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ドリトル先生と春の花達

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第三幕その六

「イグアノドンも二本足で立っていたのが四本足になったし」
「そうした姿の方が正しいんだ」
「二本足じゃなくて?」
「実は四本足だった」
「そう言われているのね」
「化石から骨格を考えていってね」
 そうしてというのです。
「調べて検証していくけれど」
「それでわかった姿は」
「実は四本足だった」
「そうだったのね」
「その恐竜にしても」
「こうしたこともあるからね」 
 だからというのです。
「自説に誤りがあるとはっきりしたらね」
「その時はその誤りを認める」
「それが大事なのね」
「うん、これは理系も文系も同じだよ」
 どの学問でもというのです。
「誤りは認めないとね」
「ましてやわざと嘘を言ったら駄目ね」
「絶対に」
「何があっても」
「そう、これはね」
 日本のマスコミの人達にはそうした人達もいますが。
「やったら学者ではなくなるよ」
「只の嘘吐きになる」
「そういうことね」
「そうだよ、僕は嘘吐きになりたくないから」
 白い梅のお花達を観つつ言うのでした。
「それは絶対にしないよ」
「うん、それでこそ先生だよ」
「まさにね」
「先生は嘘吐いたらいけないよ」
「何があっても」
「それは気をつけているから」
 くれぐれもです。
「何があってもね」
「それじゃあね」
「そこは気をつけてだね」
「これからも学問をしているんだね」
「あらゆる学問を」
「そうだよ、白い梅を紅い梅だって言うことはね」
 そうしたことはというのです。
「僕は絶対にしないよ」
「それでこそ先生」
「まさに先生ね」
「誰に対しても正直で嘘を言わない」
「そして間違いは認める」
「ずっとそうでありたいね」
 先生も自分自身に言い聞かせます、そうしてです。
 先生は梅から桃に目をやりました、文字通り桃色のそのお花達を観てでした。先生は今度はこう言いました。
「心が和むね」
「そうだね、梅も桃もね」
「観ているとそうなるわ」
 チープサイドの家族がお話しました。
「お花自体がね」
「観ているとね」
「そうだね、それで桃はね」
 チーチーは桃事態について言いました。
「赤と白の中間色だから余計に和むのかな」
「そうかも、中間色ってね」
 トートーも桃色について言及しました。
「そんな感じがするね」
「観ていると目に優しい?」
「そんな感じになるよね」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「赤や青や黄色といった色よりもね」
「そんな感じの色が多いね」
「はっきりした色よりも?」
 ガブガブはお顔を上げて言いました。
「そうした色の方が見ると落ち着くのかな」
「そうね、穏やかな感じになる色が多いから」
 中間色だととです、ダブダブはガブガブに応えました。
「目に優しいのかもね」
「だから観ていて和むのね」
 ポリネシアが桃を観る目も穏やかです。 
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