恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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779部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその四
第六十三話 劉備、牧になるのことその四
孔明と鳳統がだ。こう言ってきた。
「御受けするべきだと思います」
「ここは是非です」
これが軍師二人の言葉だった。
「このまま幽州で公孫賛さんのお世話になっている訳にもいきませんし」
「それに今この徐州は牧がいません」
「徐州の人達の為にもです」
「ここは御受けするべきです」
「徐州の人達の為にも」
そう言われるとだ。劉備もだ。
考える顔になってだ。こう述べたのであった。
「じゃあここは」
「そうだな。受けるべきだ」
「悪い話じゃないな」
趙雲と馬超も劉備に話した。
「桃香殿の為にもな」
「この徐州の人達の為でもあるしな」
「それじゃあ」
劉備は二人にも言われた。無論黄忠もだ。
「桃香さんが徐州の牧になられたら」
「私がなったら」
「御母上も喜ばれるわね」
「御母さんも」
母のことを言われるとだ。自然に明るい顔になる彼女だった。
そしてであった。関羽と張飛もであった。
「姉上、是非御受けするべきだ」
「御姉ちゃんが牧になるなんて夢みたいなのだ」
こうだ。姉を笑顔で迎えて話した。
「天下万民の為にな」
「是非なのだ」
「わかったわ。じゃあね」
「話は決まりね」
曹操は劉備が頷いたのを見て笑顔で述べた。
「とりあえず徐州は決まりね」
「そうですね。益州については」
「また考えましょう」
荀彧に応えてだった。そのうえでだった。
曹操は何進に劉備を徐州の牧にするように推挙した。そしてそれがすぐに受け入れられてだ。彼女は徐州の牧に任じられたのだった。
「おめでとう」
「よかったのです」
呂布と陳宮がだ。まだ徐州で乱の処理をしている劉備達に告げた。
「これからこの徐州の牧」
「頑張るのです」
「はい、わかりました」
劉備は笑顔で二人の言葉を受けた。
「私、頑張ります」
「それはいいのだが」
「けれどなのだ」
ここでだ。関羽と張飛が顔を顰めさせてだ。呂布と陳宮に尋ねた。
「何故呂布殿が使者なのだ?」
「それにそのチビも」
「ねねはチビではないのです!」
陳宮は張飛の今の言葉に怒って反論する。
「ねねにはちゃんと名前があるのです。このチビ!」
「何っ、鈴々をチビと言うのだ!」
「チビをチビと言って何が悪いのです!」
「御前に言われたくはないのだ!」
「それはこっちの台詞なのです!」
ムキになってだ。顔を見合わせて言い合う二人だった。関羽はその二人に呆れた顔になる。
だがとりあえずだ。呂布に対してまた問うのだった。
「何故使者としてここまで来たのだ」
「そのこと」
「そうだ。貴殿は董卓殿の配下ではないのか?何故朝廷の使者に」
「官位あるから」
それでだという呂布だった。
「だから。それで」
「朝廷の使者として来たのか」
「そういうこと。だからここに来た」
「ねねは御供なのです」
陳宮もここで言った。喧嘩は何時の間にか取っ組み合いになっている。
「そういうことなのです」
「そうだったのか」
「それで来たのだ」
関羽と張飛もこれで納得した。
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