ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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教員研修のヴァルキリー
アウロス学園(1)
アウロス学園はまるで駒王学園そっくりで、規模は人間界と小さめだけど体育館に運動場と位置的には同じだと思った。校門を潜り本館へ近付くと運動場では早速子供達が走ったり魔力の競い合いをしていて、シトリーとバアルの眷属達が子供達に付き添ってたわ。
今は体験入学だからか参加してる子供達が多い様子、本館に入ると玄関でソーナとシーグヴァイラが出迎えてくれて匙君はソーナに報告入れてた。
「会長、オカルト研究部の皆さんをお連れ致しました」
「匙、ご苦労様でした。担当のとこに戻って構いませんし、後々に織斑理事長が到着予定となっていますから」
「イリナ達、ちょっとこちらへ来て」
それを受けた匙君は一礼してから担当のとこへ戻ってしまい、私達古参メンバーはシーグヴァイラ付近に行って現状確認する為に。リアスさん達三人がハイブリッドになった事や今後について、オカ研は何時も通りの活動をするがグレモリー眷属としてではなくCB兼蒼い翼として。
ソーナとシーグヴァイラはアウロス学園の校長先生と補佐をしてた、この学園を創ったのは蒼い翼だけど冥界にずっと長期滞在不可だから学園建設に携わった織斑理事長として。学園については校長であるソーナに白羽の矢が立った。
まだ新築の匂いがするけど、周辺一帯に居るスタッフ達は蒼い翼関係者ばかりで、警備は国連軍冥界アガレス支部治安維持部隊に一任。リアスさんは手を差し出して笑顔で一言告げる。
「改めて、おめでとう、ソーナ」
「ありがとうリアス。と言ってもここは織斑社長が建てたような代物で、創設者兼理事長は織斑社長で私は学園所有権を委ねられました。この先の未来、シトリー眷属と蒼い翼と共に学園教師として働かせます。開校まで大幅な時間がありますが、体験入学を実施した蒼い翼関連の教育部の方々です。私ら一学生が子供達に教えるのも難しいと良き理解者のお陰だと思います」
「アウロス学園については後程お喋りするとして、改めてだけどリアスさん達ハイブリッドになられたと先程通信で聞きました。おめでとう、これからバシバシと扱いていくからね」
「お手柔らかにお願いします。シーグヴァイラさん」
若干アーシアさんが引いてたけど、それについては本当の話で先輩としてスパルタで扱いていけと言われてる。アグニと同じとは言えないが。リアスさんと握手したソーナとシーグヴァイラ、この場所は蒼い翼が入ってるが所有権はソーナだし子供達に教える事もある程度はソーナ達に一任されてる。
介入はするけど先の未来では介入しないでシトリー眷属とその他スタッフ達を配置させる。教員免許に掛かる費用もこちら持ち。
「これからは同じハイブリッド同士に婚約者同士だけどね。今はそう言う考えは捨てて、シトリー校長はオカ研の皆さんを案内して下さい。私は他でやる事がありますから」
「ええご苦労様でした。後の事は任せて貴女は貴女の仕事へ戻ってくれて構いません」
シーグヴァイラがソーナの事を校長と言ったので、少々戸惑いあるかもしれんがソーナ曰く織斑社長はあくまで人間界本社で働く御方。学校の将来に向けた運営についてもソーナ達にお任せするとね。手を校内へ差し伸べてから言う。
「さあ、私がこの学園をご案内致します。織斑社長が来る前にね」
「そうね。織斑社長が来たら私と朱乃は社長秘書をしないといけないし」
「予定ではもうそろそろと聞いておりますが、遅れるそうだと先程電話が来ましたわ」
ソーナの先導の元、校内を歩く事にしたが織斑社長が来る前に軽く見ておかないといけない。廊下を子連れの親御さん達が行き交り、バアル眷属と蒼い翼の教師らで子供達にどう教えるか見本を見せてた。
いくらバアル眷属でも子供達に教える側として勉強中だからか、蒼い翼関連の学園から派遣教師がレクチャーしながら教えてた。
教師達は皆人間とハーフなのか悪魔についての知識も豊富、教える様子を教室外から見学するよう壁一面が透明となっており、子供達は興味津々に話を耳に傾けてた。後ろに親御さん達も見守ってるけど、教師達の教え方が良いのか真剣な表情と共に豊かになってた。
派遣教師達の免許は勿論の事、冥界の各地にレーティングゲーム予備校か塾を開いてたから、半分以上がその教師達でレーティングゲーム専用学園に入れない子供達の為に専用予備校や塾を冥界で行われた結果だ。
「どのぐらい来ているの?」
「冥界各地にはレーティングゲーム専用学園に入れないお子さんの為に、予備校みたいな感じの塾を設置してました。なので予備校か塾経由にて、この学校を知ったお子さんが多いのか結構な人数がこちらに来てますね」
「そんな情報知らないわよ?予備校があったなんて、お兄様にも聞いた事ないし。そのような施設があったなんて」
「リアス達新参者には知らない事ですから、それについてはソーナ達がハイブリッドになってから聞かされた情報なのですから。蒼い翼が主流となって予備校や塾を開設し、現魔王様も知らないはずだと織斑社長から聞かされました。若手悪魔との会合前からの計画だったらしく、知っていた者は当時黒神眷属古参メンバーのみ。予備校や塾経由で来られたお子さんが沢山居るのも、教師達も各地にある予備校兼塾経由で来た教師ばかりですわ」
リアスさんがソーナに質問して初めて知った顔をしてたが、予備校や塾の存在についてはソーナの夢を語る前から計画されてたらしい。周辺一帯にCB兼蒼い翼の面々が居るけど、黒の駒を入れてるメンバーがどこに居るかも分かるけど他教師達と溶け込むの早いなと思ったよ。
学校に通えない下級中級悪魔の子供は、全て蒼い翼がスポンサーの予備校と塾、小学校各校でカリキュラムにレーティングゲームを盛り込んだ座学や実際行う模擬戦を体育でやってきた。現四大魔王様も知らない事だし、学校に通えない子供の為に創られた施設と言っていいかも。
グレモリー眷属がここに来る事を伏せていて、電撃訪問と言う形にはなるが本当のサプライズは織斑社長が来る事。それがメインイベントであり、生で創造神黒鐡様と触れ合う事が出来るし憧れのヒーローとも言われてる。何せ専門に扱うグッズ店の売り上げも右肩上がりのまま。
渡り廊下を越えて体育館に入ると活気が更に溢れてきてるし、蒼い翼特別講師してるコーカサス先生は擬態化してるヘラクレス。隣に居たサイラオーグさんも一緒になって教え合っている。
「いいか!パンチってのは腰を落として体全体から打ち出すよう一直線に前へ突き出すのだ!」
「今から私とサイラオーグ先生と共に正拳突きをやってみて下さい。いいですか?」
「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」
体育館で子供達に教えながら拳を突いていく、それを真似するかのようにやってみた子供達。型が違うとコーカサス先生が子供達の背中から直接指導をしてたけど、アレが本当にヘラクレスだと言ってもきっと信じてくれないだろう。
一人称も違うけど黒の駒特性で自分自身は『俺』と言っていても、ヘラクレス以外から聞くと『私』へ自動修正される。発言側と聞く側で大きく修正されてるからか、ヘラクレスが教え上手でなくても同時通訳のように修正後の声となって聞こえる。
「ソーナ、サイラオーグはいいとしてあの教師は誰?体格がサイラオーグそっくりなのだけど」
「あの方は特別講師として蒼い翼から呼ばれた方です。名前はコーカサスと言いまして、コードネームで呼ばれてるのか本名ではないですが」
ヘラクレス本人だと極秘任務に支障が出るからソフトウェア更新されて、別人のように振る舞っていてコーカサスと名乗っていてCB兼蒼い翼関係者全員コードネームで呼ばれてる。今回のみ与えられた名前であり、今後またやるなら別名を考えてるらしい。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
正拳突きを子供達と共に打ち出すサイラオーグ先生とコーカサス先生、すると私達が近付いたらサイラオーグ先生がこちらに気付く。そしてここは任せてと言いながら授業を進めていくコーカサス先生。
「リアス達も来てたのか・・・・それよりソーナよ。あの教師は何者なのだ?俺と模擬戦した時は互角並みの力を持っていながら、まるでヘラクレスの身内かと思った」
「あの方はCB兼蒼い翼の者でして、体格も力もヘラクレスみたいな感じですがヘラクレスが丁寧語を使いますか?それに一人称は『俺』でしたし、CB兼蒼い翼の者なら力も互角に見えて抑えているのですよ。それにアウロス学園にはCBの皆様が居ませんから」
コーカサス先生は子供達を見ながらこちらを見てたが、顔からしてバレた?と感じてたようだけど納得したサイラオーグによりバレてないと念話で教えた。子供達はリアスが来た事により視線がこちらに向きましたが、コーカサス先生の一喝でパニックにはならなかった。
そこからはグレモリー眷属は、それぞれに分かれて授業のサポートに向うけどイリナと朱乃は社長秘書として待機状態となってますね。私は私で学園長として見てましたが、中庭のグラウンドで講師の教えを受けてる子供達が多く元気よく体を動かしてた。
『本来の出来事ですと講習からイベント化になってしまいましたよね』
『ええ。おっぱいドラゴンにスイッチ姫とダークナイト・ファング、敏腕マネージャーのレイヴェルがサインペン取り出しながら子供達を並ばせてたと』
「姫島朱乃に紫藤イリナ」
私達は秘書服を纏った格好なのか、少々浮いてた気がしたけど念話しながら本来起こる出来事について話してた。急遽開催したイベントもカットされてそのままの勢いで各自サポートに行くグレモリー眷属。これから来る社長ですが、サイラオーグから声が掛かったので念話を止めてタオルを首から下げた状態でこちらに来た。
「朱乃さん、織斑社長はまだですか?」
「ええ社長は少し遅れるとの事でした、車での移動なのですがここまで来るのに渋滞で引っかかったようですわ」
「ところでどうですかこの学園は?特にサイラオーグ先生としては、ぜひ感想を聞きたいですね」
「先生呼ばわりは止めてもらいたいぜ、子供達なら兎も角としてソーナ達にそう呼ばれると恥ずかしい。それより蒼い翼教育関連の者達が予備校や塾をしてたお陰か、全ての教育機関に拒否された子供達を集めて教えてると聞いたぞ」
そう驚いてたサイラオーグであったが、真羅先輩も同じような感じであったな。体験入学してきた子供達の多くが塾兼予備校出身者であり、実際授業えを行ったシトリー眷属やバアル眷属は何か違和感を感じてたそうだ。
私達が違和感の理由を話すと納得した様子だし、未来を閉ざす訳にはいかないと思った蒼い翼により冥界の階級関係無しに予備校や塾を作ってしまおうと。例え魔力が乏しくても別方法で戦いを教えてる。
「だから蒼い翼の教育機関に悪魔の純血を重んじる上役は、反対者が居ないんですよ。最近になって政治家になった曰く若造も居ますが、織斑社長の手腕により何とかなっています。『下級』や『才能の無い』悪魔達育成はとても重要な事だと無理矢理説得させたらしく、ほとんどの上役や上層部は織斑社長が創造神黒鐡様だと存していますからね」
「なるほど、だから冥界悪魔領の貴族社会を思ってる者は少ないのか。大王派のトップであるバアル家初代当主は、一見政治的影響力を持ち貴族社会を存続させる事が使命だと思っていてもそれを許さないのがこの世界を創ったと言われる創造神黒鐡様なのか。何れにしてもこれからの悪魔世界に貴族社会が無くなるのは時間の問題だろうよ」
この学校が建設されたので、この先の未来では各領土でレーティングゲーム専用の学校が次々と建設予定とされてます。私達が居る日本みたいに誰でも学ぶ権利があるように、何時か冥界も日本と同様に教育が行き届いた場所にしておきたいと社長が言ってました。
それについてはソーナ達も知ってるし、現在社長秘書は私と朱乃でありながら同業者として呼び捨てで構わないと言ってた朱乃。朱乃のお母さんである朱璃さんにも同じ事を言われたわ。
「俺はコーカサス先生と共に体術を教えている。才能が足りなければ他で補えばいいし、知恵でも腕力でもいいとコーカサス先生が言ってた。俺は腕力担当でコーカサス先生は近接格闘術の達人らしいが、補佐として教えてる訳だが子供達の中に予備校出身者が居るからなのか。子供が子供を教えてるとこを見た時、流石だなと思いながら教職のプロから一から教わっている。自分が持つ知識をどう教えるかは見様見真似でな」
その笑みはとても楽しそうでしたし、まるで子供好きな教師が体術を楽しそうに教えるかのように。初めてやる子供達も予備校出身者も一生懸命になって拳を打ち出していて、それを聞く織斑社長は嬉しがると思った私達。時計を見ながら早く来ないかと思うソーナであったが、唐突にサイラオーグが言う。
「先程コーカサス先生がフォローのつもりで言ったのだが、俺の拳はただ殴るだけではなく第三者に教える事だと。滅びの力を持たずに生まれた悪魔だろうが、肉体と体術を鍛えて今に至る訳だ。俺の役目は何も戦う事ばかりではなく、未来永劫の子供達に教える為でもあると言ってくれて俺はやっと拳に価値観があるんだと分からせてくれた」
「同じ近接格闘術のコーカサス先生から言われると納得感がありますし、気持ちも同じかと思いますわ」
サイラオーグは自分の拳を見つめてたが、ヘラクレスも同じ境遇らしい。これも織斑社長と出会って新たな力を手に入れた、黒の駒と量産型聖剣エクスカリバーによるステータス底上げと剣術とリミッター解除によるフルバースト。ストフリのような装備に覆われてしまうが、ヘラクレスの禁手化よりも役に立ってる。
すると外から異様な空気を感じたのか、子供達が群がり始めた事によりソーナ達はまるでそろそろ来たかのような感じで。共に行ってみると子供達に囲まれた端整な顔立ちと灰色の髪と瞳をした男性。
「やあ、見学しに来たよ」
私達に気付き手を挙げてたが、あの御方が現レーティングゲーム王者であるディハウザー・ベリアル。その後ろから見た事ある黒塗りの車を目視で確認、やっと到着したようですが、その前に皇帝と子供達が居るから見守るよう停まってた。ソーナとサイラオーグが王者と握手を交わす。
「ディハウザー様、今回はお越し頂き真にありがとうございます」
礼を口にするサイラオーグであったが、学校を見渡してから言う王者。
「いい学校だね、それに良い生徒さんも集いそうだね」
「「「「エンペラー!エンペラー!」」」」
大興奮の子供達であったが、私とイリナさんは王者よりぎりぎり目視にて確認した車に近付いて中に織斑社長だと確認。で、アウロス学園で集まってる野次馬達に道を開けさせようとしてたが、流石の人気者である皇帝を見たいが為に道を退かしてくれない。するとこちらに気付いたサイラオーグが大声出した。
「野次馬共、道を空けろ!皇帝であるディハウザー様も有名だが、アウロス学園を創設者兼理事長が来たから道を空けろ!」
「皆さんどうか道を空けて下さい!アウロス学園創設者兼理事長である蒼い翼CEOがご到着なさいました」
大声で言ったからなのか、野次馬達はアウロス学園に入って道を空けてくれた。ここから俺のターンとなるけど、渋滞に巻き込まれてしまい遅くなってしまった。現王者の訪問もいいが創設者兼理事長の俺までもが訪問する光景、それにもしテロが起ころうとしても極秘任務で擬態中のCBらが周りに居る。
俺が乗ってる車もトランスフォーマーであるスナイプ・ゼロ、不審者が居ればすぐに監視カメラで分かるようにしてる。学園に入って玄関のとこまで車で入れて、社長秘書の格好をした朱乃が車のドアを開けた。
「ふう、やっと来れた。遅れて申し訳ない、ところでこの野次馬は何だ?」
「お待ちしておりました、織斑社長。先程皇帝ベリアルが来た後のこの騒ぎです、そりゃ野次馬が出ますわよ」
「そうか。まあいいとして早めに校長室へ行こう、俺らが居る事により授業中の子供達が群がりそうだ」
「一応護衛者もおりますが、早めに行きましょう」
で、車から外に出た俺はグラサン掛けたままだし、道の左右にヒトの集団が群がってた。恐らく学園創設者兼理事長を一度でいいから見てみたいと言う感じか、俺は学内に入った後は校長室に行く。護衛者を配置、学内は騒然のままだがレーティングゲーム覇者の次が蒼い翼CEOの正体が創造神黒鐡だと言うのも知っている。
「「「「黒鐡様!黒鐡様!」」」」
とまあ学内はこんな感じで、俺の出迎えに答えるようになった。一時的に授業を妨げる結果となってしまったが、もう大丈夫なので授業は再開している。にしてもまさかこんなに歓迎ムードとは。
「ようこそいらっしゃいました、織斑社長。改めて歓迎すると同時に私の夢を叶えてくれた事、感謝申し上げます」
「アウロス学園についてはソーナの夢を聞いてから動いたプロジェクトだし、夏休み前から考えてた事だから気にすんなソーナ」
「社長、スケジュール通りに来ましたがこれからはどうされますか?それと社長モードは何時までですか?」
「社長モードは今日までだ、体験授業について語りたいので体育館に親御さんらを集めてくれないか」
「では体育館にいる生徒と講師に言って、外でやってもらうように指示を出します。社長は準備が出来るまでここに居て下さりますと助かります」
校長室から出て放送室にて、体育館を貸し切った織斑理事長によるガイダンスを始める事が校内放送に響く。その間に子供達は講師と眷属達が見張りしてくれるとの事、皇帝は明日空中都市アグレアスの映画撮影の足で来たらしく、サプライズ二段重ねとなったが問題ないだろう。午後からの授業を理事長による講談会となり、予備校出身者の親御さんや初めて来た親御さんと同じぐらいの数。
「静粛にお願いします、これから織斑理事長による親御さんの為によるガイダンスを始めたいと思います。司会は社長秘書をしております姫島朱乃と紫藤イリナが行いますので、皆様よろしくお願い致します」
「改めてだがアウロス学園理事長兼創設者、そしてCB総司令官兼蒼い翼本社社長兼CEOの織斑一真だ。これから行う事は現在進行形で子供達の為、未来あるゲームプレイヤーが誕生する事は素晴らしいと俺は思う。挨拶はそのぐらいにして・・・・」
拍手を貰った後、ガイダンスを始めて冥界各地に蒼い翼教育機関による予備校や塾の存在を初めて知った親御さん。そしてこれからの事についてを語り合ったり親御さんからの質問を答えたりしていくし、開校後の学内スケジュールを一から説明し始める。
前々から準備してたプレゼン用資料を朱璃達が用意してくれたので、とても役に立ったから卒業後の将来も支援し続ける事を誓った。講演会終了後、今度は親御さんから子供達を集めた特別授業を開催した。
「黒鐡様!変身して!」
「本来なら変身しないが、子供達を前にして変身しない奴など居ないから特別だぞ・・・・来い、黒鐡!」
『闇より暗き深淵より出でし―其は、科学の光が落とす影!』
俺が登場後にそのような発言を聞いて第二の姿を見せない訳がない、一瞬消えたと思えば影から呪文を告げながら出て来た黒鐡改。体育館は大フィーバーとなり、ここから黒鐡改自ら魔法について語ったり大型モニターで魔法やレーティングゲームについてを。
今までだとヒーローショーやテレビ番組でしか見た事が無い黒鐡改、子供達は目の前に居る黒鐡改が説明してる姿を目に焼き付けながら素直に聞く子供達。後ろから親御さん達がビデオを回そうとしてたが、流石にそれはマズイので撮影NGだと司会者が言った事で慌てる親達。
「以上で黒鐡様による講演を終了致しますが、ここで皆様にプレゼントがあります。それは後程準備が出来次第またここに集まって下さいねー創造神黒鐡様のプレゼントですからこれを見逃す訳には行きません!子供達、またここに来てくれるかなー?」
『いいともー!』
ここで黒鐡改の前に射影体として現れた俺だが、マイクを持って先程司会者からの撮影NGを言いつつも記者用なら撮影して構わないと告げる。そしてマイクを持つと子供達に向けて問い掛ける。
「プレゼントで例えが欲しい、皆は何が欲しいのか近くにいる職員に聞いてくれ。またこの後の授業は私が視察と言う名目にて見回るが、皆に約束をしてもらいたい。我が来ても決して騒がない事、これだけを約束してくれないと我からのプレゼントは無しとさせてもらう。ちゃんと守ってくれるかな~?」
『おー!』
「聞こえないなぁ、もっとだ。もっと大きな声で、神様に嘘はいけないぞー!真実の声を我に聞かせてくれー!ちゃんと守れるかな~?」
『いいともーーーー!!!!』
「よし。神様と約束した子供達よ、守らなければプレゼントは無しだがそれを用意した蒼い翼の面々に悲しい顔をさせないでもらいたい。ではこれにて我の特別授業は終了だ・・・・またここに集まり次第、君達が今欲しい物をプレゼントしよう。それまでちゃんと真剣に授業を受けたまえ」
「以上で黒鐡様による特別授業は終了となります、この後の授業風景を黒鐡様が見ているので一生懸命に授業を励む事。ここまでの司会させて頂きました紫藤イリナでした♪」
真実の声を聞いた我は黒鐡改から元の姿へと戻り、壇上から降りてその後の授業風景を視察前に理事長室へ向かう。先程職員に欲しい物を言ってくれと指示を飛ばしたのだが、どうやら男子と女子で一番欲しい物が分かったのだが男子は乗り物からロボモードに変形する玩具で女子は動画と音楽のみ使用出来るスマホ。
男子の欲しい物は流石の俺でも驚くが、これは人間界でしか販売されてない商品でプレミアが付く程にな。とある車メーカーとコラボした商品だが、俺がよく乗るフェラーリから黒鐡改へ変形するのは冥界悪魔領しか無い代物。予約されて僅か数分で品薄になったと言う代物だ。
女子の欲しいのは動画と音楽のみ使用出来るスマホで、人間界の流行り音楽は冥界悪魔領では聞けないから聞けるようにしてほしいと書いてあった。音楽のカテゴリーは様々あるが、音楽と動画が見れるポータブルオーディオプレーヤーにしようと思う。
「なるほど、冥界の商品より人間界の商品の方がいいのか。最近の子供の流行りは分からんな」
「男の子が欲しい物については、人間界本社に聞くと在庫があるとの事です。ポータブルオーディオプレーヤーについてもありますが、冥界から人間界の音楽や動画をダウンロードするような機能は搭載されておりません」
「それはそうだろう、恐らく人間界にいるハーフ悪魔の子供から聞いたと思われる。俺が一から創造で創ろう、何、子供達の笑顔の為だと思えば安い事。少しぐらい無茶しても平気だ」
「数に関してもですが、男女合わせて四百人くらいかと。子供達の笑顔の為とは言って無茶振りは構わないと思いますし、先程の朱乃さんとイリナさんは司会のお姉さんと言う感じでしたし」
朱乃もイリナも司会者として出来て良かったと思ってるし、特に子供達のフリとノリに関してイリナが合せてやってくれたから助かった。天使の説明時だけイリナ自らの翼や輪っかを見せた状態で話したりして大盛況、第二の姿である黒鐡改を見れてそのまま特別授業をしたからな。
明日のニュースに取り上げられると思うし、正直言って黒鐡改の姿を見れる事自体がレアな光景だと言っていい程だ。空中都市アグレアスでレーティングゲーム後、対ドウター戦とゴルフボールで打ち上げたぐらいだ。
「それでは今の内にポータブルオーディオプレーヤーを大量生産しますか、色については何か情報あるか?」
「調査によると色々とありますが、やはり黒鐡様のカラーがいいとの事でした。ピンクかと思いがちではありましたわ」
「なるほど、では黒と銀にして大量生産しよう。設計図から機能追加で、電波を人間界に繋げるようにしてアンテナを冥界支社と人間界本社にダウンロードサービスを開始。そして後は生産開始っと」
端末にある設計図から見直す事にし、追加機能を付けた設計図を完成させて一個創った。各機能が使えるかチェック後、人間界本社に新たなサービス追加させて冥界と人間界の動画&音楽ダウンロードサービスを開始。で、冥界にある各工場に大量生産する為の書類にサイン。ついでに所有者しか持てないようにして、誰かに盗まれても持ち主に戻る機能も付けた。
「社長、工場からの通信で大量生産完了との事です。それとこの商品はどう説明するつもりかと工場長から聞いて来ています」
「そうだなー・・・・アウロス学園にて黒鐡様に出会った限定物だと言っといてくれ」
「分かりました、恐らくプレミアム物になりますよ。それに冥界中の子供達からも欲しいとメールが入りますね」
「非売品だからな、それと通常品としても販売させてくれ。ただし色は一色のみで、ダウンロードサービス使用可能にしておいてと」
「それだったら何とかなりますね、そろそろ子供達が授業再開されてるかと思いますから行ってみるとしましょう。織斑理事長」
プレゼント箱を一品ずつ運ばせるよう手配させて、俺と社長秘書の朱乃とイリナを引き連れて今行われてる教室や課外授業でやってるとこを回る。秘書の案内で行く事になったが、屋外授業で丁度『兵士』についてやっており実演者が居ないので俺がやる事になった。俺が出てきたら講師も親御さんも驚いてたが子供達は約束を守ろうと静かにしてた。
「ではこれから織斑理事長に『兵士』のプロモーションを実演してもらいます、理事長お願いします」
「まあホントは鎧とか纏うと思うが、生身でやらせてもらおう。まずは『騎士』についてだ」
「上着をお持ちしますわ」
「頼む」
上着を脱いで袖を捲り上げてから『騎士』の動きを見せた。と言ってもクロックアップをして様々な動き方をして、子供達の目でも追える速度のまま『僧侶』で波導弾を撃ち出して『戦車』だと大きな岩を一撃粉砕させたり講師からの攻撃を防いだりと。
「こんな感じで『兵士』のプロモーションをしたらこうなる訳だ、分かったかな?じゃ、あとは任せるよ。講師」
「実演ありがとうございました、織斑理事長。このようにして『兵士』の特性はプロモーションによる・・・・」
上着を脱いで軽い運動後、上着を着て実演を終わらせた俺で朱乃は校内で行われる講義を効率よく視察出来るように電子手帳見てた。イリナは運動後の飲み物を持ってきてくれたし、アウロス学園に着いてから飲み物飲んでなかったな。理事長自ら実演するのは今日以外無いからか、子供達と親御さんが真剣に見ていた気がする。次の視察へ行こうとするとアイツが視界に入る。
「分かったかな、皆?人間や人間とのハーフにこのような神器は悪魔とは違う特殊能力を持つ者を言うんだ」
「「「「「はいっ!」」」」」
グラウンドの端っこにて実演していた匙、右腕に神器である黒い蛇を幾重にも出現させて説明中のようだ。実演が終わるとあちらの講師と話してたが、よく見るとバアル眷属のリーバン・クロセルと。
神器の実演も大切な事だが、講師らの中には神器所有者が自らの神器を使った授業もやってるらしい。元英雄派構成員が講師してるのか、自分で使う神器よりも分かりやすく説明してる。俺らを見たら一礼して近付く匙。
「よう匙先生、調子はどうだ?」
「先生は止してくれ、まだ言われ慣れていないんだ。織斑理事長は視察ですか?」
「そんなに固くなるな、もっとリラックスしないと子供達に見られるぞ」
「そうですよ。それに先生振りは良さそうで、シトリー眷属のこの先の未来はもう決まりそうですね」
「イリナさんや朱乃さんに比べたらまだまだですけど、笑顔で先生って呼ばれるのも悪くないです。理事長が建てたこの学校の為に俺は絶対に先生となってみせます。それが俺達シトリー眷属の恩返しになればいいと思ってますが、まずは中級悪魔にならないと」
そう話していたら、匙はしばらく休憩タイムの為に俺らと一緒に行動となる。何やら賑やかな声が聞こえると思えば教会コンビ、イリナが加えればトリオになるが今は社長秘書として動いてるので今はコンビだ。
「あ、織斑理事長にイリナさん」
「やあ、アーシアにゼノヴィア。何しているんだ?」
「これからファーブニルさんを外に出そうと思ってました。子供達と遊んでほしくて」
「と言ってもヒト化としては既に出ているが、龍化となればいいのだろうな。デカいドラゴンが大人しく子供達と遊べる機会など無いと思う」
龍化となったファーブニルに乗ったり触れたりしてたが、邪龍やドラゴンと言った力の塊が大人しくしてたのはレアな事。昔と変わらずにいるけど、外史の元である前代創造神によるとアーシアのパンツが欲しい変態龍王となってた。代価がパンツと言う設定無しとなり、ファーブニルが金髪シスターのアーシアを気に入ってたとドライグから聞いた。
「ヴリトラによると昔から余り変わらないそうだが、アザゼル総督には代価有りなのがアーシアさんは代価無しで力を貸してくれてると言うのが不思議だと言ってた」
「ファーブニル自身が気に入ったんなら代価はアーシアの姿だけで満足したんじゃねえの」
「アーシアさんとファーブニルとの禁手化による超弩級回復を放てるようなってから、敵味方を識別して回復か毒による攻撃する事が出来たと聞いたよ」
匙はマジか!みたいな顔してたからか、龍王での禁手化はアーシアのみであり匙も早く禁手化してみたいと言ってた。匙ならいつでも出来ると確信持ってたが、本来のファーブニルだと『PP(パンツポイント)』を新たに設定した。エネルギー数値はアーシアのパンツ成分で構築、足りなければ力が抜けるふざけた龍王。
匙の中にある次元の駒には細工がしてあり、外史への行き来の他にステータスが上がるよう設定した。あとは匙の気持ちで至れそうだが、まだその時ではないので校舎内に入ると教室にロスヴァイセが魔法の授業をしていた。
「やあロスヴァイセ、魔法の授業は大盛況だね」
「あ、織斑理事長。お蔭様で駒王学園よりも教え甲斐があります」
「ロスヴァイセ先生!」
「先生、もっと魔法を教えて!」
魔法授業はレーティングゲームと並んで人気授業の一つ、体験授業のカリキュラムにも入っていて予備校と塾が行ってる事と同じ。ロスヴァイセがやっているのは魔術講座の初歩的なもんで、駒王学園で教師やってるのか人気教師になってた。何を教えるかをテキパキと対応して見せた。
『D×D』結成前にサイラオーグからも言われたそうなのだが、アウロス学園の魔法学科教師になって欲しいと懇願されたようで。魔法を大元として使う悪魔が魔法を習う等おかしな話だけど、魔力を使うのが不得意な悪魔も居るのも事実。
全く魔力や魔法の素質が無い子供でも知識としては大きな武器ともなり、今まで使えなかった悪魔が教えによって魔法や魔力を使えるようになった前例が予備校と塾の存在意義として。
「おや、奇遇ですね」
「ん?ゲンドゥルか、ここに来てどうしたんだ?」
気配を感じたので振り返ると、そこには銀髪の女性であるロスヴァイセの祖母が居た。見た目がロスヴァイセそっくりなので、子供達からもロスヴァイセ先生のお姉さん?とまで言われてしまう程瓜二つだ。服装は学校の女性教師がよく着る服装で、若返りをしたのか淑女が着るような服装ではなかった。
「お祖母さん、来ていたのですか」
「ここで特別講師をする約束をしてましたし、明日の魔法使いの集会前には良い気分転換にもなります」
教室に入った後に上記のセリフを言ったが、本当に気分転換しに来たオーラを感じた。教室内に緑色のオーラに包まれた妖精が出現し、俺も使い魔であるペルセフォネを召喚して一緒に教室内を飛ばす。
妖精と使い魔のコラボで子供達の間を飛び回った後に教壇の隅に降りた妖精と俺の肩に止まるペルセフォネ。教壇にゲンドゥルが立ち、妖精を優しく撫でながら子供達の視線がそちらに集束させた。優しい笑みを浮かべながら静かに口を開くゲンドゥル。
「魔法の起源・・・・魔法とはどういう風にして生まれたか皆さんはご存じかしら?」
「占いや呪術だって聞きました!」
ゲンドゥルの問いに一人の子供が元気よく挙手し、その答えにより軽く笑みを見せたゲンドゥル。優しく語りかけながら続くが、魔法とは占いやお呪いから誕生したと言われてた気がした。
「その通りです。こんな事が知りたい、あんな事があったらいいな、あのヒトの為に他の誰かの為に・・・・沢山のヒトを助けられる方法が欲すると願えた術者達によって創り上げたものなのです。こちらにいらっしゃる織斑理事長の正体は知ってますね『くろがねさま~!』その通りです、黒鐡様である織斑理事長のお陰で魔法が創設されたのだと。現代魔法には優劣が存在し明らかな差もありますが、織斑理事長が創設した予備校や塾出身者は何度も教えられた事は分かりますね?」
子供達も親御さん達も聞き入れてしまう程、ゲンドゥルの語り口は分かりやすく教えてるので耳に入って忘れないように入ってくる。慈愛に溢れた笑顔を見れて良かったと思ってるロスヴァイセと俺、すると予備校や術出身者が教室内に居た事で一斉に合せて答える子供達。
『どのような魔法でも必ず術者と他の誰かの役に立ちたいと思えば、誰でも出来る事。この世に意味の無い魔法は存在しない事!』
「はい、よく出来ました。流石は理事長創設の予備校や塾出身者ですね。その通りであり、この世に意味の無い魔法など存在しません。ここに居る子供達の大半が初めて学ぶ子も多いので難しい話はこの辺りにしておきましょう。妖精や精霊と仲良くなりたいと思う子はどれぐらい居るのでしょうか?妖精はここにおりますが、精霊については『精霊については俺に任せろ』では織斑理事長が出してくれるそうですよ」
「「「「「はいはいはいはい!」」」」」
一斉に手を挙げる子供達、妖精は教壇の隅に居るが精霊は俺が出現させた。四大元素とも言われる炎・風・地・水の精霊王を呼び出したからなのか、子供達のテンションが上がるつつも匙は他にやる事があると行ってしまったが。いくら予備校や塾出身者でも妖精と精霊のコラボは見た事無いだろうよ。
精霊王は全員女性の姿をして喋ったら更にハイテンションとなる子供達だけど、ゲンドゥルは妖精や精霊に使い魔が喋る場面を見た事ないと言ってた。妖精と精霊についての授業を終わらせて、俺は次の視察があるのでこの場をロスヴァイセとゲンドゥルに任せた。
体験授業終盤となると、約束通りに準備を始めた俺達。体育館に子供達を集結させると、体育館に看板と長机があって悪魔文字で『創造神黒鐡様のサイン&握手会』と書いてあった。男子と女子に分かれてからの俺参上、容姿を黒鐡改だが背は人間体と同じ背丈だ。第二の姿は何もデカい状態じゃなくて時には小さくなって戦う事も可能だと『黒衣の神皇帝』公式サイトに載せてるから。
プレゼント配布させて握手とサインをし、証拠となるようにサインとプレゼントを持った子供と一緒の写真撮影会。全ての子供達はプレゼントも喜んでいたし、手はヒトの手みたいな感触でしたので怪我しないで済んだ。サインは名前入りの色紙で準備済みとなり、親御さん達にとって宝物となってウキウキ姿で帰る家族達を見てた俺達。
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