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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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809部分:第六十五話 孔明、姉と再会するのことその十二


第六十五話 孔明、姉と再会するのことその十二

 関羽と張飛、馬超はだ。目が真っ赤だった。そして何処かやつれている。
 その三人を見てだ。マリーがいぶかしみながら言った。
「目の下にクマまでできているわね、三人共」
「眠れなかったのだ」
「昨日はずっとなのだ」
「ああ、とてもな」
 こうだ。三人で声を揃えて言う。
「真吾のせいね」
 マリーはその三人を見てすぐにこう察した。
「あの子の怪談は確かに凄いから」
「だ、だからそうではない」
「それは違うのだ」
「怪談なんか怖くとも何ともないからな」
 しかし三人はそのことはムキになって否定する。
「全くだ。どうして怪談なぞだ」
「この鈴々が怖がるのだ」
「そんな筈がないだろ?」
「しかし御主達は」
 趙雲がまた三人に言う。
「真吾の怪談の時真っ青だったではないか」
「そ、そうか?」
「そんな筈がないのだ」
「そうだよ。怖くとも何ともなかったんだからな」
 三人は強がって反論する。
「あんなものはだ」
「全然怖くなかったのだ」
「むしろ退屈したぜ」
「ふむ。それではだ」
 三人の虚勢は想定の範囲内だった。それで趙雲は今度はこう言った。
「真吾、今晩も怪談を話してくれるか」
「はい、わかりました」
 真吾も満面の笑顔で応える。
「今夜も楽しみにして下さい」
「い、いや今夜はな」
「遠慮するのだ」
「そういう気分じゃないからな」
 速攻で言う三人だった。かくしてこの三人は予想通りの結果になった。
 そして諸葛勤はというとだ。
「じゃあ今日はね」
「何処に行くの?」
 姉妹でだ。仲良く話をしている。朝からだ。
 黄蓋もだ。その二人を見ながら笑顔で話す。
「藍里は昨夜ずっと二人でいたそうじゃな」
「はい、そうです」
 鳳統がその黄蓋に答える。
「諸葛勤さん昨夜は朱里ちゃんと一緒に寝ましたし」
「仲がいいのう」
「そうなんです。夜遅くまで三人で本を読んで」
 どういった本かはあえて言わない。
「それで二人で」
「そうか。実はのう」
 ここで黄蓋はこんなことも話した。
「我が揚州の孫策様達もじゃ」
「あっ、三人姉妹ですよね」
「そうじゃ。今でも同じベッドで寝ることがあるのじゃ」
 このことをだ。鳳統に話すのだった。
「三人一緒にのう」
「三姉妹仲良くですか」
「やはり兄弟は仲がいいに限るじゃろ」
「はい、確かに」
 その通りだった。これは鳳統もわかることだった。
「私は。兄弟はいませんけれど」
「いや、もうおるではないか」
「いますか?」
「兄弟とは血がつながっているとは限らんのじゃ」
 そうだと話すのであった。
「例え血がつながっておらずともな」
「兄弟になれるんですね」
「そういうことじゃ。大事なのは絆だ」
 それだというのである。
 
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