| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『塗り潰した7日間』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『記憶』



此の人は殆ど喋らない。
私も喋らない。
何故なら私は記憶が無い。

何も解らない。
今の現状が何なのか...
下手に何かを聞くと怖い。
相手がヤクザなら殺されない保証は無い。

記憶が無い事を言えばいい。
先に何かを聞くより自分から。
一か八か、ありのままを伝えよう。

『私は今、何故此処に居るのか記憶が無いです。何か知ってる事を教えてもらっても良いですか?』

男性はすごくビックリしていた。
恐る恐る聞いてくる。

『いつからの記憶が...?』

いつと聞かれると解らない。
とにかくスッポリ総てが無い。

『今解るのは自分の名前くらいで、他がスッポリ総て...』

男性は口をポカーンと開けたまま。
暫くフリーズしていた。
ふと我に返り駆け寄って来た。

『解らんか?父さんや!』


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧