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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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780部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその五


第六十三話 劉備、牧になるのことその五

「そして我々は」
「徐州に入るのだ」
「劉備殿は左将軍にもなる」
 呂布はこのことも話してきた。
「皆その配下ということになる」
「そうか、我々もか」
「徐州に入るのだ」
「皆で頑張る」
 呂布は今度は二人に告げた。
「そうするといい」
「そこのチビも精々頑張るのです」
 取っ組み合いは終わっていた。だがまだ張飛に言う陳宮だった。
「酒でも飲んで失敗するのです」
「鈴々はそんな失敗はしないのだ!」
 また言い返す張飛だった。
「そういう御前も失敗なんかするななのだ!」
「ねねは失敗なんかしないのです!」
 陳宮もまたムキになる。
「御前とは違うのです!」
「鈴々も御前なんかと違うのだ!」
「御前みたいに馬鹿ではないのです!」
「馬鹿に馬鹿と言われたくないのだ!」
 あくまで仲の悪い二人であった。そんな二人をよそにだ。
 劉備は晴れて徐州の牧になった。そしてだ。
 それと共にだ。他のことも呂布によって話された。
「そう、正式にね」
「何か頭にくるのじゃ」
 曹操と袁術がそれぞれ話す。
「美羽と孫策もね」
「二人がいい目を見るのは癪なのじゃ」
「それぞれ幽州と交州にね」
「牧になるとはなのじゃ」
「けれどそれはわかっていたでしょう?」
 曹操はここで袁術jに尋ねた。
「そのことは」
「確かにその通りなのじゃ」
 このことは袁術も認めた。ただし渋々である。
「では納得してやるのじゃ」
「どうしてもというのなら」
 呂布はここでその袁術に対して言った。
「益州の牧になるといい」
「それはいいのじゃ」
 だが、だった。袁術はその案は断るのだった。
 そのうえでだ。彼女はこんなことを言った。
「わらわは今の州だけで手が一杯なのじゃ。益州までとても手が回らないのじゃ」
「わかった。それなら」
「益州は他の誰かが治めるといいのじゃ」
 何はともあれそこまでは求めない袁術だった。そうしてだ。
 曹操と袁術はそれぞれが治める州に戻った。そして三姉妹もだ。
 あらためて慰安の旅芸人となった。その再出発の際だ。
 劉備達にだ。見送りを受けてだ。そこでだ。
「じゃあまたね」
「うん、またね」
 劉備と張角が笑顔で応える。
「また舞台観ていいわよね」
「是非観てね」
 こう話をするのであった。
「楽しみにしてるからね」
「うん、天和ちゃん」
 劉備はここで張角の真名を呼んだ。
「これからも頑張ってね」
「そうするわ。ところでね」
「ところで?」
「今私の真名呼んでくれたよね」
 満面の笑みでだ。劉備にこのことを話した。
「それじゃあね」
「天和ちゃんもね」
「劉備ちゃんの真名呼んでいい?」
 こう劉備に問うのだった。
「私もね」
「うん、いいわよ」
 劉備もだ。満面の笑顔で言葉を返した。
 
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