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レインボークラウン

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第四百七十九話

             第四百七十九話  学校が終わって
 その日の最後の授業とホームルームが終わるとだった、華奈子はすぐにランドセルに教科書やノートを入れてだった。
 クラスを出た、そうして半ば駆けつつ下駄箱に向かうがその下駄箱で美奈子と会って彼女に言われた。
「もうすぐによね」
「そう、塾に行ってね」
 華奈子は自分の下駄箱のところに向かいつつ美奈子に答えた。
「それで水の魔法使いたいの」
「そうよね、朝からそのことで頭が一杯だったし」
 美奈子もこの辺りの事情を理解していて応える。
「だったらね」
「もう今すぐによ、ワープ出来たら」
「それか転移の魔法ね」
「そういうのが使えたら」
 それこそというのだ。
「靴履いてすぐにね」
「塾に行くのね」
「そうするわ」
 まさにとだ、華奈子は美奈子に話した。
「絶対にね」
「それはわかったけれど」
 美奈子はその華奈子に落ち着いた声で言った。
「焦るのはよくないわ」
「急ぐなっていうの」
「そうなるわ」
 この場合は実際にというのだ。
「今の華奈子はね」
「けれどもうね」
「だから逸る気持ちは当然にしても」
 それでもとだ、美奈子は実際に逸る華奈子にあえて落ち着いた声で話した。
「それでもこうした時こそよ」
「落ち着くべきなの」
「そう」
 そこは絶対にというのだ。
「そうしてね」
「ううん、そうなのね」
「さもないと急いで行って途中の道でこけたりして」
 そうなってというのだ。
「怪我したりするから」
「だからなの」
「出来るだけ急がない方がいいわ」
 双子の姉妹に穏やかな声でアドバイスをした。
「やっぱりね」
「そう言うけれど」
「それでもよ」
 ここはというのだ。
「そうした方がいいわ」
「怪我をしない為に」
「そう、私も今から靴を履いてくるから」
 自分の下駄箱のところに行ってというのだ。
「それまで待って」
「一緒になのね」
「塾に行きましょう」
 こう華奈子に言ってだった、美奈子は自分の下駄箱に向かい華奈子も彼女を待つことにした。美奈子の言うことだからこそ。


第四百七十九話   完


                  2017・9・13 
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