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『塗り潰した7日間』

作者:零那
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『別れ』



組長が他2人を呼んで、自称父さんを運び出す段取りを始めた。
誠は、深い眠りについてるまま。

零も辛いけど、誠も辛い。だから組長も誠を起こすことは無かった。

手際良く颯爽と片付けられた。浴室は、零が綺麗にしたいって言って任せてもらった。
地下にもシャワーは在った。造りは妙に違和感があったけど...。血痕を綺麗にしながら色々思い出しながら考えた。地下のシャワーは、ほんまに急遽取り付けたんじゃないかなって思った。零を拉致る前に。

だとしたら最初から殺す気は無かったん...?今更何をどう考えたって、答えを教えてくれる人は居ない。全部想像でしかない。それでも、冷静に考えると最初から優しさが滲み出てる。其れって、考えようによったら零が加害者側に近い気がする。

だって苦しめてたんやろうなって...。零をどうするか、どうするべきか、悩み続けて苦しかったやろうなって。
零は勝手に記憶無くして、でも、どたんばで記憶は戻って、記憶無いフリを続けたけど...だからこそ追い詰めてしまったんかなって...。
逝くとか考えても無かった。一緒に此処から出て新生活始めるって信じてた...。

せやのに、こんな事になってしもた。何もかも、悪いことが起こるんは全部零のせいや。
産まれも育ちも最悪。だから他人にまで迷惑かけてしまう腐った人間なんやろな...。

大切な人に迷惑かけるような人間には成りたくなかったのに、どこまでも最悪な人間やな零は...。

このまま消え去りたい。跡形も無く無くなってしまいたい。躰も魂も、関わった皆の記憶の中からも...。

自分だけが生き残る。自分だけが生きてかなあかん。周りは消逝くのに...。そんなこと望んでないのに...。疫病神とかってやつなんかな。零に関わると良いことが無いどころか、命さえ失う危険が在るって...。


 
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