恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
765部分:第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその二
第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその二
「私達捕まって」
「捕まって?」
「終わりよ」
こう長姉に話した。
「そうなったら」
「終わりっていうと」
張角は末妹の言葉を聞いてその視線を一旦上にやった。そうしてそのうえでだ。
右手を自分の首のところにやってだ。左から右に引いた。
「こういうこと?」
「だからそうよ!」
張梁がまた告げた。言葉が荒くなっている。
「姉さんそうなっていいの!?」
「そんな、御姉ちゃんまだ死にたくないよ」
やっと状況を理解した張角だった。
「もっともっと歌いたいし美味しいもの食べたいのに」
「そうよね。だったらよ」
「私達も対抗しないと」
「そ、そうね」
遂に意を決した顔になる張角だった。そしてそこにだ。
程遠志達が来てだった。三姉妹に話してきた。
「天和様、ここは」
「是非です」
「舞台を!」
「う、うん。そうだね」
張角が最初に応えた。
「それじゃあ今すぐに」
「いい、行くわよ」
「ええ。それじゃあ」
張梁と張宝も続いてだった。そうしてであった。
三人も舞台を出した。そのうえでだ。
歌いはじめる。それを聴いてだ。
黄巾軍はだ。そちらにも顔を向けてだ。歓声をあげた。
「ほっほーーーーーう!」
「天和ちゃーーーーーん!」
「地和ちゃーーーーーん!」
「人和ちゃーーーーーん!」
三人それぞれへの応援もある。その後ろではだ。
今では程遠志達が楽器を演奏している。彼女達はそれも担うようになっていたのだ。当然三姉妹の傍にいて護衛する意味もある。
その中でだ。張梁が言う。
「皆あたし達の歌を聴いて!」
「ほっほーーーーう!」
「聴くよ!」
「三人の歌!」
こうしてだった。流れは三姉妹の方に流れた。それを見てだ。
袁術がだ。あたふたとなりながら左右の二人に問うた。
「う、やっぱり凄いのじゃ。どうすればいいのじゃ?」
「いえ、ここはです」
「はい、一つしかありません」
張勲と郭嘉もいささか狼狽しながら袁術に答えた。
「私達も歌いましょう」
「このまま」
「それしかないのじゃ?」
「そうです、やはり」
「それしかありません」
これが二人の言葉だった。
「ですからここは」
「御気を確かに」
「わ、わかったのじゃ」
二人に言われてだ。袁術は何とか気を取り戻した。
そしてだ。二人にあらためて言った。
「それではじゃ。さらにじゃ」
「はい、歌いましょう」
「ここは」
「後ろも頼むぞ!」
草薙達にも声をかける。
ページ上へ戻る