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歌集「春雪花」

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 待ち侘びて

  枯葉ぞ散りし

   神無月

 雲に宿るや

   月そ呼びける



 彼を…彼の心を…ずっと待ち続け…。

 ふと気付けば、あちらこちらに枯葉の落ちる季節となっている…。

 秋の長雨…月は姿を見せず、雲の上にでも宿をとっているようだ…。

 月よ…その光を落としてはくれまいか…。


 この寂しさを慰めるために…。



 移ろいて

  雨に濡らるゝ

    もみじ葉の

 から紅に

    染むる頃かな



 四季は移ろい…冷たい雨に濡れたもみじさえ、その身を紅く染めている…。

 在原業平が藤原高子に詠んだ和歌…その情熱が変わらなかったように、もみじは紅く染まるのかも知れない…。


 私の心もまた…同じなのだから…。



 
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