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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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762部分:第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその十


第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその十

「よいな、聴くのじゃ!」
「ほっほーーーーーーう!」
「聴くぞ!」
「聴かせてもらうぞ!」
 そしてだった。彼等もこう応えてだった。その歌を聴くのだった。
 そして演奏もだ。見事だった。
「京、遅れるなよ」
「へっ、わかってるぜ!」
 ベースの八神にだ。ギターの草薙が応える。三人の左後ろに八神がいて右後ろに草薙がいる。そしてその後ろにナコルルとテリーがいる。
「御前とこうして組むのもな!」
「久し振りだな」
「こっちの腕も落ちていないんだな」
 草薙は八神の演奏を聴きながら述べた。
「安心したぜ」
「俺を誰だと思っている」
 八神はその草薙にこう返した。
「ベースもだ。誰にも負けはしない」
「ベースもかよ」
「少なくとも御前に遅れを取ることはない」
 音楽にしろその他のことにしてもだ。そうだというのである。
 そして演奏を続けながらだ。三人の横に来てだ。
 ベースをかき鳴らしてみせる。すると黄巾軍の面々は。
「すげえぞ、おい!」
「あの赤い髪の奴の演奏な!」
「演奏もできるのかよ!」
「すげえ奴がいるな!」
「おい、八神!」
 草薙は八神が歓声を浴びているのを見てだ。早速対抗心を燃やした。
 そしてだった。彼もなのだった。
「俺も行くぜ!」
「それで俺に勝てるのか」
「ああ、勝ってやるさ!」
 その負けん気を露わにしてだ。彼も前に出て演奏する。
 するとだ。それでまた黄巾軍の面々が歓声をあげる。
「あの黒髪もいいな!」
「センスあるぜ!」
「あんた楽器上手だな!」
「やってくれんじゃねえか!」
「おう、どんどん聴いてくれ!」
 草薙は誇らしげに彼等に応える。
「俺達の音楽をな!」
「むっ、待つのじゃ!」
 袁術は自分の横に来ている彼に顔を向けて言った。
「今はわらわ達の歌じゃぞ」
「わかってるさ」
「わかってるならわらわ達より目立つことは許さん!」
 こう我儘を言うのであった。
「どういうつもりじゃ!」
「いえいえ美羽様、それなら」
「はい、それならです」
 張勲と郭嘉がここでその袁術に話した。
「私達がもっといい歌を歌えばいいんですよ」
「そうすればいいですから」
「むっ、そういえばそうじゃな」
 袁術は二人のその言葉に納得できるものを見た。
 そしてだ。実際に納得した顔になってこう二人に述べた。
「それではじゃ。わらわ達もじゃ」
「歌いましょうね」
「心を定めて」
「御主達に言われると納得できるから不思議じゃ」
 とりわけだ。郭嘉を見ての言葉だった。
「凛とはのう。陣営の違いさえ構わぬ程じゃしな」
「そうですね。私もそれは」
 郭嘉はここでも顔を赤らめさせて話す。
「美羽様とは。まことに」
「うむ。七乃も大事じゃがな」
 彼女もだというのだ。
「御主とは。これからもな」
「はい、末永く」
「共にいようぞ」
 こんな話をしながらだ。三人も歌う。そしてテリーとナコルルもだった。
 ドラムとキーボードを演奏していく。彼等も乗っていた。
「いいねえ、こうした感じ」
「そうですね」
 ナコルルはにこりと笑っててリーに応える。
 
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