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魔法少女リリカル☆イリヤ

作者:マッハ
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Staynight編『聖杯戦争』

「まぁいいわ、貴方がどれだけ凄いかはもう聞いてるし。それより衛宮君、自分がどんな立場にあるのか判ってないでしょ?」

衛宮君は頷く

「やっぱり..か、ま、さっきの言葉で判断できたけど一応確認しておかないとね、知ってる相手に説明するなんて心の贅肉だし」

さて、話すとしましょうかしら

「率直に言うと衛宮君はマスターに選ばれたの。どっちかの手に聖痕があるでしょ?手の甲とか腕とか、個人差はあるけど三つの令呪が刻まれている筈。それがマスターとしての証よ」

「手の甲って...あぁこれか。てっきり何かの傷痕かと思ったけど」

傷痕って、普通気づくでしょうに

「そ。それはサーヴァントを律する呪文でもあるから大切にね。令呪って言うんだけどそれがある限りサーヴァントを従えていられるわ」

「...?ある限りってどういう事だよ?」

「令呪は絶対命令権なの、サーヴァントの意思をねじ曲げて、絶対に言いつけを守らせる呪文がその刻印よ。発動に呪文は必要なくて、貴方が令呪を使用するって思えば発動するから。で、その令呪がなくなったら衛宮は殺されるだろうから、せいぜい注意して」

「え...俺が殺される!?」

「そうよ、マスターが他のマスターを倒すのが聖杯戦争の基本だから。そうして他の六人を倒したマスターには望みを叶えられる聖杯が与えられるの」

「な───に?」

「まだ解らない?ようするにね、貴方はあるゲームに巻き込まれたのよ。聖杯戦争っていう七人のマスターの生存競争。他のマスターを一人残らず倒すまで終わらない、魔術師同士の殺し合いに」

衛宮君は目をキョロキョロさせて考えている。まだ頭が追いついてないか

「ま、待て!なんだそれ、いきなり何言ってんだお前」

「気持ちは解るけど、私は事実を口にするだけよ。それに見たんでしょ?セイバーとランサー、アーチャーとセイバーの戦いを。あれを人の戦いだと思ってもないでしょ?」

「...あぁ、見てるだけで何も追い付けなかった」

「そうね、私でも指示をするのがやっと、解ったならいいわ。それでこの町では何十年なに一度、七人のマスターが選ばれてそれぞれサーヴァントが与えられるの。マスターは己が手足であるサーヴァントを行使して、他のマスターを潰していく。これが聖杯戦争と呼ばれる儀式のルールよ。私もマスターに選ばれた一人、だからそこのアーチャーと契約したし貴方だってセイバーと契約した。衛宮君は自分セイバーを呼び出した訳じゃなさそうだけど、もともとサーヴァントってのは聖杯が与えてくれる使い魔だからね、例外はいるけど」

アーチャーを睨む、けどアーチャーは後ろを見てこちらを見、首を傾ける。お前の事だって言ってるのに!

「ちょっと待ってくれ。遠坂はセイバーが使い魔だっていうけど俺にはそうは思えない。だって使い魔っていうのは猫とか鳥だろ?そりゃ人の幽霊を扱うヤツもいるって言うけど...セイバーはちゃんと体がある。それに、その──とても使い魔に見えない」

衛宮君は私から視線を逸らす、見てる方はセイバーとアーチャーが座ってる方。多分セイバーを人間だと思ってるんだろう

「使い魔ね──ま、サーヴァントはその分類ではあるけど、位置づけは段違いよ。何しろそこにいる彼女はね、使い魔としては最強とされるゴーストライナーなんだから」

「ゴーストライナー...?じゃあその、やっぱり幽霊って事か?というかアーチャーは?」

「え?あ、アーチャーは...そうねいい忘れてたわ。アーチャーもね」

私は盛大に嘘をついた...が

「マスター、人を勝手に殺すのは止めてくれないか?」

「?アーチャーは死んでないのか?」

コ・イ・ツ・は!しかも衛宮君はアーチャーに馴れ馴れしく聞いてるし!

「死んでないな。なんたって俺は生きて...いや娘の帰りを待って寝てたらここに呼ばれたのだから」

「娘?遠坂?どういう事だ?」

「アーチャー?自害させるわよ?」

私は思いっきりの笑顔、スマイルで言った。

「そんな事命令したら即契約破棄するからな。俺は娘の下に帰らないといけない。あと嫁達も」

「結婚してたのか、何て言うかアーチャーも苦労してるんだな」

コイツら和んでやがる!私をほうっておいてなんて事を!

「と・に・か・く!マスターになった人間は召喚したサーヴァントを使って他のマスターを倒さないといけないの。その辺りは理解できた?」

「なぁ...さっきからマスターは他のマスターを殺せ殺せって言ってるけどメチャクチャ間違った情報教えてないか?」

「え?そうなのか?アーチャー」

「別にマスターを殺す必要はない。サーヴァントさえ倒せればそのマスターに出来る事は他のサーヴァントと契約して復帰する程度」

「おい遠坂?」

やっぱり自害させてやろうかしら
これじゃ私が騙してたみたいじゃない。セイバーも私を睨んでるし...というかセイバーなら知ってたんじゃないの?

「遠坂には悪いけど俺アーチャーから聞くよ。なんか親しみやすいし」

「...フッ」

「今すぐに地獄に送って2度と娘に会えないようにしてあげるわ」

「ちょ!遠坂!さすがにそれは酷いだろ!」

「それは契約を切る...と言う事でいいのか?」

くっ!コイツがあまりにも完璧にできるから脅しにもならないか。

「それでセイバーのマスター、何を聞きたい?」

「あ、そういえば俺達自己紹介してなかったな。俺は衛宮士郎だ」

「...聖船総刃」

「馬鹿!敵に真名教える!?普通!」

「...すまない...癖で」

「聖船...総刃?聞いた事のない英雄ですが...」

あー!もう!いいわよ!こうなりゃコイツらにアーチャーがどれだけ凄いか思い知らせてやる!

「ふん!聞いて驚くんじゃないわよ!アーチャーはね...未来の英雄なの」

「「未来?」」

「開き直ったかマスター」 
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