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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0202話『初春型の集会』

 
前書き
更新します。 

 



ふんふふーん!
子日は今日も今日とで練度上げに励んでいますっと。
もうすぐ練度が70に達すれば子日は晴れてお役御免になるんだけど、でもそうなると今度の練度上げはいつになるんだろうという不安があるのは否めないんだよね。
提督が言うには駆逐艦全員練度が70に達したら次の目標は練度75だ!と言っていたけどまだまだ先の話だよねー。

「そんな感じなんだけどどう思う? 若葉」
「そうだな……。若葉としてはまだまだ強くなれる余力があるなら上げていきたいとは思うが……」
「相変わらず若葉は真面目だなぁ……」
「そこが若葉らしいというのも感じますけどね」
「そうじゃな。最近若葉はまだ戦場に出て活躍できないのをちと憂いていたからのう」

初霜と初春姉さんがそう反応してきた。

「あーあ、初霜に初春姉さんはいいなー。改二になっているから出番がある可能性があるから」
「うむ。若葉もその意見には賛成だ。早く若葉たちにも改二が来ないものだろうか……」

先日に改二になったみっちー(満潮)は朝潮型としては五人目の改二だから羨ましいよねー。
絶対大本営が贔屓しているよねって他の型の子達と話すこともあるくらいだから。
子日もいつか改二になれたら精一杯活躍できるんだろうかな……?

「子日よ、お主たちにもいつの日か改二の話が来ることじゃろう。だから今のうちに力を溜めておくんじゃな。わらわとて改二になってからというものこれと言って戦場に出ないからあまり練度は上がっておらぬからな。あの提督はちとわらわ達の使い方を心得ていないと見るが、さて……」

初春姉さんはそれで少し思案顔になっていた。
そっか。改二になっても悩み事はあるもんね。

「その分初霜は羨ましいものだな。提督と絆も結んでいるからな」
「あっ……えへへ、そうでしょうか?」

嬉しそうな顔をしちゃってー。
初霜は満更でもないようにはにかんでいるし。
ケッコンカッコカリ、か……。
改二にもなっていない子日達からしたらカッコカリの条件を満たすのは容易ではないからね。
まずは最低ラインの70にやっとどうにか届くくらいだからね。
提督は戦力強化の意味も含めて練度がカンストした人とはすぐに絆を結んでいるから戦艦空母のみんなは大体は絆を結んでいる人達が多いし……。
駆逐艦の子日達に比べたら確かに強いから仕方のない事なんだけどなんか釈然としないなー。
ま、いまさらそんな事を考えても詮無い事だからもう考えるのはよし!
もっと明るい話をしていこう!

「それじゃだけどー、この後だけどどうする? 子日はどこかに遊びに行きたいなー」
「それは……どうなのでしょうか? 基本鎮守府の外に出るには提督との随伴が必須ですから……」
「そうじゃな。もしやという訳でもないが単独行動をして好からぬ者にもし誘拐されでもしたら目も当てられないからな」
「艤装を出すのはダメなのか……?」
「人に向けてもダメじゃろう? 久保少佐に教わらなかったか……?」
「ぶー……それじゃもう妥協案で間宮にでも行こうか」
「そうだな……鎮守府内にも色々な娯楽施設もあるから不便はないしな」
「そうじゃな」
「いいでしょう。行きましょうか」

そんな事でみんなで間宮に行こうという感じで移動を開始したんだけど、

「……そういえば、若葉はどこかしら煙草を吸っているという噂を聞きますけど……吸っていませんよね?」

突然初霜がそんなびっくりな話題を出してきたので子日は驚いていた。
ま、まぁ子日達艦娘は基本年齢はないから大丈夫だろうと思うけど……むしろ艦の年齢も加算するとかなりの歳だしね。

「ふぅ……心配するな初霜。そこまで落ちてはいないさ。まぁ吸ってみたいという願望はあったりもするけどな」
「ただの噂ならいいんだけど、ほらうちの人達って提督も含めて吸う人がいないじゃない? 大型艦の人達もそれぞれお酒とか色々自由に娯楽を楽しんでいるけど煙草だけは誰も吸っていないから」
「なんじゃ初霜。そういう物言いだとお主の方がむしろ煙草に興味を示しているようにも感じるぞ?」
「そそそ、そんなことは無いですよ!? ええ、当然ないですとも!」

慌てて否定しているけど怪しいなぁ。
真面目な初霜は意外とストレス発散のために吸っているかもしれないというか吸っている姿を想像すると意外に似合うのが結構問題だったり。
まぁ……煙草は身体に悪いからね。
半不老の子日達の艦娘とはいえ体を壊すことはあるからね。
あまりにも酷い時は高速修復材を投与されるくらいだしね。

「ちょーっとこの話題はよしにしようか。なんか話していて見た目的にもアウトな話題だしね」
「そ、そうですね」
「じゃな」
「そうだな」

ふぃー……なんとか終わらすことが出来たよ。
初霜はいざ話題を出すとそれに固執する癖があるから早めに切り上げないとどこまでも続いちゃうからね。
そしたら初春姉さんがバサッと扇子を広げながら、

「わらわ達にもっとふさわしい話もないものかのー?」

ホホホとそう言って笑う初春姉さん。
うーん……初春姉さんが結構雅な口調だからどうにも調子が狂うんだよね。

「それではこれから行く間宮でなんのスイーツを頼むか考えましょうか」
「それはいいな。うん、それで行こう」
「そうじゃな。ではわらわは間宮特製モナカでも頂くとするかのう」
「やっぱり子日はアイスかなー?」
「若葉は抹茶プリンだ」
「むむむ……言い出した私が言うのもなんですが三人とも決めるの早くないですか?」
「なんじゃ。初霜よ、まだ決めておらんかったのか?」
「むー……お店に着いてからメニューを見て考えます」

やっぱり初霜は真面目だけどその分ゆとりがないから思考が固いのが少しダメなところだよね。
そんな感じで子日達四人は間宮へと向かうのであった。

「おうっ! 子日がいる! 今日はなんの日!?」

島風ちゃんがいきなり現れてそんな事を言ってきたので子日は即座に返事を返した。

「子日だよ!」
「はっやーい! さすがだね」
「うん!」

それで島風ちゃんとハイタッチをする。
そんな初春型の日常の一ページであった。


 
 

 
後書き
子日を主役として日常の切り抜きをしてみました。
なにげに若葉は初めて出したかもしれない……。



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