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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1829話

 桐条や真田達との影時間における邂逅が終わった翌日……いや、影時間は終わった時点で既に日付は変わっているのだから、当日と表現した方がいいのか?
 まぁ、どのみち普通なら寝て起きてからが翌日という認識なんだし、翌日でいいか。
 ともあれ、翌日……今日は午後から真田との模擬戦があるが、取りあえず午前中は暇だ。
 もっとも、時計を見ると時間は午前10時を回っていて、既に11時近い。
 午後まではまだある程度時間があるが、かといってどこかに遊びに行くような時間がある訳でもない。
 取りあえず今の俺が出来るのは、約束の時間までTVでも見ながら、少し早い食事をするくらいだ。
 朝食か、もしくは昼食か。
 そんな感じの食事に、空間倉庫の中からカップラーメンを幾つか取り出していく。
 いつもの、ドッグフードを買うスーパーで買ってきた、ちょっと高めのカップラーメンだ。
 普通のカップラーメンは、大体100円前後。
 それに比べると、このカップラーメンは250円くらい。
 いわば、高級カップラーメンと言ってもいいだろう。
 もっとも、ぶっちゃけカップラーメン食べるくらいなら店にラーメンを食べに行けばいいんだが。
 俺の場合は移動時間とかも影のゲートを使えば特に掛からないし、一食に掛ける料金が制限されている訳でもない。
 ……ああ、そうだな。もし桐条グループとの関係が上手くいったら、俺が持っている金塊とか宝石とかを現金化してもらうのもいいか。
 もしくは、タルタロスで入手したマジックアイテムとか、俺達に使い道がないような武器とかを売るとか。
 下駄とか、あっても意味がないしな。
 いや、一応投げつけるという方法を使えば、それなりに使えるのか?
 ともあれ、こっちとしてはある程度有利な状況で交渉出来るのは間違いない。
 何しろ、桐条グループ側ではまだ4階なのに、こっちはもう14階まで到達している。
 その辺りは、何気にかなり大きい。
 ともあれ、カップラーメンにお湯を入れ、TVを眺める。
 そうして5分が経つ。3分じゃない辺り、高級カップラーメンっぽいよな。
 そうしてカップラーメンを味わう。
 うん、カップラーメンとして考えればそれなりだが、やっぱりきちんとラーメン屋で食った方が美味いという事を再認識してしまった。
 何だかんだでそんな風に時間が経ち……やがて、午後1時くらいになる。
 身支度を終え、そのまま影のゲートに身を沈める。
 すると次の瞬間俺が姿を現したのは、月光館学園のすぐ近くにある建物の裏だった。
 いや、別に直接月光館学園に姿を現したり、それどころかボクシング部のリングのある場所に姿を現してもよかったんだが、影のゲートは取りあえず明確に向こうと手を組んだ訳ではない以上、知らせない方がいいだろうと判断した。

「お? アクセルじゃん。こんな時間にどしたん?」

 月光館学園の校門に入ろうとすると、そんな聞き覚えのある声が聞こえてきた。
 そこにいたのは、何人かの男友達と一緒に下校しようとしている順平の姿だった。

「順平か。ちょっと中で待ち合わせをな」
「ふーん。ゆかりッチとか?」
「あー……まぁ、そうだな」

 正確には違うが、真田との模擬戦を見に来るとは言っていたので、決してゆかりと待ち合わせじゃないとは言い切れないだろう。

「あー! 順平、もしかしてこいつ、岳羽さんと噂になってる奴!?」

 順平と一緒にいた男は、会話を聞いて俺について思うところがあったのだろう。
 大きく声を上げ、俺の方を指さしてくる。
 そんな真似をすれば、当然周囲にもその声は聞こえる訳で……ゆかりとの関係を口にする者が他にも何人かいた。
 既に1時近くで、既に学校に残っている者が殆どいなかったのだが、せめてもの救いか。
 もしこれで学校が終わった直後、帰る生徒が大量にいる時に……とかだったら、騒動はもっと大きくなっていただろう。
 そういう意味では運が良かったのか。

「どういう噂なのかは、聞かないでおいた方がいいだろうな。じゃあ、またな」
「ちょっ、アクセル! 勝手に入っていいのかよ!」

 背後で叫ぶ順平の言葉に軽く手を振り、俺はそのまま月光館学園の中に入っていく。
 先程俺を見て騒いでいた順平の友達は、まだ何か騒いでいたが……それでも、俺を追ってくるような事はなかった。
 まぁ、噂とかよりもこれから始まる春休みを満喫したいという思いの方が強いんだろう。
 高校生としては、それは普通の事だ。
 そうして背後から聞こえてくる声を聞き流しながら、俺はボクシング部の部室に向かい……

「おう、来たか」

 ボクシング部の部室のすぐ側で、荒垣が俺を待っていた。
 どうやら今の言葉を聞く限り、俺が来るのを待っていたのだろう。

「他の面子は?」
「もう中だ」

 荒垣の視線が向けられたのは、リングのある建物。まぁ、これも含めて部室と言ってもいいのだろう。

「そうか。なら、真田の準備も万全だろうな」
「……限度を考えてやってくれ。アキは脳筋で猪突猛進なところがあるが、別に悪気がある訳じゃないからな」

 なるほど。何で荒垣だけが部室の外で待っていたのか疑問だったが、それを言いたかったのか。
 まぁ、荒垣にとって真田は親友と呼ぶべき間柄だ。
 そして荒垣は俺の力を知っている。
 勿論俺の力の全てを知ってる訳ではないのだが、それでもシャドウを相手に戦っているのを見れば、俺と真田の間にある力の差は十分に理解出来ているのだろう。
 そんな風に考えながら、俺は荒垣に頷きを返す。

「ああ、その辺は問題ない。こっちも別に真田に対して悪感情を抱いてる訳じゃないからな。程々にしておくよ」
「……ああ」

 それだけを告げると、俺は荒垣と共にボクシング部の部室に入る。
 すると中では、リングの上で軽く身体を動かしている真田に、リングから少し離れた場所に桐条とゆかりが……そしてもう1人、初めて見る男の姿があった。
 茶髪の長髪と眼鏡が特徴的な、線の細い男。
 ヒョロい……と言うべきか?
 そんな感じの男が、ゆかりに向かって何かを話し掛けているところだった。

「岳羽さんには、お世話になってね。もっとも、当時の僕はまだまだ下っ端で、岳羽さんとは殆ど話したことがなかったんだけど」
「……は、はぁ……」

 食い気味に話し掛けてくる男に、ゆかりはどこか数歩引いた様子を見せる。
 だが、男の方はそんなゆかりの様子に構わず、色々と話し掛けていた。
 最初はナンパか何かかとも思ったが、ゆかりの父親について知ってるという事は、全くの無関係という訳でもないんだろう。

「あの男は誰だ?」
「ん? ああ、理事長だ。シャドウや影時間についての研究者でもある」

 荒垣に尋ねると、あっさりとそんな言葉が返ってくる。
 あー……なるほど。そう言えば、昨日桐条と話していた時に、理事長からの了解を貰えれば云々とか言ってたか。
 だとすれば、やっぱり関係者であるという判断で間違っていないのだろう。
 ただ……何だ? 何だか微妙に気にくわないというか、そんな感じがする。
 多分、ゆかりが嫌がっているのに強引に話し掛けているせいだろうけど。
 だが、それも無理はない。
 そもそも俺達のパーティは俺、ゆかり、荒垣の3人。
 そのうち荒垣は元々桐条達のパーティに所属していた人物であり、理事長にとっても顔見知りだろう。
 で、当然のように顔見知りであれば、荒垣が色々と頑固なのも理解している筈だ。
 それこそ、今すぐにでも桐条達と一緒に行動しろと言っても無駄だろう程には。
 そんな荒垣に比べると、ゆかりは全く未知の人物だ。
 ここで口説き落として自分達のパーティに引き込む……そこまではいかなくても、友好的な関係を築いておきたいと考えても不思議ではない。
 ましてや、あの男の言葉が真実であれば、ゆかりの父親の同僚……知り合い? そんな感じだったらしいし。
 そういう意味で縁のあるゆかりと話そうとするのは、間違いじゃないだろう。
 ……ゆかりは月光館学園でも人気があるらしいから、意外とそっち方面で、という可能性もあるかもしれないが。

「アクセル!」

 そんな中、ゆかりが部室に入ってきた俺の姿を見て声を上げる。
 そうして男の方もそんなゆかりの言葉に俺の方を見て……笑みを浮かべながら近づいてきた。
 うん、あの笑みの様子を見る限りだと、別にあの男もゆかりを女として口説こうと思っていた訳ではないらしい。
 何故なら、俺の方に近づいてくる男は満面の笑みを……それこそ、ゆかりと話していた時と比べても、より好奇心に満ちた笑みを浮かべていたのだから。

「君がアクセル・アルマー君だね。他の人達から話は聞いてるよ。僕は幾月修司。月光館学園の理事長をさせて貰っている。それと、シャドウや影時間の研究もね。昨日は色々とあって君達と会えなかったが……それが非常に残念だよ」

 そう言いながら手を出してくる男……幾月の手を握りながら、その言葉に理由もなく嫌悪感を抱く。
 別に、何か言葉遣いに不快なものがあった訳ではない。
 そもそも、そういう意味では俺の方が言葉遣いは悪いだろう。
 だが……そう、何となくスパロボOGs世界のアーチボルドに似た何かを感じるのだ。
 ただ、アーチボルド程に不愉快な男ではない。
 ……まぁ、アーチボルド級の男がその辺にそうほいほいいたりすれば、それはそれで大変だろうが。
 もっとも、不快感を覚える理由は分からないのだが。
 そもそも何か理由があっての感じではない。
 そうである以上、こちらも何の理由もなしに、向こうを敵視する訳にはいかないだろう。

「もうこっちの名前は分かってるようだが、アクセル・アルマーだ。そっち側と協力関係を結べるのなら、これからも会う事になるだろうな」
「勿論、歓迎させて貰うよ。ただ、僕としては出来ればペルソナ使いという貴重な人材は皆が纏まって行動して欲しいところなんだけど……どうかな?」
「残念だが、それは止めておいた方がいいだろうな。お互いに色々と事情もあるし」
「うーん……聞いていたけど、やっぱり駄目なのか。じゃあ、住む場所はどうかな? それなら、別に一緒に行動しなくても、お互いに情報交換しやすいし」
「桐条からも同じ提案をされたけどな、残念ながら断る」
「そうかい? 僕としては是非検討して欲しいんだけどね。健康に気をつける為にも。……ぷっ、くくっ!」

 うん? 何だ今の?

「『けんとう』と『けんこう』……ふふ、どうだい? 今のは結構渾身の出来だったと思うだけど」
「……荒垣?」

 目の前の人物の様子に荒垣へ視線を向けるが、その視線はそっと逸らされる。

「桐条?」

 ならばと桐条に視線を向けると、桐条は申し訳なさそうな表情で口を開く。

「その、だな。理事長はちょっとした癖のようなものがあって……」
「それが、つまり今の駄洒落だと?」
「……」

 無言で頷く桐条。

「あれ? どう、今の。結構面白かったと思うんだけど」
「……」

 俺がこの男から感じた不快さは、気のせいだったのか?
 ふと、そんな風に思う。
 もっとも、今のところは特にこの男をどうこうする理由がある訳ではない。
 そうである以上、今すぐどうこうする必要もないだろう。
 もし何か妙な動きをしようとすれば、その時にどうにかすればいいだけの話なのだから。

「さて、じゃあそろそろ模擬戦を始めるとするか」

 その言葉に、リングの上で身体を動かしていた真田が動きを止め、こちらに視線を向けてくる。

「待ってたぞ。さあ、やろう」

 闘争心に満ちた視線をこちらに送ってくる真田。
 そんな真田の様子に、改めて荒垣から視線を送られつつ、俺はリングの上に上がる。
 お互いに1m程の距離を置いて向き合う。
 真田はボクシングの格好……トランクスに顔を守るヘッドギアだったか? それを身につけている。
 ただし、グローブではなく素手だ。

「お互いに相手に致命傷を与える以外は何でもありだ。……ただ、何でもありでも、魔法とかそういうのは抜きで、あくまでも物理攻撃のみ。いいか?」

 俺の言葉に、真田は小さく頷く。
 自分で言っておいてなんだが、魔法とか武器とか禁止の何でもありってのは、どうなんだろうな。妙にルールの厳しい何でもありだが。
 けど、まさか真田を相手に混沌精霊としての力を使って炎獣とかそういうのを使う訳にもいかないし、銃火器を使う訳にもいかない。ましてや、ゲイ・ボルグを使おうものなら、真田は即死してしまう可能性すらあった。
 一応ネギま世界の魔法薬はあるから心配はいらないが……使わなくてもいいのであれば、使わない方がいい。

「荒垣、合図を頼む」
「俺かよ?」

 俺の言葉に、荒垣は不機嫌そうに言いながらもゴングの置いてある場所に行き……やがて、ゴングの音が周囲に響くと同時に、真田が前に……俺の方に向かって距離を詰めるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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