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『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
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TURN42





「では我々はそろそろ退散しよう。君に話したい人物はまだいるのでな」

 東郷長官はそう言って柴神様達と共に部屋から出た。

 部屋に残っているのは俺、圭子さん、山下長官、シャルロット、マリー、キャシー、帝やな。

「……初めは帝から聞いた時は嘘だと思ったが本当だったとは……」

「まぁな、てか俺が前世の記憶持ちや言うても信じる奴なんかいたと思うか?」

 山下長官の言葉に俺は質問するが、山下長官は首を横に振る。

「そういう事や。ほんで質問は?」

「ユキカゼの前世の記憶にある世界はどうなっていたの?」

「前世の世界か? 話すと長いけどな……」

 マリーの質問に俺はそう言って前世の話をしたりして談笑をする。

「狹霧さん、独断で秘密を打ち明けてしまって本当にすみません。でも今は人類存亡の時なんです」

 帝が申し訳なさそうに頭を下げる。

「……さっきも言いましたけど別にいいですよ。バレたら仕方ないんです。それよりも気味悪い俺といる方が悪いと思うけど……」

「別に問題は無いぜユキカゼ。ユキカゼはユキカゼだ。前世があろうと無かろうとアタイが好きなのはサギリユキカゼだけだよ」

『………』

 キャシーの言葉に皆が頷く。……それなら構わないけど……。

「ところで俺と茂の秘密は……」

「勿論国家機密ですよ」

「……その国家機密をバラしたのは誰でしたっけ?」

「ギク」

『アハハハ』

 帝が驚く表情に皆が笑う。すると、山下長官は急に扉の入口まで行って扉を開けた。

「……ぁ……」

「……話を聞いていたようだな?」

 扉の前にいたのは面会に来たらしいロコソフスキー提督やった。

「ご、ごめんなさい。聞いちゃ不味いと思っていたんですけどつい……」

 テヘペロしそうな表情やな。

「どうする雪風? ……斬るか?」

「ヒイィッ!?」

「こら利古里ちゃん、それは駄目です」

 刀を見せて山下長官に怯えるロコソフスキー提督。それを諌める帝である。

「しかし……」

「ロコソフスキー提督」

 帝はロコソフスキー提督の手を取る。何を?

「この事は日本の国家機密です。もし、これを口外すれば……」

 帝はそう言って首を切る。

「こうなります」

「………( ; ゜Д゜)」

 流石の大事にロコソフスキー提督は唖然としている。

「ロコソフスキー提督」

「は、はいッ!!」

「監視付きの生活と狹霧さんと暮らす生活のどっちがいいですか?」

「……帝、それはもしかして……」

「はい、それしか方法はありません。消去法です。どうしますかロコソフスキー提督? 誰かに監視される日々、トイレやお風呂まで監視されるか、狹霧さんと暮らして生活するかのどちらかです」

 ……究極の選択ぽいな。

「……後者で御願いします」

 完全に負けたなロコソフスキー提督。

「じゃあ決まりですね」

 ……そのうち帝は腹黒と言われそうです。後にロコソフスキー……リディアに聞くと、あの時面会に来たのは共有主義の見解が他と異なっていたこと、共有主義は間違っていたことを知らされて共有主義を止める事を報告に来たためやったらしいのを行為後に言っていた。

 行為後は何やて? ……それを聞くのは野暮やで。

 数日後、帝は全星域に対してチェリノブ星域で起きたラムダスによる侵攻を公表した。

 最初はソビエトも自国の領土内での出来事に否定していたが、やがては認めた。

 ドクツのアドルフ総統は直ぐに日本に対してラムダスの情報公開を要求して日本側もこれを公開。更に自分達の祖先の歴史を知る事になった。

 情報を聞いたアドルフ総統は直ぐにラムダスの洗脳から逃れる物を作り始めた。エイリスは人類存亡だとして全艦隊の派遣を決定し、ガメリカも艦隊派遣を決定した。

 ソビエトは自国だけで片付けるとしていたが、密かに行っていたラムダス戦で大量の艦船を喪失(洗脳されて自ら喰われに行ったため)していたために派遣艦隊の自国内の星域通過を容認した。

 日本、ガメリカ、エイリス、ドクツ、ソビエトの首脳が集まり、東西からのチェリノブ星域の奪還を決定した。

 ソビエト、ドクツ、エイリスは西から攻め、日本、ガメリカは東から攻めこむ事となった。

 その際、柴神様がソビエトの首脳であるカテーリンが持つ支配する石を見つけて直ぐに取り上げた。カテーリンは抵抗したが、東郷長官の尻叩きにより気絶。気絶した事によって東郷長官が明石大佐を使ってソビエトを調べると共有主義の実態を掌握し、首脳達は驚愕した。

 結果的にソビエトは強制的に日本、エイリス、ドクツに占領される事になった。これに対してソビエト市民は歓喜の声をあげて三国による統治を歓迎した。

 カテーリンによる恐怖政治は市民の間で脅威となっていたようであった。

 その後、目を覚ましたカテーリンに東郷長官は全てを話し、カテーリンとミーリャ、ミール・ゲーペは日本が預かる事になった。

 そして四か国は再び連合艦隊を設立させて司令長官にはまた東郷長官が任命されるのであった。







 
 

 
後書き
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