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詩集「棘」

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歪んだ日々に搦め捕られて



檻を作るような蝉時雨
気儘に飛び行く赤蜻蛉
在りし日を思い出す木洩れ日に
胸の奥がチクリと痛む…

逃げる様に過ぎゆく時間
不安に掻き毟られる心
癒してくれる木陰は見当たらず…

歪んだ日々に搦め捕られて
君の姿が過去へと霞む
祈る影は雲に隠され
朽ちた未来が降り注ぐ…


罪を囁く様に吹く風は
道標さえ吹き飛ばす
梢から垣間見た空さえも
眩しすぎて僕には辛い…

手の届かない星々
浮かんでは消えゆく夢でさえ
ささやかに生きる明日へのよすがに…

歪んだ日々に搦め捕られて
君への想い今も変わらず
淀む世界に取り残されて
最期の時を待ち望み…


こんなにも穏やかな昼下り…
懐かしさも愛しい君も…遥か遠く…
ならばせめて…ただ静かに…
今と言う時を…止めて…

歪んだ日々に搦め捕られて
過ぎ去る夏を一人見つめる
心を支えるものもなく
孤独に影が忍び寄る…

歪んだ日々に搦め捕られて
君の姿が過去へと霞む
祈る影は雲に隠され
朽ちた未来が降り注ぐ…



 
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