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オズのジュリア=ジャム

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第十一幕その八

「マッコウクジラに近いかな」
「そうですよね」
「マッコウクジラも肉食ですね」
「大きさもそんな感じで」
「近いかも知れないですね」
「外見は全然違うけれどね」
 それでもというのです。
「近いと言えば近いかも知れないね」
「そうですよね」
「まさかああした鯨も見られるなんて」
「凄くよかったです」
「オオウミガラスやステラーカイギュウも見られましたし」
「ゼウグロドンも見られて」
「今回の冒険も満足しています」
「まだ満足するのは早いわよ」
 ジュリアは口々に言う五人に笑顔で言いました。
「真珠を見ていないでしょ」
「あっ、そうでした」
「そちらがまだでした」
「真珠がありました」
「そちらが」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのです。
「満足するのは早いわよ」
「そうですよね」
「真珠がまだありましたね」
「じゃあ真珠を見てですね」
「それで満足をするんですね」
「そうしてね」
 是非にというのです、そしてです。
 そうしたお話をしつつゼウグロドンを見ていました、見れば上には養殖をしているお魚以外にもです。色々なお魚が泳いでいて。
 鯨達もいました、ザトウクジラやミンククジラ、ナガスクジラにマッコウクジラも来てです。
 様々な種類のイルカ達も来てです、シャチまで来ました。そうした鯨の仲間を見て神宝はしみじみとして言いました。
「いや、鯨も多いね」
「そうだよね」
「イルカやシャチも鯨の仲間で」
「こうして見るとね」
「鯨も多いのね」
 四人も神宝と一緒に言います。
「海にはね」
「こうして一杯いるのね」
「そしてオズの国にもいて」
「海で楽しく過ごしているんだね」
「そうだね、こんなに一度に鯨を見られて」 
 それでとです、また言った神宝でした。
「よかったよ、ヨウスコウカワイルカも見られて」
「神宝はあのカワイルカが好きね」
「はい、中国じゃ本当に大事にされていたんです」
「大事にされていてもなのね」
「いなくなったんで」
 このことは残念なお顔で、です。神宝はジュリアに答えました。
「悲しく思っていまして」
「それでオズの国で見られたからなのね」
「とても嬉しいです」
「ジョージのリョコウバトと一緒ね」
「そう思います」
 神宝はジョージを見つつジュリアに答えました、ジョージも無言で頷いています。
「いなくなった生きものですからね」
「そうよね」
「そうした生きものがいるにもね」
 本当にとです、かかしが皆にお話しました。
「オズの国だからね」
「この国では彼等との出会いも楽しんでね」
 木樵は皆に笑顔で言ってくれました。
「是非共ね」
「本当に色々な生きものがいるんだよね」 
 ジャックも笑顔です、とはいってもこの人はカボチャ頭の表情をいつもそうしたものにしているのですが。
「オズの国にしかいない生きものも含めてね」
「ドラゴンもロック鳥もいてね」
 モジャボロも言います。
「そうなんだよね」
「僕達も海から出られて」
 兵隊さんは養殖場のお魚達が生き生きと泳いでいるのを見て目を細めさせています、とても大きな網の中で。 
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