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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:南條 綾
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5部 Sweet Songs Forever
3章 コンサート
  決着

「・・・また面白いものが出てきたな。今回の仕事は同窓会だと思っていたのだが、同じぐらいサプライズも多い」

「あれをかわすなんて、びっくり博覧会、あなたが親玉?」

 その子は、そう言うと後ろに飛んだ。私は、そこで我に帰り、すぐにフィアッセの元に駆け寄る。

「さて、こういうのをおてんば娘っていうんだっけ。こんな所になにしに来たのかね。お遊戯なら、他でやって欲しいが」

「とらわれたお姫様を取り戻しに来たんだ。そしてヒーローは遅れてやってくるっていうしね」

 そう、アヤ・ナンジョウだった。

「ほう・・・。残念だが、それは無理だ」

「と、言うと?」

「私は奪ってなんかいない、彼女は私と結婚することになるからだよ」

「はい?フィアッセさん婚約者?」

とりあえず聞いてみた。フィアンセならまた話は変わってくるのか?

「あの、違うよっ!? その人が勝手に・・・」

「・・・納得した。つかさ、おっさんストーカー、義姉(おねえちゃん)はわたさないよ」

「・・・・・・ほう、君が・・・妹?」

「とにかく、エリスさん」

「分かってる。・・・さ、フィアッセ」

「うん・・・」

 そう言って、エリスさんがフィアッセさんの手を引いて後ろに下がる。僕は、それを庇いながら警戒を緩めない。
さて、どう来る? いきなり切り札切ってくるとか・・・
エリスさんが不覚を取っているっということは獲物を持っても一流って事みたいだし。

「・・・ククク、なるほど。そうか、そういうことか」

いや、お願いだからいきなり一人で納得して一人で笑わないで欲しい。キチガイは怖い。

「見ていて妙に距離感が近いとは感じていたが・・・納得した。君は彼女の身内かそれなら納得だ。
後顧の憂いを消すとしよう」

目の前のおじさんが消えた。そして、後ろに気配。つーか、殺気。
神速?

「死んでもらおう」

くっ速い
おじさんが刃を振るい、右から打ち込んで来てた。それを、しゃがんで避ける。
避けてすぐ、鉄甲で裏拳をお見舞いしようとしたらまた消えた

「驚いている暇はないぞ」

 おじさんは俺の右に居た。そこから上段で打ち込まれる。
それを、左に飛んで避ける。
それを見ておじさんはすぐ、左手の銃を向け、数発撃ってきた。
それをまた俺は左に飛び、避ける。
・・・すると、目の前におっさんが居た。
速い、いやこれは動きを読まれてる。
だから神速みたいに早く感じるんだ
おじさんはトンファーの柄を、拳を叩き込むようにして、俺に打ち込んできた。
タイミング的に回避不可能だからダガーで受け止める。
数メートル飛ばされちゃった。

「・・・ほう、アレを見切るか。良い目をしている」

 ダガーが粉々に砕けていた。
貰い物のダガーだから良いけれど
仕方ないから牽制にならないかもしれないが俺はそれを相手に向けて投げる

「だが・・・まだまだ甘い」

 当然、またおっさんは飛び込んでくる。・・・いや、消える。
俺の死角から、また打ち込んできた。
鉄甲で刃を受け止める。
すると、すかさず銃口を向ける。だから、僕は大きく左に飛ぶ。
おじさんはすかさずその銃口の先を飛んだ僕に向け直し、銃弾を放つ。
次の瞬間、感じたのは熱。
それが身体のあっちこっちを掠める感覚だった。
直撃はしてないけれど痛いことには限らない

きめてやる盗賊の奥義を不意の一撃ってやつを
俺は消えるような動きをして切り付けた。
だけど宙を斬っただけ。またおじさんは消えた。
おいおい、まさか・・・ターゲットロックしたら外すことのないこの攻撃を知覚してかわしたっていうのか?

「上だっ!!」

 そのエリスさんの言葉に、僕は後ろに飛ぶ。
すると、前を掠めた。銀に鈍く光る刃が。
おじさんは着地すると、一気に踏み込んで来て、刃を縦横無尽に振るう。
それを鉄甲で弾き、受け流す。
でも流れで攻撃が来た。
その刃の行く先は・・・俺の首。ちょうど、後ろから刈り取ろうとするように。
すぐにしゃがんで避けた瞬間。髪の毛をつかまれ、膝が飛んできた。
膝が身体にめり込み、痛みと吐き気が襲ってくる。
そのまま、地面に倒れた。
でも、すぐに転がり、おじさんから距離を取る。・・・
いた場所にまた銃弾が打ち込まれた。
やばぁあれ食らったら死んでいたかも

「・・・ふむ、なかなか丈夫なガールだ。アレで意識を奪えないとは」

「なら、仕方ない、なぶり殺しにするしかないようだ」

 そして、また始まった。身体はまだ動く。問題はない。
死角外からの攻撃を基本に、刃付きトンファーと銃で、連続的に仕掛ける。
それを、鉄甲で弾き、避け、対処していく。
遊ばれてる

「・・・驚いた。まさか、その傷でここまでやるとは」

「家族の力ってすごいんだよ。家族を護る為に火事場の馬鹿力が出るっていうでしょ」

「・・・・・・そうか」

男のヤンデレはやめてほしいぐらいだ

「ならやはり、君は殺すしかないようだ。そうしなくては、彼女はどれほど時間をかけても、私の物にならない」

「人をもの扱いしてる状態でおかしいよね、男ってなんで女の子をもの扱いするんだろう」

 もう呪文無しなんて言ってられない。
これ以上は修行とか言ってられる場合じゃない
とは言っても破壊呪文をするわけではないが
トンファーを鉄甲で受けた瞬間に力ある言葉を発する
分解(ディスインテグレイト)
戦闘中だからか、この物質が良質だからか4,5回の打ち合いの末にやっとの成功
ついでにガンのほうも成功させた。
刃付きトンファーと銃は粉々に砕け散った
これで獲物は封じた。
でも、おっさんは止まらなかった。
粉々になったとはいえ短くなったトンファーの刃を、俺に突き立ててくる。
ダガーでその軌道を逸らす。
刃は、俺の左の肩を斬り裂くが、急所じゃない。

 おじさんは懐から短剣をさして来たのでそれを急所を外して身体で受け止め
おじさんの腕を叩いて武器を手放し、その隙に右ローキック、左ハイッキックから真空とび膝蹴りの刀身 天駆(てんく)

「・・・がは」

 そうして、男が崩れ落ちた。崩れ落ちる時に、踵落としでフィニッシュ
そのまま、視線を外さずに後ろに・・・フィアッセさん達のところまで下がる。

「・・・フィアッセさん、エリスさん、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ。でも」
「君よりマシだ。あちこち傷だらけだぞ?」

 あ~結構おじさんがなぶってくれたせいだよね

「・・・まだだ」

 声が聞こえた。それは・・・おっさんのものだった。
おっさんは、横たわりながらも、僕達に視線を向けていた。

「・・・まだやる気?」

 結構本気でMAXでやったのに、大人モードじゃないからダメージが低いのかな
士郎さんが言っていたのはこういう事なのかもしれない
大人モードになれすぎると、目算も甘くなるって
確かにいつもならこれで終わっているはずなのに
身長約20CM分と体重数十キロ分の威力はごまかし効かないし、その分身体強化はかけているけれど
同じく大人モードでもかかっているから同じか

「彼女を・・・こちらへ渡してもらおうか」

ふらふらと、立ち上がりながらそんな事を言ってくる。

「?・・・もうこっちの勝ちだよね。貴方が何もしないでお縄に付いたら」

「それはこちらの台詞だ」

 そう言って、男が胸元に右手を伸ばして出してきたのは・・・何かのスイッチ。

「この会場にいくつか爆弾を仕掛けさせてもらった。まぁ・・・ステージは軽く吹っ飛ぶだろうな」

「・・・なるほど。フィアッセさんを渡せば、押さないと」

 フィアッセさんとエリスさんの表情が重くなる。そりゃそうだ、会場に来ている人達が人質に取られてるんだから。

「そういう事だ。君は話が早くて助かるよ。個人的には・・・殺したいが」

「そりゃ良かった。・・・つーわけで、困ったけれどこれが困らないんだよね」

「どういう意味だ」

「おじさん、フィアッセさんのお父さんも襲ったそうだね。それも全く同じやり口で。・・・バカでしょ。その時の関係者が多数居るのに」

 ここは交渉術で時間を作るためにはったりで間に合ってくれ

「・・・まさか」

「ご名答。いや、察しが早くて助かるよ。小学生でもわかるのに同じ手口なんて」

「さて、どうする?」

「どうする・・・だとっ!?」

「だって逃走用の車がないし、今のあなたは戦闘ができないとなれば無駄だとわかっていても押すか押さないかでしょ?
いわゆる究極の選択ってやつ」

 まじふつうここは戸惑うのがセオリ-じゃないの
おじさんは戸惑わずに押そうとした瞬間
俺は呪文を使おうと思った矢先の事だった。

「ぐはっ!!」

おじさんが悲鳴をあげる。理由は簡単、自分の右腕が突然へし折られたから。
・・・爆弾のスイッチを持っている方の腕が。
そして銃声が聞こえた
エリスさんがスイッチを撃ったからだ
そして突然、こちらへ吹き飛ばされるようにして・・・倒れた。

「・・・全く、無茶をするな」
「気のせいですよ。っていうかいま範囲外ですよね。何したんですか?」
「企業秘密だ」

なら仕方ない極限奥義か何かだろう言っても教えてくれないだろうなぁ
・・・こうして、犯人グループは制圧完了。
美由希さんの方も、相当な手練れとやり合ってはいたけど、酷いケガも無く無事だった。
けがが一番ひどかったのは私だったんだけど、美由希さんは女の命ともいえるもの無くしていた。

「えっと美由希さん?」

「お前、それどうしたんだ」

「そうだよっ! その・・・バッサリ・・・」

らんまであかねがいきなりロングからショートになったようにバッサリ
僕が片言だったり、恭也さんと俺が少し驚いたようにそう聞いたのには、理由がある。

「 イメチェンかな?」

イメチェンではあるけど、それは絶対に違うのは、僕でもわかるしなぜ疑問形。

「・・・犯人にやられたそうだな」

「そうですね」

この世界人間やめてる人が多すぎる。
美由希さんあいてにこれ出来るってどれだけなんだって、本当に
エリスさんの言葉に、美由希さんが少し落ち込むように答えた。
・・・無いのだ。美由希さんの腰まで伸びる長い髪を結った三つ編みが。
なんと言うか、ショートカットな美由希さんがなんとか会場に戻ってきた僕達の目の前に居た。

「・・・もったいないです」

「まぁね。ずっと伸ばしてたから・・・」

 美由希さんが、どこか寂しげに斬られた髪を触るのは、気のせいじゃない。
髪は女の命って言うしね。

「でもそれで護れたんだから大丈夫だよ」

 そう言いながら、誇らしげな美由希さんの笑顔を見てすごいと感じた。
・・・とにかく、これで憂いは無くなった。あとはコンサートだっ!!

「「「「「綾 (ちゃん)」」」」」

「綾、随分とケガしたわね」

 アリサが言ってきたので、でも無事にミッションコンプリートだよ。
なのはとフェイトの顔が少し怖い・・・なぜか恐怖の感じがする。
絶対にあのおじさんより怖いよ感がしかも俺個人のみ
そしてシャマルさんが来てくれて治療を受けつつ怒られていた。
何故呪文を早く使用しなかったのとか、いつものシールドはどうしたとかね
アリサが俺の姿を見て言い放った。

「綾が優しいのは知っているし、大変な人がいたら助けるのは知っているけれど、これはないでしょうが、
いくら力があっても心配するわ、一か月前すごい事あったらしいわね」

「あのアリサ、大丈夫だよ。この通りだから」

「・・・お兄ちゃん、お姉ちゃん、あとフィアッセさん。
なのはは今回の件で言いたい事が沢山あります。後でじっくりとお話しましょうね」

やばいなのはが私じゃなく自分の名前で一人称を使ってきた。威圧感がすごいです。

「「「お、お手柔らかに・・・」」」

「なのは、えっとなのはさんやめて欲しいかな。 みんな悪くないし」

「綾ちゃん・・・。あの、でもね」

「心配してくれるのは嬉しいけれど、悪いのはあのおじさんたちだし、それに護りたいと思ったんだ。
これはその勲章だよ」

 シャマルさんが俺の包帯を巻き終える。
今治療魔法使用するわけにもいかないからね

「シャマルさん、綾ちゃんどうですか?」

「すずかちゃん、そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫よ。傷こそ多いけど、どれも軽傷。すぐに完治するわ」

「よかった~。」

「じゃあ、私ちょっと着替えてくるね」

 そう言って、フィアッセさんが更衣室に入っていった。・・・もうすぐ、出番だし。
フィアッセさんの出番前にけりがついて良かったかも
生のコンサートとか初めてだからちょっとうれしいかも

「お待たせ」

「フィアッセさん?」

「そうだよ」

 思いっきりドレスアップしたフィアッセさんが出てきたから。全員が、その美しさに見とれる。
うん綺麗でやっぱりお姫様だね。

「綾ちゃん」

「はい」

「ありがとう。約束、守ってくれて」

「フィアッセさん」

「だから、今度は私の番。私の・・・私達の歌、聴いててね」

「はい」

 そうして、客席は大入り満員。そんな中で、フィアッセさんを筆頭に歌姫達の歌声が響く。
平和や幸せ、夢への願いがたくさん詰まった、そんな歌声が。
僕も恭也さんも美由希さんもエリスさんも、皆も、それに耳を傾けていた。
・・・こうして、一連の事件は全て終わりを告げた。

 そう言えばこの世界超能力があるんだし確かに防御呪文だけは使ってもよかったのかも 
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