」
「なぜですか……?」
「うん、この彼女がどういう理由で襲撃しているのか分からないけど、もし過去から引き継いでいる何かに縛られているんだとしたら解放できるのはクラウス本人しかいないと思うから」
「なるほど……それなら納得ですね」

そう、たまたま運がよかったのかこうしてクラウスとその彼女が会えるきっかけは出来た事になるからギルガメッシュには感謝しておかないと。
すると前方の廊下からツルギ君やヴィヴィオ、ノーヴェの姿が見えたので、

「それじゃ小難しい話はこの辺にして置きましょうか。わざわざヴィヴィオの耳に入れる事でもないしね」
「そうですね」

それでこの件の話は一旦終わりになった。








カリムお姉さん達と何を話してきたんだろうね、シホお姉ちゃんは?
少し眉間のところが寄っていたから僕じゃ分からない話をしていたんだろうな。
ディードさんやオットーさん達とも別れて聖王教会を後にする僕たち。

「さて、それじゃツルギ君達はこの後はどうするの?」

シホお姉ちゃんがそう聞いてきたので、

「うん。この後はストライクアーツ練習場でみんなと集合して色々と練習するつもりだよ!」
「へー……面白そうね」
「なんならシホさんも着いてきますか?」
「ノーヴェ、いいの?」
「ええ。むしろシホさんにはあたしの成長した姿やチビたちの面倒も見てもらいたいですから」
「そう。それなら着いていってみようかしら……」

どうやらノーヴェさんのおかげでシホお姉ちゃんも一緒に着いてきてくれるみたいだ。
あれ? でも、そんなシホさんが一般の人達の練習場にいったらどうなっちゃうんだろうと少し心配もしてしまう。
そして初対面のリオちゃんとか本当にどうなってしまうのか本気で心配だ。

「……ね、ねぇヴィヴィオちゃん……」
「うん。ツルギ君の心配はわかるよ……。リオってどういう反応をするだろうね?」

考える事は皆同じって事かな?
シン君、コロナちゃんも初めてシホお姉ちゃんと会った時にはそれはもう大変な驚きをしていたからね。
キリヤ君はご近所付き合いもあるからそれほどでもなかったけど憧れはしているみたいだし。
シホお姉ちゃんってご近所の目なんて気にしていないからミッドチルダの英雄が普通に歩いているとか昔はよく言われていた事だったし。
リオちゃんはどう思っているのかわからないけど、かなり驚くのは目に浮かぶようだ。
今のうちにご愁傷さまと祈っておかないとね。

「それじゃ案内よろしくね。ノーヴェにウェンディ」
「わかりました」
「了解っす!」

ノーヴェさんの案内のもと少しの不安を感じながらも僕達は練習場へと向かっていった。


 
 

 
後書き
というわけでイクスに関しては自然治療に任せました。
エリクシールは意識が戻った後に飲ませようと思います。




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