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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1833話

 タルタロスのエントランスに入ってきたが、当然そこに何か今までと違う様子はない。
 まぁ、別に何かあった訳でもないんだから、それは当然か。

「こうしていても仕方がないし、行くぞ」

 そう告げ、ターミナルで14階に向かう。
 別に影のゲートで向かってもいいのだが、ターミナルもあるんだし、どうせならそれを使った方がいいだろうと判断した為だ。
 そうして14階に到着すると……

「ここが、14階。……こうしてみる限りでは、私達が活動していた階層とそう変わらないな」
「まぁ、小ボスの部屋って事で、他のシャドウがいないとか、そういう点は違うが……違いらしい違いは、そのくらいだな」

 もっとも、タルタロスがどこまで続いているのかというのは俺にも分からない。
 もしかしたら最上階付近まで、殆ど変わらない……という可能性もある。

「なるほど。……では、15階に行こうか。明彦もそろそろ限界のようだしな」

 その言葉を聞き、真田に視線を向けると……うん、出来るだけ早く戦闘をしたい、と態度で示していた。
 ここまで好戦的になったのは、俺のせい……じゃないと思いたい。
 そんな風に思いながら、俺達は階段を上って15階に向かう。
 この15階は、俺達も初めての場所だ。
 そうである以上、多少なりとも緊張せざるをえない。

「準備はいいな? 周囲の様子を決して見誤ったりするなよ?」

 そう声を掛け、15階の通路を歩き出す。
 他の面々も俺の言葉に頷き、通路を進む。
 ちなみに、既に俺の手にはいつものようにゲイ・ボルグが握られている。
 もし急にシャドウが出てきても、すぐに対処出来るようにするのは当然だろう。
 ましてや、いつもであればゆかりだけに戦わせてペルソナのイオを鍛えているのだが、今回は桐条と真田という2人もいる。
 おまけに、真田は昼の戦いの影響からか妙に興奮しており、もしシャドウが出てくれば速攻で自分が突っ込んで行きかねない勢いだ。
 そうして進んでいると……

「来たな」

 シャドウの気配を感じると同時に呟く。
 それを聞き、他の面々も戦闘態勢に入り……やがて曲がり角から姿を現したのは、カブトムシ型のシャドウだった。
 シャドウのお約束として、仮面はきちんとついている。……ただし、角の先端にだが。

「ちっ、よりによってこんな時に新種か」

 思わず吐き捨てるが、15階という新しい階層に来たのだから、新種のシャドウがいてもおかしくはない。
 いや、寧ろ当然と言ってもいいだろう。
 もしかしたら、13階とかにもいたシャドウという可能性はあるが、生憎とこのシャドウとは今回が初遭遇だ。
 さて、どうするべきか……
 そんな風に考えていると、予想通りに真田が一気に前に出る。

「ここは俺に任せろ! うおおおおっ!」

 そう叫びながら、真田はカブトムシのシャドウに向かって突き進んでいく。
 そんな真田を待ち受けるように、カブトムシのシャドウは角を突き出す。
 どうやら、今までのシャドウとは違って、魔法の類を使ったりはしないらしい。

「はぁっ!」

 真田は突き出されたカブトムシのシャドウの角を回避しつつ、その身体に向かって拳を放つ。
 だが……カブトムシの外殻というのは、虫の中でも相当固い部類に入る。
 それこそ、人間の拳でどうこう出来る相手ではないと思える程に。
 あくまでも、この世界の人間には、だが。
 ともあれ、真田もそれは理解したのだろう。振り回されるシャドウの角を回避しながら後方に跳躍し、着地すると召喚器を頭部に向けてトリガーを引く。

「ペルソナァッ!」

 その言葉と共に姿を現したのは……何だろう。分類的に言えば、鎧を着た人型のペルソナと言うべきなのか?
 何気に、ゆかりのイオ以外では初めて見るペルソナだった。
 イオは牛の頭蓋骨の上に乗っている、鎖で縛られた女というペルソナだったのだが……ペルソナは、人によって大きく変わるらしい。
 ともあれ、真田のペルソナはカブトムシのシャドウに向かって素早く拳を振るう。
 ……って、おい。結局拳なのかよ。
 てっきり魔法でも使うのかと思っていたのに。
 それでもペルソナの拳は真田の……人間の拳とは違い、カブトムシのシャドウを吹き飛ばし、多少なりともダメージを与えてはいた。
 何と言うか、真田が肉体派の脳筋だと、ペルソナまで同じような感じになるんだな。
 まぁ、それが決して悪い事だとは言わない。
 だが、それでもどうせならもっと向こうに合わせて、魔法をメインに使って欲しかったと思うのは、俺だけではないだろう。
 実際、カブトムシのシャドウは吹き飛ばされはしたものの、それは決して致命的な一撃ではなかったらしく、あっさりと向き直る。
 このままでは、真田が負ける……とは思わないまでも、決着が付くまでに時間が掛かるのは間違いない。
 あのカブトムシのシャドウも、こうして見たところ真田と同じ肉体派だし。
 しょうがない。

「ゆかり」

 その一言だけで、ゆかりも俺が何を言いたいのか分かったのだろう。
 ショートボウではなく、召喚器を手にして1歩前に出る。

「イオ、ガル!」

 その言葉と共に、ゆかりのペルソナのイオが姿を現す。

「これが、岳羽の……」

 牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女というイオの姿を初めて見た桐条がそんな声を発する。
 まぁ、基本的にペルソナというのは、色々と珍しい姿をしてるからな。
 他人のペルソナを見れば、驚くのは当然だろう。
 もっとも、ゆかりのイオは真田のペルソナと比べても色々と特殊な姿をしている。
 真田のペルソナは、多少外見に違和感はあっても、普通の人型でしかない。
 それを考えれば、イオの特殊性は明らかだった。
 ともあれ、イオから放たれたガルはカブトムシ型のシャドウに命中し……次の瞬間、カブトムシ型のシャドウは思い切り体勢を崩して地面に転ぶ。
 これは、ガル系が弱点なのか?

「真田、行け!」
「分かってる!」

 俺の言葉に真田は即座に頷き、床に転んだカブトムシ型のシャドウに殴りかかる。
 背中を守る外殻は固く、真田の一撃でも殆ど効果はなかった。
 だが……下の部分、腹の部分はどうだ?
 その答えは、拳を振るった真田の表情が獰猛な笑みを浮かべていたのを見れば、明らかだろう。

「ゆかり!」

 既に準備は整えていたのだろう。
 俺が声を掛けると同時に、ゆかりの射った矢は真っ直ぐにカブトムシ型のシャドウの腹に突き刺さる。

「私も、行かせて貰う!」

 レイピアを手に、桐条も一気に前に出る。
 その突きはそれなりに鋭いもので、カブトムシのシャドウの腹部を貫く。
 そうして3人が一気にシャドウを攻撃していき……

「お前はいいのか?」

 そんな3人を黙って見ている荒垣に尋ねる。
 だが、荒垣はそんな俺の言葉に問題はないと言わんばかりに頷いた。

「ああ。俺は元々戦闘要員としてここにいる訳じゃねえしな」

 じゃあ、何でここにいるんだと言えば、恐らく荒垣は俺が連れてきたからだと言うだろう。
 まぁ、実際それは間違っていないのだが。
 もっとも、俺が最初荒垣を連れてきたのは、あくまでもアドバイザー的な役割を期待しての事だ。
 そして荒垣も、その役割に納得して同行していた。
 ……もっとも、それを明確に聞けば絶対にそうだとは言わないだろうが。
 荒垣は実際には面倒見のいい性格をしているのだが、それを表に出すことは滅多にないしな。

「そうか。まぁ、荒垣がそれでいいのならこっちも構わないさ。……ほら、それより戦闘が終わったみたいだぞ」

 初めて遭遇したカブトムシ型のシャドウだったが、真田との戦闘ではいいところを見せたものの、次に出てきたゆかりには文字通りの意味で手も足もでなかったな。
 ガルに弱いというのは、カブトムシ型のシャドウにとっては致命的ではあった。
 真田と桐条のペルソナがどんな属性の魔法を使うのかは分からないが、俺達のパーティはゆかりのイオ、俺の炎という点で2つの属性攻撃を得意としている。
 実際には俺にはまだ影の魔法もあるのだが……このペルソナ世界の魔法に影という属性の魔法があるのかどうかは、分からない。
 ともあれ、弱点が風と火以外であれば、あのカブトムシ型のシャドウもその実力を十分に発揮出来たのだろう。
 見た感じからして、物理攻撃が得意そうなタイプだったしな。
 だが、ひっくり返ってそれが出来なくなった以上、向こうはそれ以上どうこう出来なかった。
 戦闘が終わり、どこか満足そうな表情を浮かべた真田と、クールな様子の桐条、まだ戦闘の興奮が若干残っているゆかりといった具合の3人がこっちに向かって戻ってくる。

「お疲れさんだな。さて、じゃあ先に進むぞ」

 そう言いながら、俺達は再び15階の通路を進んでいく。
 そうして進んでいる途中で、幾つかの小部屋で宝箱を発見し、魔法の込められた宝石や、それ以外にも用途のよく分からない代物を何個か見つけていく。
 当然それらは、俺が持っていても使い方が分からないので、今回の探索が終わったら桐条グループに預ける予定だ。
 そうして宝箱を開けながら歩いていると……不意に、こっちに近づいてくるシャドウの気配を感じ取る。
 それだけであれば、特に問題はなかっただろう。
 この階層に来てから戦ったシャドウは、最初に遭遇したカブトムシ型のシャドウだけだ。
 シャドウの数は少ないと思っていたが……タルタロスの広さを考えれば、それは特におかしな事ではなかった。
 そもそもの話、影時間になる度に内部の構造が変化するタルタロスだ。
 そんなとんでもファンタジーの建物、もしくはダンジョンなんだから、シャドウと遭遇する事が少なくても、今日はそういうものかと納得出来ていた。
 ……だが、こっちに近づいてくるシャドウの気配の数を考えると、どうやら今日は色々と運が悪かったらしい。

「シャドウだ。……さっきはお前達の戦闘を見せて貰ったから、今度は俺がやる」

 そう告げ、ゲイ・ボルグを手に一気に前に出る。

「ちょっ、おい、アルマー! シャドウってどこだよ!」

 まだシャドウが見えていないせいだろう。俺の突然の行動に、真田がそんな声を上げる。
 気配を感じる能力というのは、こういう世界では必須の能力なんだけどな。
 ともあれ、通路の角を曲がると……そこには、10匹以上のシャドウの姿があった。
 中にはさっき真田達が倒したカブトムシ型のシャドウの姿もあるし、2匹で1匹のゾンビのシャドウ、マジックハンド、弓を持った天使……いや、キューピッドのようなシャドウ、臆病のマーヤ等々。
 まさにタルタロスのシャドウが勢揃いといった形だった。
 ……まぁ、当然のようにもっと上の階に行けば、これよりも強力なシャドウはまだまだいるんだろうが。
 ともあれ、真田と桐条に俺の力を見せておくいい機会でもある。
 そう考え、俺はゲイ・ボルグを手に一気に前に出た。

「ア、アルマー!? その数を相手に、1人では無理だ!」
「あー、桐条先輩。アクセルの事なら、心配するだけ、無駄ですよ」

 桐条の焦った声と、ゆかりのどこか諦めたような声を聞きながら、俺はまず最初に、シャドウの中で一番前にいた数匹の臆病のマーヤを倒す。
 ……ゲイ・ボルグを横薙ぎにしただけで、臆病のマーヤはあっさりと致命傷となり、そのまま崩れるように消えていく。
 そうして次に、何故か臆病のマーヤのすぐ後ろにいた、カブトムシ型のシャドウ。
 いや、何故かって訳じゃないか。さっきの戦いを見た感じでは、このシャドウには遠距離攻撃用の攻撃方法や魔法が存在しない。
 完全に前衛役とでも言うべきシャドウなのだから、前衛にいるのは当然だろう。
 そんなシャドウに向け、俺は特に迷うそぶりもないままにゲイ・ボルグを突き出す。
 何だか背後で真田が無茶だ! とか言ってる声が聞こえたが、それはあくまでも真田の基準で見た場合の事。
 俺の身体能力と、何よりクー・フーリンから譲り受けたゲイ・ボルグの能力は、ここがFate世界とは別の世界であっても、この程度の雑魚にどうにか出来る筈もない。
 ゲイ・ボルグの穂先はあっさりと、それこそ何の抵抗もないままにシャドウの外殻を貫き、そのまま仕留める。
 そんな光景を見て、背後から聞こえてくるのは真田と桐条の唖然とした声。
 カブトムシ型のシャドウは1匹ではなかったので、そのまま他のカブトムシ型のシャドウも倒していく。
 そうしてゾンビのシャドウから放たれたジオも、ゲイ・ボルグで砕きながらそのままゾンビのシャドウを倒す。
 こっちに向けて矢を射ってきたシャドウは、その矢をゲイ・ボルグで弾きながら近づき、一撃で倒す。
 ……結局10匹以上のシャドウを倒すのに必要とした時間は、数十秒程度のものだった。
 ゆかりと荒垣はともかく、俺の戦闘を初めて見る桐条と真田は驚きに固まっていたが……それは別に、俺が悪い訳ではないと思う。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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