アイディアマン
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第二章
「それでいく?」
「ハンバーグ?」
「そう、ハンバーグでね」
「ううん、リーズナブルでしかもファミレスらしくて」
香耶は美海の提案を聞いて言った、ここでちらりと部屋の壁の時計でちらりと時間をチェックしてまだ少しは大丈夫だとわかってから応えた、二人共家は近くで十二時まではと決めている。
「いいわね」
「そうでしょ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「ちょっとありきたりじゃない?」
香耶は自分が思ったことををそのまま話した。
「ハンバーグは」
「ありきたりしかしら」
「ちょっとね、誰でも食べるから」
だからだというのだ。
「ありきたり過ぎて」
「人気が出ない」
「注目されにくいでしょ」
香耶はこの危惧を言うのだった。
「今回そもそもライバル店もあって」
「そこに勝つ為にね」
「注目される新商品ね」
「店長さんに出してくれってことだから」
そうした話なのだ、そもそも。
「それでじゃない」
「私達も今こうして話してる」
「そうでしょ、だったらね」
「もっと、なのね」
「目立つものにしましょう」
ハンバーグの様なファミレスとしてはありきたりのものでなく、というのだ。
「もっとね」
「じゃあ安くてしかも目立つ」
「そっちでいきましょう」
「ううん、それじゃあ考えていく?」
「そっちの方針でね」
「うちもメニューは色々あるし」
それでというのだ。
「考えていきましょう」
「メニューを見ながら」
「色々とね」
こうした話をしてだ、そしてだった。
二人はそれから暫くだった、熱心に話をして新メニューを考えた、美海は閃いてこのメニューを出した。
「ホヤどう?」
「東北名物ね」
「それどう?」
「いや、ホヤは」
すぐにだ、香耶はホヤと聞いて美海に困った顔で返した。
「癖強いから」
「駄目?」
「八条グループだったらキャビアはともかくホヤは安く手に入るけれど」
巨大グループ独自のルートがあってだ。
「それでもね」
「安くても」
「そう、それに目立つけれど」
その点もクリアーしているがというのだ。
「奇抜過ぎるから」
「癖が強くて」
「匂いも味もね」
その両方がというのだ。
「特に子供にはね」
「ああ、あれお酒のおつまみだしね」
美海もここで気付いた、それで言うのだった。尚二人共酒好きだ。
「ファミレスは子供のお客さんも多いし」
「だからね」
それでというのだ。
「ホヤはね」
「駄目ね」
「そう、それで私が考えてるのは」
香耶が出したアイディアはというと。
「チキングリルね」
「あっ、あれね」
このレストランの人気メニューの一つだ、美海も目を光らせて応えた。
「あれでなの」
「そう、和風はあるけれど」
それがというのだ。
「ここで甘さに方向転換して」
「どうするの?」
「苺とクリームをたっぷりとかけるのよ」
チキングリルにというのだ。
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