鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――
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第八章 異世界の現実
~リンside~
店の屋上でリンとランファンとフーが何か話している・・・。
フー「なにも、若があそこまで下々の者に頭を下げなくても。」
リンの後ろで片膝を付き、少し腰を浮かした体制で話す。
リン「俺の頭一つで済むんなら安いもんだろ。ヤオ族50万人の命運がかかってるんだ。なりふり、かまってられんよ。」
『カチッ』
そんな、すげぇー事を言っているリンのすぐ後ろ(後頭部近く)でなにか変な音が聞こえた。リンは全然動揺せず普通に、
リン「レンリ~、なにやってんの~?」
会話する。とゆうかっ、レンリがリンに向かって銃を突きつけている!
レンリ「いや、ウザイから殺してもいいかなって」
また、意味の分からん理屈を言い出す。
リン「まぁまぁ、落ち着いて。テレジアが今どんな状況か知りたくないの?」
レンリ「ッ!!」
レンリは黙ってリンの隣に座る。
*テレジアとは、レンリやブルースの故世界*
レンリ「結晶化はどのくらい進んでいる?」
*ああ~、マイクテス、マイクテス。ええ~、ここからは、皆さんが見てもよく分からない話ばかりです。やな人は飛ばして九章をどうぞ!*
リン「三分の一くらいはもう結晶の世界だな。住んでいるのは、穢れとモンスターだけだ。まぁ、少しは生き残りがいるかもしれないけど。」
レンリ「そうか・・・。そういえば、私はどうなったことになっている?」
リン「盗賊と刺し違えて死んだって、華蛇女王陛下が言ってたよ。」
リンのこの言葉にレンリがキレた!
レンリ「誰が死んだじゃボケ!私はピンピンしるってーの!!」
立ち上がって怒りを露わにしている。そんなに、華蛇という奴は憎いみたいだ。
レンリ「あー、腹立つ!!画面とか通り抜けて殴るに行きたい!!」
ランファン「殿下、画面ではなく世界です。」
意味の分からんことを言うレンリにランファンが突っ込む。
レンリ「あっ、そういえば世界五大勢力はどうなってるんだ!誰か死んだりしたのか!!」
ランファンの突込みを全く聞いてないレンリは、リンの襟をつかんで顔を近づけて言う。
リン「あっ、ははは落ち着いてレンリ。ちゃんと話すから(汗」
レンリ「チッ、じゃあさっさと話せ。」
と言ってリンの襟を離した。
リン「どの勢力も今のところは互角といった感じだね。無駄に兵士を削っていってる。」
レンリ「ヨシュアのことろもか!」
リン「ああ、ギルドも結構の被害が出てるみたいだな。」
レンリ「くっ、ほかの勢力はしらねぇーけどっ、ヨシュアにもしものことがあったら!!」
凄く心配そうな、今にも泣きそうな顔でレンリは言う。
レンリ「リン、お前に聞きたいことが二つある。」
リン「?」
突然レンリガ林のほうを向いて喋った。
レンリ「“アノ”事件に、兄ちゃんとアデールは関わっているのか?」
リン「さぁ、それはよくわからない。死者何億人を出した大事件だからな。何処も被害が凄かったとゆことしか・・・。」
レンリ「そうか・・・・。じゃあ、もう一つの質問。」
少し残念そうな顔をしたがすぐに顔をあげ、キリッとした顔になる。
レンリ「なぜ、神は人に意思と力を与える・・・? 与えても滅びしか生まれないのに・・・。」
馬鹿が天文学的なことを言い出した。
リン「使う者の意思しだいで力の使い方は変わる。それに、神はかけたんじゃないか?」
レンリ「かけ?そんな、簡単な理由ではないと思う。もっと・・・なにか・・・裏があると私は思う・・・・クッ!!」
リン「レンリッ!!」
ランファン&フー「殿下ァ!!!」
突然レンリが苦しそうに胸を押さえ、その場に膝をついた。慌ててリンやランファン達が駆け寄る。
レンリ「大丈夫だ・・・・このくらい・・・・ッ!!」
こんなことを言っているが、レンリの額からは大量の汗が出ていた。この光景を見てリンはすぐに直感した、もう長くないと・・・。
レンリ「私には・・・時間がない!! ・・・少しでも早く・・・戻らないと・・・・ッ!!」
苦しそうな声でレンリは訴える。
ランファン「殿下ァ!しっかりしてください!!」
といいながら、ランファンはレンリの背中を優しくさする。苦しそうなレンリを見て、リンが思いつめた顔でレンリに聞く。
リン「そんな体でも、やり遂げようとするのか?」
レンリ「・・・あたりまえだ・・・・たとえ・・・お前たちやエドたちと・・・戦うことになったとしても・・・私は・・・神を殺すための剣となるッ」
『ガクッ』
言いたいことを言い終えると、リンに体を預ける形で倒れこむ。
リン「レンリも俺と同じという事か・・・。」
倒れこんだレンリを見てリンは静かにそう言う。そして、ランファンとフーのほうを見て、
リン「ランファン、フー、俺たちの進む道はレンリと戦うことになるかもしれないし、沢山の人間と殺り合うことになるかも知れない道だ。だがその時は躊躇せず、前だけ見て進め!レンリも前だけ見て進んでいるのだから。」
ランファン「分かりました。」
フー「若の進む道を切り開くのが我らの務めですぞ、若。」
リン「ああ、そうだったな。」
そして、リンたちは夜空に輝く満点の星空を静かに眺めた・・・・。リンの心には、たとえ愛するレンリと剣を交えようとも後ろを見ずに前だけ見ようという決意が込められた。それは、ランファンやフーも同じなのかもしれない。
そして、もしかしたら静かに涙を流しているレンリも・・・・。
――今日の夜はとても静かな夜だった――
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