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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1813話

「はぁあああっ!?」

 荒垣の声が、部屋の中に響く。
 ゆかりとの話を終えた俺は、その場で荒垣に電話を掛けた。
 幸い荒垣は巌戸台の商店街にいるという話だったので、今から話があると俺の部屋に呼び出したのだ。
 ……当然ながら、影の転移が可能な俺は、荒垣よりも早く部屋に戻る事が出来た。
 そうして一足先に戻ってから電気ストーブで部屋を暖めている時に、荒垣がやってきた。
 土産だと、ペットボトルの紅茶や軽くつまめるスナック菓子等を持ってきたので、テーブルの上にそれらを広げ、最初は簡単な世間話をしていた。
 にしても、不良をやっている荒垣はどうやって金を稼いでるんだろうな?
 俺の場合はこれまで稼いできた金がある。……暴力団やマフィア、テロリスト、政治家といった反社会的な存在から金を盗んだのが稼いだと言ってもいよければだが。
 ……何だか微妙に入ってはいけない存在が反社会的なグループに含まれていたような気がするが、それはきっと気のせいだろう。
 ともあれ、そんな俺とは裏腹に荒垣は特に働いている様子もない。
 かといって、親の金に頼っているようにも見えない。
 正直なところ、本当にどうやって金を稼いでいるのか気にならない訳がない。
 もっとも、それを聞いても本人が口を開くとは思わないが。
 それはともかくとして、やってきた荒垣と軽く話をしていたのだが……今回の本題、Be blue Vから指輪と腕輪を強引に買い取ってきた――向こうに無断で――と聞かされた時に荒垣の口から出たのが、今の叫びだった。

「おっ、おっ、お前……一体何をしてるんだよ!」
「安心しろ……って言うのもどうかと思うけど、十分な金額は置いてきた。金の延べ棒をな」

 金の延べ棒は、その世界によっても違うが、大体300万から500万くらいだ。
 この指輪や腕輪の値段を考えれば、Be blue Vには圧倒的な利益が出ているだろう。
 ……もっとも、当然の如くこの金の延べ棒を収入として公にするのは難しいだろうが。

「は? 金の延べ棒って……一体アルマーが何を考えてるのか、俺には分からなくなってきたぞ」

 溜息を吐く荒垣だったが、ぶっちゃけ空間倉庫の中にはまだ今まで色々な犯罪組織から奪ってきた金の延べ棒が結構な量あるし、それこそホワイトスターと行き来出来るようになれば、キブツで幾らでも作る事が可能だ。
 そんな俺と、不良ではあっても一般的な常識を持つ荒垣とでは金銭感覚が大きく違うんだろう。
 特に俺の場合はホワイトスターを通して異世界間貿易が行われている関係で、毎月のよう普通の人間ならちょっと引くくらいの金額がシャドウミラーに納められているのを見ていたからな。
 それに比べれば、金の延べ棒1本なんて……うん、体感的にはその辺に生えている雑草程度の価値しかない。
 このペルソナ世界では、ペルソナとか魔法とかマジックアイテムとかあるんだし、とにかく金の延べ棒を作り出す事も可能かもしれない。

「マジックアイテムは欲しいけど、普通に買って桐条グループにこっちの事を知られる訳にはいかない。そうである以上、多少の出費は仕方ないだろ。……正直、ちょっと多すぎたかもしれないとは思うが。まぁ、その場合は次に強引に買う時は今回の金の延べ棒から代金を引いて貰うさ」
「あのなぁ……いや、アルマーにこういう事を言うって時点で俺が間違ってるのかもしれないが。それで、何で俺を呼んだんだ? まさか、自分の悪事を自慢する為って訳じゃないだろ? 桐条グループの方に何かしろってんなら、無理だぞ」
「いや、違う。俺も荒垣に桐条グループをどうこうして貰おうなんて思ってないさ。今回お前を呼んだのは、入手した指輪と腕輪の性能についてだ」

 そう告げ、指輪を1つと腕輪を5つ、空間倉庫から取り出して、テーブルの上に置く。
 その中で、腕輪の1つを手に取り、テーブルの端の方に寄せる。

「この腕輪が使用者の防御力を高めてくれる代物だというのは、分かっている。また、ここには出してないけど、もう1つの指輪が魔力を上げるというのも分かっている。だが……それ以外。他の指輪と腕輪がどんな効果を持っているのか、全く分からないんだ」
「……で、俺に聞こうってか?」
「ああ、桐条達と一緒に行動していた時に、その辺りを聞いてなかったかと思ってな」

 そう告げると、荒垣は不機嫌そうにテーブルの上を見上げながら、口を開く。

「ああ、知っている。俺自身が同じようなのを桐条から借りていた時もあれば、そういうのがあるって話を聞いた事もあるしな」

 これ以上俺に何を言っても無意味だと思ったのだろう。
 やがて荒垣はテーブルの上の指輪に手を伸ばす。

「この指輪は、確か装備している者の生命力って言えばいいのか? それを上げる。こっちの腕輪は力、速度、魔力、運の順番に上がる能力だったと思う」

 荒垣の説明の中で、一番気になったのは運の上がる腕輪だ。魔力の方も気になるが、それより、やはり運だろう。
 そもそも、運ってのは何なんだろうな。
 力とか速度なら、分かりやすい。
 だが……運? 悪運と呼ぶべきものにはこれ以上ない程認められている身としては、非常に気になる。
 そもそも、力とかならある程度自分でもどのくらいの力なのか確認出来し、速度とかも足の速さとか瞬発力とかを計測すればすぐに理解出来る。
 だが……それが運となれば、どうやって確認すればいいのやら。

「それと注意事項として、どういう理由かは分からないが、1人につき1つしかこの装備は効果を発揮しない」
「つまり、生命力を上げる指輪を嵌めた後で、他の腕輪を嵌めても、意味はないって事か?」
「そうなるな」

 RPGとかでもよくありそうな話ではある。
 いわゆる、アクセサリー欄という事で、指輪、腕輪、お守り、髪飾り、ピアス……その他諸々、そういうのが一緒くたにされてるんだよな。
 ここが何らかの原作の世界である以上、その類の制限はあってもおかしくないし、寧ろ当然と言ってもいいだろう。

「となると……なら、俺は運だな」

 そう告げ、運を上げると言われた腕輪を手に取る。
 そんな俺の姿を、荒垣は少し意外そうな表情で見ていた。

「まさか、運だとはな。アルマーの事だから、てっきりもっと即物的な能力が上がる奴を身につけると思ってたんだが」
「残念だが……というのかどうかは分からないが、俺の能力は素の状態で強力だしな」
「……普通なら強がりを言ってんじゃねえって言うんだろうが、アルマーの場合、それで本気だからな」
「まぁな。冗談でも何でもなく、金属を素手で引きちぎれる程度の握力とかはあるし」
「そんな奴には、力が上がる腕輪とかは必要ねえか」
「そうなるな。いや、勿論全くの無意味って訳でもないだろうが」

 ゆかりに渡した魔力が上がる指輪のように、能力値の1割が上がるといった効果を持つのであれば、腕力の上がる腕輪を装備してもいい。
 だが、あの防御力が上がる腕輪を装備したところ、上がるのは10だけでしかなかった。
 勿論普通の人間で能力値が10上がるのであれば、かなり効果は高いのだろう。
 だが、混沌精霊として……いや、ステータスで散々身体能力が上がっている俺にとって、能力値が10上がる程度では問題にならない。
 それこそ、現在PPがかなり余ってるんだから、それを各種能力値に使えばいいだけだろう。
 まぁ、俺のステータスに対応していない能力の腕輪なら、嵌めてみてもいいのかもしれないが……そういう意味では、やはりこの運が上がる腕輪というのは、俺に合っているのは間違いないだろう。

「ま、アルマーがそれでいいってのなら、好きにすればいいさ」
「そうさせて貰うよ」

 荒垣の言葉に頷きを返し、俺は右手に運が上がる腕輪を嵌める。
 ……この装備を確認した時もそうだったが、やはりというか、当然のようにこの腕を嵌めて何か影響があるようには思えない。
 防御力が上がる腕輪の効果を見る限り、この腕輪で間違いなく俺の運は10上がってる筈なんだが。

「ま、そのうち何かで効果を実感する事もあるだろ。……そうなると、荒垣はどの腕輪を使う?」
「は? 俺もか?」
「当然だろ。そもそも、このアクセサリーを集めたのはタルタロスの攻略をスムーズに進める為なんだからな」
「……だから、俺は別にお前達と一緒にタルタロスに行くつもりはないんだよ」

 そう言う荒垣だったが、その面倒見の良さから結局のところ俺とゆかりがタルタロスに向かうとなれば、文句を言いながらも付き合うんだよな。
 オカン属性、もしくはツンデレ。
 そのうち、『べ、別にあんたの為にタルタロスに来たんじゃないんだからねっ!』とか言いそうな……いや、ないな。
 一瞬、荒垣がツンデレしている光景が脳裏を過ぎるも、すぐにそれを掻き消す。
 実際、そんな真似をされたら、シャドウよりも荒垣の攻撃で俺達がダメージを……精神的なダメージを受けるだろう。

「もしタルタロスに行かなくても、お前も影時間に適応してるんだから、いつシャドウに襲われるか分からないだろ。理由は分からないが、ペルソナを使うつもりもないようだし」
「それは……」

 召喚器を持っていた以上、荒垣がペルソナを使えないという事はない……と思う。
 だが、その召喚器をゆかりに譲ったという事は、やはり荒垣はペルソナを召喚する気はないのだろう。
 そうである以上、もしタルタロスの外でシャドウと遭遇した場合の事を考えれば、この手のアクセサリーは装備して置いた方がいい筈だ。
 ……無料なんだし。
 それとも、実はペルソナなしでもシャドウをどうにか出来る手段があるのか?
 いや、それを言うなら、ゆかりの弓だって別にショートボウじゃないのに普通にシャドウにダメージを与えられているな。
 だが、多少喧嘩慣れしているからといって、シャドウを相手に生身で戦うというのは……まぁ、自信はあるんだろうけど。

「とにかく、貰っておけ。荒垣にはこれまで色々と情報を貰ったしな。それにゆかりも召喚器を貰っている。この程度の事で恩返しが出来るのなら、寧ろ安いものだ」
「……ふん」

 不機嫌そうに鼻を鳴らした荒垣が手を伸ばしたのは、力を上げる腕輪だった。
 元々体格がよく、不良の間でも有名らしい荒垣だ。
 その荒垣の腕力が上がったとなると……シャドウと遭遇しても、防御や回避、逃げに徹するのではなく、戦う事を選んだのだろう。
 勿論、腕力が高ければその辺にある何か適当なのを盾代わりにするとかも出来るだろうが。
 ともあれ、荒垣は腕輪を嵌めた訳だ。
 こういう言い方であれば、荒垣もこっちの言葉を大人しく受け入れるのか。
 いい勉強になった。

「それで、この残りはどうするんだ? 店に返してくるのか?」
「いや、これは俺が買った奴だしな。それに、色々と興味深い」

 上昇する数値は低いが、それでもこの指輪や腕輪を身につけただけで能力が上がるのだ。
 そう考えれば、この指輪や腕輪はかなり興味深い代物だと言ってもいいだろう。
 少なくても、技術班ならこれに強い興味を持つ筈だ。
 ……出来れば、IWSPパックの如く、全ての効果を1つの指輪か腕輪に集める事が出来ればいいんだが。
 更にそれを量産する事が出来、量産型Wにまで装備させることが出来れば……
 うん? これって誰が装備しても効果はあるのか?
 例えば、量産型Wは人造人間といった扱いだが、一応それでも生き物ではある。
 その量産型Wが装備すればどうなるのか……
 または、完全に人間ではないAIのメギロートやイルメヤ、バッタといった機体がこの指輪や腕輪を装備すればどうなるのか。
 色々と試してみたい気はするな。
 あ、でも量産型Wは人型だからともかく、メギロートとかは装備出来るのか?
 ……どこかにう引っかけておけば装備したと見なされるならいいんだが。
 ともあれ、夢は広がる。
 いっそ、シャドウミラーのメンバーなら誰でも持っている、時の指輪の受信機にその能力を付与出来れば、色々と面白いんだが。
 エヴァ辺りがかなり興味を持ちそうなアクセサリーの数々を見ながら、そう考える。
 そんな俺の様子を見て何かを感じたのか、荒垣はそれ以上何も言わず、テーブルの上にあったリモコンでTVのスイッチを付ける。

『はい、ここの旅館は地元でも高級旅館として名高い旅館なんですよ』
『あ、僕知ってますよ。ここって天城屋旅館って言うんですよね? 地元どころか、全国的に有名な旅館です』
『そうですね。料理も美味しいですし、立地条件ものんびりするには丁度いい感じです。……何もないがある、という表現をした人がいましたが、まさにその通りですね』

 この時間だからか、何故か旅館特集がやっていた。
 恐らく再放送か何かだろう。
 そう思いながら、俺はTVを横目で見つつ指輪と腕輪を空間倉庫に収納するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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