俺のペットはアホガール
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その五「苺姫暗殺事件簿」
ひる~やすみ~
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
お昼の授業が終わった。今は12時。お昼の時間だ。
僕の名前は緑屋 詩緒。クラスメイトのちよ子からは髪の色からアスパラガスみたいと言われています。
「しおー、一緒にお昼食べな~い?」
「ぁ……イラン」
お弁当箱片手に話しかけてくれた金髪ギャルの子はクラスメイトの小野 イラン。
人見知りしてしまう僕とは正反対のタイプ。でもちよ子が橋渡し(…になるのかなあれは?)てくれて今では仲のいい友達だ。
「…ぁ……あぁいいよ、食べようか。その……終殿……ち、ちよ子達も誘ってさ」
「イイネー、じゃあアタシ誘ってくるわー」
「うん…よろしく…」
イランとはもう仲のいい友達だと紹介したけど、でもやはり緊張してしまう。
ギャルという僕とは正反対のキャラの女の子。僕には出来ないことを軽々とこなすイランを見ていると、憧れの気持ちを抱きつつも何処か恐怖を感じるところがある。
「な…なん……じゃ…こりゃあああぁぁぁぁぁ!!!」
のんびりとイランとの関係について考えていると教室の後ろの方から、誰かの悲鳴に似た叫び声がした。
後ろを振り返ってみると、ちよ子が昔あった刑事物のドラマでジーパン刑事が殉職したシーンみたい
「な…なん…じゃ…こりゃあああぁぁぁぁぁ!!
な…なん……じゃ…こりゃあああぁぁぁぁぁ!!!
な…なん……じゃ…こりゃあああぁぁぁぁぁ!!!
な……なんじゃ…こりゃ「しつけーよアホ」ゴブフゥ」
……なことをやっていたけど、彼女の自称飼い主 終殿によって鎮められた。
女の子の顔を蹴るだなんて終殿も酷いことをするなと初めてあった頃は思っていたけど
「ウへへへ」
あのちよ子の嬉しそうな顔を見ていると、あれが二人の丁度いい関係なんだなぁ…と思うようになった。
*そんでそんで~*
「…で、どうしたアホ?」
ちよ子の席にみんなで集まってみんなでお昼。
終殿は自分で作ったお弁当…すごく美味しそうだ、イランのはお母さんの手作り弁当。
僕は購買で買ったパン、ちよ子も家からパンを持ってきたと言っていたけど……
「うえっぐ……うっぐ」
何故かさっきからずっと泣いている…。
「どうしたんだい? ち……ちよ子」
「しおちゃーん」
「あ…ごめん…それ以上近づかないで」
…鼻水が服に付くから。
「ワタチの…ワタチの…」
「お前の?」
「苺姫がぁぁぁぁ!!」
「「は? 苺姫?」」
って誰? と僕と終殿は首を傾げる。
「苺姫がどうしたんだし! アホ子!」
わかるの!? イラン!?
「見てよ~イラちゃ~ん、しおちゃ~ん、あっくん」
と言い名がちよ子は鞄の中を僕達に見せる。
「「わぁ~~~~……」」
鞄の中は赤いベットベトな液体まみれになっている。赤い液体からは甘いいい匂いがする…これはもしかして…
「イチゴジャムかい?」
「そうなの! 今日は苺姫をパン伯爵に塗って食べようと思ってたのにー!!」
苺姫=イチゴジャム…。
パン伯爵=食パン…。
「そ、そうなのかそれは災難だ…「これは事件だし!」え?」
「苺姫暗殺事件だしー! マジヤバー!」
イチゴジャム…の暗殺事件…??
イチゴジャムの入った袋が鞄の中で潰れて、中身が飛び散り中身がイチゴジャムだらけになっただけじゃなくて…?
「そうなんだよ、イラちゃん! ワタチが少し授業で目を話している隙に、苺姫がこんな!
真っ赤なベトベトの液体に!!」
いや……イチゴジャムなんだから最初からベトベトの液体だよ、ちよ子。
「なんて恐ろしい犯人だし…苺姫だけでなく、マーマレード大臣もヤるなんてー」
マーマレードは大臣なんだ…。
「……でも入っていた教科書が全部ジャムまみれなった……のは災難だった…ね」
「え? そうでもないよ?」
「え?」
「そうだしー、しおなに言ってんのー? マジウケるんですけどー」
いやいやいやっ!! 教科書全部ジャムまみれなんだよ!
「…勉強……出来なくないかい?」
「「………へ?」」
どうして二人とも鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるの!?
「…………」
ちらりと隣に座っている終殿を見てみると、無の表情で黙々とお弁当を食べ続けている。
……コレ(ツッコミ)は本来君の仕事では!?
「おっしゃぁぁぁ!! 犯人捜しすっぞ!!」
「おぉー! アタシらの苺姫をこんなんにするなんて絶対に許せないし! ねっしお!」
「え! あ……あぁ…ソウダネ……」
「「イケイケ! ゴーゴー!!」」
と言いながら教室を飛び出して行くアホの二人…
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
そしてお昼休みが終わったことを告げるチャイム。
「…………ぁー」
ポンッと誰かに肩を叩かれる。
「……な、あいつらと一緒にいると大変だろ?」
「………うん……そうだね……でも…」
コレ(ツッコミ)本来は君の仕事だよね……?(二回目)
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