恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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767部分:第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその四
第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその四
「あのおっさんの札な」
「誰がおっさんだ!」
すぐに華陀から声が来た。
「御兄さんと呼べ!」
「では幾つなのだ?」
張飛がその年齢を尋ねた。
「考えてみればそれが一切わからないのだ」
「うむ、百二十歳だ」
素直にその年齢を述べた華陀だった。
「独自の運動をしていてな。病気一つしたことない」
「待たんかい」
すぐにだ。李典が顔を顰めさせて突っ込みを入れた。
「あんた百二十歳やったんか」
「そうだが?まだまだ若いな」
「立派なお爺ちゃんやろが。何や百二十って!」
「だからだ。俺はお兄さんだ」
「全然ちゃうわ!仙人か!」
李典はここまで言った。
「何処まで若作りなんや!」
「そうなの、ちょっと有り得ないの」
于禁も顔を顰めさせて言う。
「華陀さんどうやったらそこまで若いままでいられるの」
「うむ、だからそれは独自の運動でな」
「それ是非教えて欲しいの」
何時の間にか話が変わってきていた。
「沙和もそれして。ずっと可愛いままでいたいの」
「うむ、それではだな」
「だからな。ああ、華陀兄さんな」
馬超はその華陀に気を使ってこう呼んだ。そのうえでだった。
「それで札がな」
「まずいな、思ったより長引いた」
馬超の話からだ。華陀も悟って言った。
「札の効き目が切れてきたか」
「じゃあもうすぐ」
「ああ、術が解ける」
こう黄忠にも話す。
「歌や演奏はできるがな」
「けれど術はなのね」
「そういうことだ。あの三姉妹にはあの書がある」
華陀は危惧する顔で話していく。
「術の効果は無尽蔵だ」
「何っ、それではだ」
「このままだと」
「そうだ、負ける」
華陀は関羽と楽進にも話した。
「三姉妹にな」
「撤退することも考えるか」
趙雲は真剣な顔になって述べた。
「それもな」
「残念やな。折角ここまできたのにな」
「けれどよ。術が切れたらよ」
馬超が眉を顰めさせる李典に話す。
「あたし達黄巾軍のど真ん中にいるからな」
「只では済まないわね」
黄忠もその流麗な眉を顰めさせている。
「それなら。安全なうちに」
「そうするしかないんやな」
「けれど残念なの」
于禁は心から残念そうであった。
「本当にもう少しだったのに」
「けれど仕方がないな。それならだな」
華陀も撤退に傾いた。そうした話をしているうちにだ。
遂に札の力が切れた。するとだ。
観客である黄巾軍の面々がだ。目が覚めた様な顔になった。
「んっ、何だ?」
「何か急にな」
「ああ。落ち着いてきたな」
「そうだよな」
こうそれぞれ話すのだった。そしてだ。
そんな彼等を見た張梁がだ。会心の笑みを浮かべて言った。
「どうやら向こうも術使ってたみたいね」
「そうね」
張宝も次姉の言葉に頷く。
「どうやらね」
「けれどそれが切れたみたいね。それならよ」
「それなら?」
「こっちの勝ちよ」
こう姉妹に言うのだった。その会心の笑みで。
「こっちの術は無尽蔵だからね」
「それなら姉さん」
「ええ、やるわよ!」
そしてだった。宝貝を使って叫んだ。
「皆、いい!?」
「おっ、地和ちゃん」
「何だ?」
「どうしたんだ?」
「あの連中やっつけて!」
こうだ。袁術達を指差して叫んだのだった。
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