魔法少女リリカル☆イリヤ
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3回戦7日目 決戦3
前書き
この回書いてる時ほんとに苦痛だった。何がって書き写しするのが。戦闘はオリジナルですけど
「...」
「いつにもまして真剣だな、奏者よ」
「...俺は...あの子には幸せになって欲しい」
「...ですがそれは無理な事です。なぜならあの少女達は」
「分かってる...だから...夢から覚ませてあげよう」
「その意気だ。例の如く私達は霊体化している。マスターの事を頼むよキャスター」
「任せてください。ご主人様を守るのも私の務め」
「それは余もだが仕方ない。順番で行けば余の出番は次であろうし」
「行くか!」
ありすもアリスもいない。エレベーターのところまで行くと神父がいた
「決戦の身仕度は終えたかね?」
「はい」
「では存分に殺し合うがいい」
殺し合う...ね、俺は今からあの子に2度目の死を与えようとしている
エレベーターに乗る
ウィーンと降りていく中ありす達の姿が見える
「今日もまたあそべるね」
「今日は何をして遊ぶの?かくれんぼ?おにごっこ?おままごと?」
淡々と語り出す
「ありすはおにごっこがいいな。お兄ちゃんを追いかけるの」
「うん。逃げてたらおいかけたくなっちゃうよね。ウサギとか」
「逃げられちゃったらさびしいもの」
「逃げられないようにいっぱい走らなきゃ」
「ありす、走るのって大好き」
「ありすはずっとずっと、走ったり出来なかったもんね」
サイバーゴースト。頭に過るその言葉、生前の事はあまり覚えていないのか?
「走るの楽しいけど...お兄ちゃん、つかまるかなぁ」
「つかまるよ。そしたら首をちょんぎっちゃうの」
「ちょんぎっちゃうってこわくない? ...でもオニだもんね」
「そうよ。オニとか女王様は怖くなきゃいけないの。いっぱいこわがってもらわなきゃ」
「俺が」
「「?」」
「俺が君達を長い悪夢から覚まさせてやる。手加減なしで全力でかかってこい!」
「....」
「お兄ちゃん...どうしたの?」
「ありす、ダメよ。相手は怒ってるの」
「怒る?」
「そう、ありす達にね、だからこらしめないと」
「そうね!」
最下層まで着く、エレベーターを降りる
「キャスター」
「分かっています」
俺の言いたい事が分かったようだ。
ありすとアリスが前に立つ
場所は...城...水中の城...お姫さまが住まうような城
「ありがとう、お兄ちゃん。お兄ちゃんと遊ぶの、とっても楽しかったよ」
「ええ、今までのだれよりも楽しかった。ありがとう。ありすもうれしいな」
「あぁ、俺も初めての経験だった」
「でも、もうお兄ちゃんとはいいの。あとはアリスとだけで遊ぶね」
「お兄ちゃんはもういらない。名残惜しいけど、さよならの時間なの」
「哀れな少女達、今ご主人様が長い悪夢から覚まさせてくれます」
「いいえ、ずっと続くわ...この悪夢は、ずっと」
「私達が飽きるまでずっと...!」
こちらの言葉を否定してくる。当たり前だ。望んでいる夢なら覚めたくない
「こういうときは、なんていうんだっけ?」
白いありすが黒いありすに問いかける。
「忘れちゃったの? こういうの」
黒いありすが白いありすの手を取る。
白いありすの右手と、黒いありすの左手が重なり、それが少女の戦闘の開始を意味した。
「「あわれで可愛いトミーサム、いろいろここまでご苦労さま。でも、ぼうけんはおしまいよ
だってもうじき夢の中。夜のとばりは落ちきった。アナタの首も、ポトンと落ちる、さあ嘘みたいに殺してあげる。ページを閉じて、さよならね!」」
「悪いが俺はイリヤ達のところに帰らないといけない。だから例え相手が自分より幼い子供であっても手加減はしない!キャスター!」
「分かりました!」
玉藻鎮石でアリスを攻撃する、勿論アリスは避ける、でも遅い
「そこっ!」
なのはの真似をしてシューターを飛ばす。遠隔操作なんてできないが真っ直ぐに飛ばすくらいならできる
「きゃ!」
クーフーリンのような獣の如く速ければ避けられただろうが相手はただの少女に近い、多少魔術のようなものが使えるだけ。たったそれだけ...だが何かあるはずだ。ここまで勝ち残ってきた理由が
「もう!怒ったわ!」
「グハッ!?」
「ご主人様!?」
空間指定攻撃!?アリスはこんな事までできるのか
だが痛みに意識を持っていかれないために口を歯を噛み締める
「スラッシャー!」
「何か飛んできた!」
「ダメよありす、あれはこうするの」
両方、右と左から飛んできたスラッシャーに指を指すとスラッシャーがぽとんと地面に落ちる
嘘だろ!?今まで防がれる事はあっても落とされた事なんてないんだぞ!?
「それ!」
「クッ!」
合図があるから防げたもののアリスの攻撃が体の中にまで届いていたら俺は今頃グチャグチャだ
「ご主人様ばっかり狙うんじゃありません!観念しやがれです」
「あら、恐いオ・バ・サ・マ」
...オバサマ?キャスターが?...あー、まぁ歳はまぁ...やばい睨まれた。考えないでいよう
「ご主人様の前で恥を!食らいなさいはしれ!炎天!」
「きゃあ!熱いわ!」
「ざまぁみやがれです」
「嫌い!嫌い!大人なんて!」
うわぁ!?むちゃくちゃしだしたぞ!?攻撃がそこかしこにとどいてる
「自棄になりましたか?」
「気をつけろ、何かあるはずだ。固有結界だけじゃない何かが」
避けながらスラッシャーを回収する、2度は通用しないだろうが一応な
ありすには...攻撃したくないな...さすがにマスターを狙うなんて真似はしたくない
「ふんだ!」
「なっ」
目の前にトラックが現れた、くそ!叩き斬る
アリスは!...いない!?
「ここよ」
!?上から声をかけられた。飛んでる岩に乗っていた
「はい」
「はいじゃねぇー!」
「黒天洞!」
飛んでくる岩を防いでくれるキャスター
あのサーヴァントめちゃめちゃだろ!
兎に角倒さないと!
スラッシャーを投げる
「バカね、2度は」
そう言ったとたんにスラッシャーが合体した
「!?」
一対の弓のような形の剣となったスラッシャーはアリスを斬り裂く
「っ!?!?」
だが躱された。掠りはしたが致命傷ではない
「そろそろね」
?、何を
「越えて越えて虹色草原、白黒マス目の王様ゲーム、走って走って鏡の迷宮。みじめなウサギはサヨナラね?」
...身構えるが何も起こらなっ!?アリスの傷が無くなっていく!?治療魔術とかそんなもんじゃない!あれは宝具だ!
「ご主人様...これは大変まずい事になりました」
「あぁ、つけた傷が治るとか卑怯だろ」
「これが無限ループってやつね?」
「でもどんな宝具だろうと突破方法はある」
例えば俺のイージスのように...イージスのように?そうか、詠唱が長いから邪魔でもされたらあの宝具は使えない。なら危険だが距離を近づけて戦えば勝機はある
「...キャスター...チャンスを1度作る...そこを頼む、ハァッ!」
「きゃっ!お兄ちゃんれでぃになんて事するの!」
「うるさい!」
「痛い目みるといいんだから!」
「ぐぁっ!っハァアッ!」
「っ!そんな事しても無駄よ、悪夢は永遠に終わらない」
「終わらせる!ストロングコロナ...ゼロ!汝!理を破りし者!交差!ケツァル・コアトル!」
「形あるけどないものは?ないなら今から作っちゃえ!」
「くっ!」
ふざけた詠唱だ。今度はコンクリートの塊か
「...私は蛇!」
火柱が走る
「っ!」
「私は炎!炎、神をも灼き尽くせ(シウ・コアトル)!」
本来上から叩き落とす宝具だが今はそれが出来ないため炎を纏い体当たりをする
「キャアァア!」
「っく、やったか?」
吹き飛んだ先は煙で見えない
「...越えて越えて虹色草原、白黒マス目の王様ゲーム走って走って鏡の迷宮。」
またあの宝具
「みじめなウサギはサヨナラね?」
だが
「!?」
本当に何もおきない
「なんで!?発動した」
「常世咲き裂く大殺界(ヒガンバナセッショウセキ)!」
「キャアアアアア!」
倒れるアリス....今度こそやったか
「なん..で発動...しな」
「炎、神をも灼尽くせは数分間対象の宝具の発動封じる効果がある」
「...そう、悪夢も覚めるのね」
「あれ?体が消えてっちゃう」
「ありす、もう遊びは終わりよ」
「終わり...ありすはずっと一人ぼっちだった」
「....」
「誰にも見てくれない、見もしない。ねぇお兄ちゃんは見てくれてた?」
「当たり前だ、じゃなきゃ君を幸せに...安らかな眠りにつかせてあげようなんて思わない」
「優しい優しいお兄ちゃん、きっと誰からでも好かれるのね...バイ..バイ」
消える白いありす
「ありすが消えた、だからありすはもうありすにはなれない。だってありすは物語なんだもの」
「希望を信じればまたなれるさ」
「...ホント?」
「...あぁ、それは俺が必ず実現させてみせる」
「ありがとうお兄ちゃん、ありすもそろそ..ろ」
消える黒いアリス
さようなら...でも、また会おう。死者は蘇らないけど魂があるのなら
「ご主人様?」
「...」
「!?何を」
「ハァッ!」
壁を叩き斬る
アラートが鳴る、勿論この決戦場でだ。
でも俺はそれを無視して歩く
ありすが消えた場所まで、周りは黒く消えかかっている
その中で淡い光を放つものをゼロに取り込む
「ご主人様!早く!」
「分かってる!」
急いでエレベーターに乗る
間一髪だった
エレベーターを降りると
「命が失われるのは悲しい事です。それがこのような無慈悲な戦いであれば尚のことです」
「...無慈悲?」
「ええ。憎しみによって殺し合うのではなく、互いに同じ目的を持ったまま、相容れずに闘うしかなかった。人としての心を持ったまま人を殺めるのは悲しい。実に無慈悲です」
「でも覚悟を持ってここに来ている人だっている」
ダンさんがそうだ
「はい、ですがそれも自分の欲のためここに来ています。」
「だから?」
「だからこそ悲しい戦いは止めるべきだ。だからこそ僕は聖杯戦争に参加した。地上の貧困も、ここの戦いも同じですよ。足りていないから奪うしかない。その調停をするため僕はここにきた。人々に、完全な平等を。それがこの世界のあるべき姿。理想社会なのです」
「...世界平和ってところか」
確かに世界が平和になればどんなにいい事か
でもそれは不可能、人間は争いを止められない生き物 きっとこの先何十年何百年たとうと
「ひっどい勧誘だこと。右も左もわからない子供に、よくもまあ堂々とつけこめるもんだわ」
そこに割って入ってきたのは、凛さんだった。
「話は聞かせてもらったけど。今のはあくまでハーウェイの、西欧財閥にとっての理想よね」
「いえ。万人にとっての理想ですよ。理不尽な死が待つ世界は、誰しもが避けたいものでしょう」
「あら、資源を独占されて、生き死にまでアンタらに管理される社会が、万人にとっての理想っていうの? 生まれた子供を、平気で飢え死にさせる世界が? 十年先の未来まで、寿命までデザインされる人間が?」
凛さんが言う世界は、レオさんの語った世界とは同じものだと思えないものだった
「余計なお世話なのよ。何百何千年と今のままで生き続けたいのならご勝手に。私はそんなのまっぴらよ」
「噂通りの人ですね、ミス遠坂。国連からその将来を期待されながら、中東の武装集団に身を投じた若き魔術師」
レオさんは表情を崩さずに、凛さんに言う。
「貴女の言い分もわからないではありませんが、資源の管理は効率の良い配分をするためのもの。支配欲からの独占は行われません。僕らの支配圏の実態を見ていただければ分かると思いますが」
「ハーウェイの管理都市なら知ってるわ。階級に応じた生活が保障されてる、不安要素のない平穏な世界。どこにも行けない、どこに行く必要もない楽園。けれど、あそこには未来がない。希望も、幸せも。人はただ生きているだけだわ。娯楽あっての人間じゃない。私、見ての通り肉食だから。農場ファーム暮らしは性に合わないわ」
「ミス遠坂。それは貴女の強さがあっての生き方です。ですが、貴女は全ての人間に自分と同等の強さを求められますか?」
「ッそれは...」
「できませんね。貴女は自分の身勝手さも傲慢さもわかっている。だからこそ、その苦しみを共有できない。脱落する人間が居るのなら自分が助ければいいと思っている。だから、貴女は僕には勝てない」
「...なんですって?」
「貴女の言う幸せは狭いのです。人を救うには、まず人を捨てねばならない。支配者は必要なのです。それは貴女でも、今の僕でも無理です。けれど聖杯の力があれば可能だ」
聖杯聖杯って、人を殺してまで手に入れるものなのかよ、俺にはそんな大層なものとは思えないな。俺は屍を越えて進むと決めた。それはこの人達もだろう。だが
「レオさん、俺には貴方の考えが理解できなくもない」
「なら」
「でもだからと言って人を捨てたらそこで終わりだ。大切なものを守り戦う。それが俺にとっての幸せだ。どれだけちっぽけだと言われようと、どれだけ惨めだと言われようと、この幸せは俺にとって銀河のように広い」
「...そうですか、残念です。ですが僕はいつでも総刃さんを歓迎しますよ」
「そうならない事を祈ってるよ」
そう言って立ち去る
後書き
今更ですが汝、理を破りし者の読みはなんじことわりをやぶりしものですよ。
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