魔法少女リリカル☆イリヤ
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Staynight編『召喚』
「...ヴィヴィオが帰ってくるまで暇だな。少し寝るか」
ベッドに横にはならず書斎で椅子に背もたれし寝てる。顔はミッドのとある雑誌をかけて隠している。そして総刃はさっき呟くまで懐かしく出していた懐かしい姉のような存在から貰ったペンダントを見ていた。赤くて綺麗な、いつか役にたつかもしれないと言われてしまっていた物、遠く離れた今となっては会うのも難しい人からの贈り物。それはきっと死ぬまで持ってるだろう。そしてそれが原因で...
少し経つとそこで異変は発生した。
だが顔を隠してた為か総刃は気づかなかった。変な孔が出来ていた事に
ここは冬木の遠坂邸、だが冬木と言っても総刃達の知る冬木ではない。違う世界、言わば平行世界だ。そしてここの家主は遠坂凛、もちろん総刃達が知る凛ではない。面識もなければみんなに対する知識もない。
何故なら衛宮総刃...聖船総刃という英雄は地球で生まれた存在だが英雄としての知名度はミッドチルダでの方が大きいからだ。
むしろミッドチルダの英雄と言った方がいいだろう。そして最新の英雄でもある。遠坂邸の中では
「はぁ、まさか父さんが残した暗号を解くのにこんなに時間がかかるなんて...しかも聖遺物じゃなくてただのペンダント...いやただのではないか。一応かなりの魔力はあるしこれがあれば奇跡に近い事だってできるだろうし...でもねぇ...あー!もう!いいわよ!こうなったら自力で召喚してやるわよ!」
遠坂凛は自分の父が残した暗号に何かすごい聖遺物があると期待したがその実蓋を開けて見ればペンダント、それも総刃が持っているのと同じ...いや全く同じではない。世界線が違うから性質は異なるかもしれない
「寝て明日に備えようかしら」
遠坂凛は眠る。彼女の父が残した仕掛けを知らずに...
次の日目覚ましが鳴る、凛はそれをうるさいととらえてまだ余裕はある...と。予め30分ずらしているから。それは遠坂家の家訓常に余裕を持って優雅たれである。だがそこである事に気づく
30分?時計を見る、すると時計は6時30分ではなく7時ピッタリを指していた
ガバッと凛は起きる。時間ギリギリでも遅刻はまずいからだ。このまま眠ってしまえばそれこそ遅刻してしまう
「ふぅ、それじゃそろそろ行こうかしらっと...ペンダント、あれも持ってかないと。」
人前で持っていくのは気が引けるけど、置いてくのも勿体ない
「何しろ百年物の石だものね、家にある宝石の中じゃダントツで最強だし」
既に時間は7時30分、着替えるのも髪を整えるのも終わっており鞄を持ち家を出る
「Schlieβung.(ロック)Verahren.(コード3)Drei」
保険、そう言えるもの、例え泥棒や野良猫が入った事がなくても用心するのが魔術師
歩いていく内にふと疑問が浮かび上がった
「...人...少ないって言うか見かけないって言うか」
そう、人がいない。回りには人っ子一人見当たらない。だがこういう日もあるかと凛は思い学校まで歩く
おかしい。いくらなんでも人がいなさすぎる。それこそゴーストタウンみたいに、実際は違うのだがそれでも疑問は更に強くなる
そこで見慣れた人がいた。よかった、人がいた...けどいたのは
「あれ?遠坂?今朝は一段と早いのね」
「...はぁ、やっぱり貴女ね」
「はぁって...おはよ。今日も寒いね、こりゃ」
「おはよう美綴さん。つかぬ事を聞くけど。今何時だか判る?」
「うん?何時って七時前じゃない。遠坂寝ぼけてる?」
はぁ、なんでこうなったんだろ。綾子は私の目の前を手のひらをヒラヒラさせてしっかりしてるか確認してる。彼女は私が朝に弱いと知っている数少ない友人である。
つまり今の私は本調子じゃないのかと思ってるのだろう
「家の時計、一時間早かったみたい。しかも軒並み。目覚まし時計はおろから柱時計まできっかり早まってた」
もしかしたら父さんがあの暗号を解いたら時計が狂うようにしてあったのかしら?それはそれで意地悪のような気もする。普通そんなのに気づかないっての
それから綾子と話して弓道場に顔を出して少しお茶をしたら校舎に戻ろうとした。途中で桜がきたけどいつも通りに接した
弓道場に出るとワカ...間桐君に会った。変な勘違いをされたりと大変だったが...いや大変じゃなかったか。適当にあしらって校舎に行く
偶々藤村先生に会う
「あれ?遠坂さんだー」
「──。おはようございます、藤村先生」
「うん!おはよう遠坂さん。ちゃんと挨拶してくれて先生は嬉しいよぅ」
ん?何か変だ。何が変かというと
「...あの、先生。ちゃんと挨拶をする以外にもする挨拶があるのでしょうか?」
聞くと
「うん、あるわよ。一年生はちゃんと挨拶してくれるんだけど、上級生になってくると私の苗字で挨拶しないんだから。遠坂さんはああいう輩の真似しちゃダメだからね?」
「はぁ、よく分かりませんけど、先生に失礼な事はしませんが」
なんだったんだろう...
今度は廊下を歩いてると
「げっ!遠坂!?」
「あら生徒会長。こんな朝早くから校舎の見回り?それとも各部室の手入れかしら。どっちでもいいけど、相変わらずマメね、そうゆうトコ」
「ふん、そういうお前こそ何を企んでいる。部活動もしていないお前が、こんな早くに何の用か」
「ただの気紛れよ。柳洞君みたいに早起きじゃないもの、私」
気紛れではなくてただのうっかりだが
「一つ訊いておくが。遠坂、夜遅くまで校舎にいた事はあるか?」
何を思ったのか訳の分からない事を聞いてきた。
「ないわね。私が帰宅部だって知ってるでしょう、柳洞君は」
「当然だ。生徒会長を任された以上、全校生徒の情報は把握している」
「ならいいじゃない。それじゃあね。」
そこで
「一成、修理終わったぞ」
思ってもないヤツが現れた
「と、悪い。頼んだのはこっちなのに衛宮に任せっきりにしてしまった。許せ」
「そんな事気にするな。で、次は何処だよ。あんまり時間ないぞ」
「あぁ、次は視聴覚室だ。前から調子が悪かったそうなんだがこの度天寿を全うされた」
「天寿全うしてたら直せないだろ。買い直した方が早いぞ」
「そうなんだが一応見てくれると助かる。俺から見れば臨終だが、お前からみれば仮病かもしれん」
「そうか、なら試そう」
...私は固まっていた。別に恥ずかしいとかそういう恋愛感情等ではない。ただ話についていけずぼーっとしていただけ。それから男子二人は去って行くが一人振り返り
「朝早いんだな、遠坂」
それだけ言うと生徒会長についていった。
「...挨拶のつもりなのかしら?」
それから四時限目が終わり昼食をとろうと購買に行こうとすると三枝さんに声をかけられる。内容は一緒にお昼ご飯を食べないかと、でも私はお弁当なんて持参しない。だから適当な理由を作って誤魔化した。蒔寺さんに悪口というか愚痴を言われるがそれくらいで怒るほど器は小さくないつもりだ。教室を出る途中クレープとたい焼きと大差ないと言っていた。私は500円のクレープを奢らされたのに80円のたい焼きと大差ないと言われて少し勿体ないと思ったが今更気にしても仕方ない。
購買に行きパンと飲み物を買って自分のお気に入りスポット、屋上へ。ここは今は寒いが気楽でいられてよく言えば風が気持ちいい。そこでパンを食べ昼食を済ませる
ホームルームも終わり帰ろうと思ったら綾子が話しかけてきた。私は朝間桐君と一件があったからと言い早めに帰ることに
すると間桐君はあのあと荒れていたと綾子は言った。私のせいかと
「迷惑をかけてしまったかしら、美綴さん」
と言うと
「別に、間桐が下級生をいびるのはいつもの事だしアレはアレでいい精神鍛練になるよ」
と
「そう、よかった。じゃあこの埋め合わせはまた今度」
「はいはい、これに懲りずまた寄っていってちょうだい」
帰ると電話に留守電が入っていた。相手は綺礼だった。言峰綺礼、私はエセ神父と呼んでいるが実際神父にあるまじき性格だ。今回だって今日中にサーヴァントを召喚を早くしろ、しないのなら教会に助けを乞えと、つまり急かしている訳だ。それに予備の魔術師を派遣するのも時間がかかると、嘘だ。アイツなら簡単に用意できるはず。
さて、引き延ばしもこれ以上無理か。まぁ当たり前だ。でも私には欲しいサーヴァントを召喚する為の触媒がない。父さんの遺言に期待していたのだが結局現れたのはすごいペンダント。まぁ切り札にはなるけど...明日の深夜2時ね
そうして2時
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
呪文を唱えて行く凛、長い呪文だ。それはサーヴァントをこの地に呼び寄せる大魔術
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する」
まだ続く
「 Anfang(セット) 」
ここは人により違う、これは凛の言わば大きな魔術を機動させる掛け声
「告げる」
時間も大丈夫だと、自身はばっちしだと
「告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
そこで大きな力が発生する。魔力の渦が巻いて魔方陣は浮いている。いや魔方陣の光が浮いていると言った方が正しいか
「誓いを此処に。 我は常世総ての善と成る者、 我は常世総ての悪を敷く者。 汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
呪文は完成した。ここに召喚は成された...はずだが
「はい?」
誰もいない。静けさが漂うだけ。凛は何か失敗でもしたかと考えるがその考えは直ぐに要らなくなった。いや違う考えに変わった
居間で大きな音がする。そこで確信した。サーヴァントはここではなく上の...居間に召喚されたのだと
「なんでよー!?」
直ぐに駆け上がる凛
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