ラッキーカラー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
「そうじゃないの?」
「それもあると思うけれど」
友達も占いは結構信じている、だから美優の考えを否定せずにそのうえで答えたのだ。
「けれどね」
「それでもなの」
「美優ちゃんは元々幸せなのよ」
「いつも幸せを感じられて」
「だってたこ焼きを食べてもネックレスを買ってもでしょ」
そうしたことでもというのだ。
「さっきだってそうだし」
「擦れ違えて幸せっていうのね」
「同じことでもそう感じない人だっているでしょ」
「そうなの?」
「何でも不満を持ってたりする人はね」
世の中そうした者もいる、常に何かしらの不平不満を抱えている者がだ。そうした者はというのだ。
「美優ちゃんと同じことがあってもね」
「幸せって思わないの」
「けれど美優ちゃんは何でも幸せって思うから」
だからだというのだ。
「幸せなのよ」
「そうしたものなの」
「そうも思ったわ、そもそも赤い服を着て赤いものを持っていても幸せって思うでしょ」
「ええ」
その通りだとだ、美優は友達に答えた。
「そうよ」
「とにかく何でも幸せって感じられる性格なのよ」
「そしてそれがいいのね」
「そう思うわ、ラッキーカラー云々じゃなくて」
美優を見つつ話した。
「美優ちゃん自身がね」
「幸せっていうのね」
「そうも思うわ、ただラッキーカラーも」
それもというのだ。
「いいと思うわ」
「そうなのね」
「これからも着けてるといいわ」
そして持っていると、というのだ。
「いいわ」
「そうなのね」
「そう、実際に幸運を招いているかもだし」
「着ていて持っているだけで幸せにも感じるから」
「いいと思うわ」
「幸せを感じるってことなのね」
「そう、元々の美優ちゃんの性格もあってね」
そうしたものが積み重なってというのだ。
「美優ちゃんはどんどん幸せになれるわ」
「そういうことね」
「そう、本当にね」
「そうなのね、じゃあ私これからもね」
美優はにこりと笑ってだった、友人に答えた。
「幸せでいるわね」
「そうなってね」
友人に笑顔で応えてだ、そしてだった。
美優は友人とにこにことして応えた、そうして今度は駅で電車に間に合ってまた幸せだと言った。この時の美優も満面の笑みであった。
ラッキーカラー 完
2017・9・23
ページ上へ戻る