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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『アホの子達が一か所に集まると…』1-2

んで、面倒くさいがなんでこのアホ共。

アホ子&小野(おの)

水仙寺(すいせんじ)

高浜(たかはま)飯野(いいの)

緑屋(みどりや)朱雀(すざく)

翡翠(ひすい)

8人がなんで俺のエデンこと、俺の部屋に集合してるのか、取り調べをすることになった。
やりたくねぇーけど、命令だから仕方ない……ちっ。
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◇「ある日のちよ子ちゃん家」


夏休みも後半戦を迎える日。今日もちよ子ちゃんは…
『ふぉぉぉぉ!! すげー!!』
庭でアリを見ていました。
『アリさんすげー!! 全然、列乱れねぇー!! ヒャッホゥ♪』
庭でアリを見ていました。
『ちよ子、ちょっといいかしら~?』
おや? 台所にいるお母さんから呼ばれましたよ。
『なにーお母さん!?』
靴を履き替え、台所までやってくるとお母さんはニヤニヤ。
『商店街でお買い物したら~ね~♪』
変な腰振りダンスでじらします。
『うんうんっ!!』
ちよ子ちゃんもドキがワクワクです。
『くじ引き券もらっちゃった~♪』
『よしゃぁぁぁぁああ!! すごいよっ、お母さんっ!』
散々じらした割にの内容でした。
『ふっ喜ぶのは早いわよ、ちよ子?』
『な、なに…!?』
そしてさらにじらします。じらします。じらします。
『一等は1泊2日の旅行券なのよ~~!!』
『おおおぉぉぉぉお!!』
一等などそうそう当たるわけもありません。
『ちよ子の絶対に当てるのよ! 私とお父さんの温泉旅行の為に!!』
お母さん…本音だだ漏れである。
『うんっ、ワタチとあっくんの為に当てて帰ってくるね~~♪』
『えぇぇええ~~あ、違うのよっちよ子ぉぉぉおお!!』
親心子知らずとはまさにこのことである。


◇「大人は汚い」

るんるん~ん♪ 鼻歌&華麗なスキップで商店街を歩くちよ子ちゃん。
『カヤガヤ。ワイワイ』
おや? 人だかりが出来ていますよ。もしかして、あそこがくじ引き会場でしょうか?
人混みをかき分け中に入ってみると、
運動会の時に屋根代わりに建てられる白いテントと長机が二つ。ハゲたおじさんが笑顔で「はいっ、残念賞のティッシュ」とくじ引きに来た人、全員にポケットティッシュを配っている。
『ここには紙しかいねぇーのか!!』
ちよ子ちゃんが叫びたくなる気持ちもわかります。
『ちよ子だしー、おひさ~』
と声をかけてきたのは幼馴染のイランちゃん。その両腕には大量のポケットティッシュが入れられたコンビニの小さい袋が握られてました。
『イラちゃんまで…だとっ!?』
『そーだし! クジ50回もやったのに全部ハズレとかありえないしー』
一度の買い物で1000円以上買うと貰えるくじ引き券。それを50回分…イラン、君はこの商店街になにを求めているんだい?
『イラちゃんの仇はワタチが討つ!』
『で、ちよ子はクジ引き券何枚持ってるし?』
『1枚!』
『…………』
さすがのイランちゃんもドン引きです。
10回やって当たらない。いやポケットティッシュ以外に当たっている人がいない状況なのに、一発勝負で当てようとするちよ子ちゃんが凄い。色々な意味で。
『たのもーう!』
そんなことは気にせず、宿敵商店街のおじさんの前へ立つ。
『1枚ねー。じゃあ、このガラガラを1回まわしてねー』
ふむ。今回のくじ引きはガラガラ回して抽選する奴でした。
ある時は抽選器……またある時はガラガラ……またまたある時はガラポン。所によって人によってさまざまな呼ばれ方がされる、ガラガラ回して抽選する奴。
してその正体(正式名)とは!? 新井式回転抽選器だそうです。



◇「長い物には巻かれよう」

ちっ。そろそろ潮時かっ。俺の名前は商店街のおやじC。
主に商店街で行われるビンゴ大会や今回のようなくじ引き会場を取り仕切り役をやっている親父だ。
この話が始まってすぐ、本来話を担当する二つ結びの嬢ちゃんをチョコレートとバナナジュースで買収して、ナレーションポジを奪いとったわけだが……そろそろ潮時なのかもしれねぇ。
読者の坊主、嬢ちゃん達が気づき始めてるかもしれないからだ。このガラガラ。実はハズレの白い玉しかでないんじゃね? と。うん、まあ…その通りなんだが。
その通りなんだが! それを他の登場人物達にばれるのはまずい! 大いにまずい! 使い捨て候補がマジで使い捨てにされちまうからだ!
よしっ、ここいらで一発どでかい当たりを出して、なんかうやむやにして帰ろう! そうしよう!
『~~~♪』
おっあれはーー!! うちの商店街の裏ボス的存在の水仙時財閥の跡取り息子じゃねぇーか!
こりゃあいい。あの坊ちゃんに大当たりを引かせて、水仙時財閥恩を売って俺の株がアップ、大当たりが出たことによって場は盛り上がり、うやむやになって家へ帰る。
うん、これ以上ないってくらいの一石二鳥な作戦だ。
金の当たり玉はセット完了! あとは水仙時の坊主が回しさえすりゃあ…。
そこへふわぁと神風が。
『あ、僕様の髪がっ』
『優雅さまどうぞっ鏡でございます!』
『ありがとう、親衛隊1。…ん』
どうした! 髪型なんてさっさと直せばいいだろ! 乙女かっお前は!!
『右から見た僕様と左から見た僕様……どっちが決まっている?』
知るかっ! どっちも同じだろう! いいからっ、さっさと…クジを回して…
『大当たり~♪』
なにぃぃぃ!! 誰だ勝手にクジ引きやがったのはぁぁぁ!!?
『やったぁぁあああ!!』
1泊2日の旅行券と書かれた紙を握りしめて喜んでいるのは、俺がチョコレートとバナナジュースで買収したあの二つ結びの嬢ちゃんだった…マシかよ。

なんて最悪な日だ!?

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「みたいなことがあって~」

「は?」

平然と↑上に書かれている話を語るアホ子。ちょっと待て、書かれている話を語っているってなんだ! 
一回おっさんの話しぶち込んできてるじゃねーかっ!!
これっお前の話じゃなないだろっ! 商店街のおじさんの話しだろっ! どう考えてもっ!

「ナルシーもいたしぃ、じゃあみんなであっくんの家に行こうってことになって♪」

「なんで、そうなるんだっ。勝手にお前らだけで行けばいいだろ」

「何を言っているんだ、最籐君!」

ずっと床に倒れ、翡翠に踏まれていた水仙時が復活した。復活してしまった。

「本来は十四話で言っていた通り、父様の仕事の都合で海外の避暑地に行く予定だった、この僕様がわざわざ君たちの為に予定をキャンセルして一緒に旅行へ行ってあげるのだよ?
 ……もっと喜んでくれたっていいのだよ?」

最後に小声で言ってるのが本音か。…とゆうか十四話ってなんの話だ。意味わからんこと言いだすなアホ。
海外でも避暑地でも何処へでも勝手に行け、そして帰って来るな日本に。


 
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