転生とらぶる
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ペルソナ3
1810話
色々と、使えるか使えないか微妙な……どう判断したらいいのか分からないアクセサリーを手に入れた翌日……いや、店に忍び込んだのは日付が変わってからだったのを思えば、翌日じゃなくてその日なのか。
どうしても、眠る前を前日と考えてしまう癖があるな。
ともあれ、翌日。
俺の姿はBe blue Vから少し離れた場所にあった。
正確には、離れた場所にあるビルの屋上……というのが正しいだろう。
そこからスライムを伸ばし、Be blue Vの店内の様子を窺っていたのだ。
『店長、どうしたんですか?』
『いや、何でもない。……もう一度聞くけど、本当に昨日はしっかりと戸締まりをしていったんだな?』
『それは、店長も見ていたでしょう? 帰る時に一緒だったんですから』
『いや、それは分かってるんだが……』
『店長?』
『……ああ、もう仕事に戻ってくれ』
どうやら丁度タイミングが良かったらしい。
スライムからは、店長と従業員の会話が聞こえてくる。
恐らくだが、店長はマジックアイテムに関しては店員に知らせていないのだろう。
勿論、マジックアイテムの希少さを考えれば、それも当然かもしれないが。
秘密は、知るものが少なければ少ない程に広がるのを避ける事が出来るのだから。
そう考えれば、店員は何も知らない者を雇うというのはおかしな話ではない。
もっとも、その分マジックアイテムの管理は店長が自分でやらなければならなくなるが。
『くそっ、誰だ一体。それにあの金の延べ棒……あれだけで、幾らすると思ってるんだよ。盗んでいった指輪や腕輪の値段としても多すぎる』
扉の閉まる音がするとと共に、店長の不服そうなぼやき声が聞こえてきた。
……あの金の延べ棒だと金額的に高すぎたらしい。
値段が具体的にどのくらいするのか分からないってのは、ちょっと痛いよな。
勿論、こっちとしては元々あの金の延べ棒は自分で買った物じゃなくて、奪った奴だから、実際に懐が痛むという事はないんだし。
そもそもの話、シャドウミラーにとってどこか特定の世界にしかない物質の類以外は、普通にキブツで作る事が出来る。
それこそ、金や銀といったものは容易に入手出来るのだ。
シャドウミラーと敵対した世界は、それこそ金を大量に市場に流されて、金相場が暴落するという結果になる可能性とかもあるかもな。
金というのは、大抵の世界にとって基準となる価値を持つ物質なのだから。
それを100kg、200kg……程度であればまだしも、10t、20t……100tといった具合に次々に流されれば、どうなるのかは容易に想像出来る。
勿論そんな事をすれば、市場は大混乱となってしまう。
その世界を攻める時にはいいのかもしれないが、占領してしまった場合は逆にその混乱を収めるのに苦労する。
その辺りの面倒さを考えれば、そこまでしてそんな真似をする必要はないだろうと判断するのは当然だろう。
そもそも、シャドウミラーの人材はシャドウミラーを運営するだけの人数しかいない。
いや、今は多少余裕が出てきているが、それでも世界1つを……ともなれば、かなり厳しくなるだろう。
……魔法球があるから、絶対に無理だとは言わないが。
そもそも、その辺りの事情があるから、基本的にシャドウミラーは他の世界を直接占領したりといった真似はせず、こちらに友好的な勢力にその世界を治めて貰うという間接支配的な政策をとっているのだ。
『しょうがない。この件は桐条グループに報告しなければ駄目だろうな。……色々と特殊な技術を持っているんだから、犯人を捕らえる……のは難しいかもしれないが、せめて同じように盗まれたりしなければいいんだが』
店長の不満そうな声を聞きつつ、なるほどと思う。
桐条グループには影時間関連の技術があるのだから、それが使われているのは別にマジックアイテムとかその辺だけではない……といったところか。
いや、そういう方法とか技術があるのかどうかは、まだはっきりとはしていないが。
これまでの様子を見る限り、店長はマジックアイテムの類を売ってはいるようだが、実際に影時間とかそういうのに詳しいのかと言われれば、答えは否だ。
だとすれば、あの店長がそういうのがあるだけと思い込んでいる可能性は十分にある。
ともあれ、暫くの間は特に気にする必要もないだろうと判断し、スライムを収納する。
……出来れば、もっと色々と強力な効果のあるマジックアイテムがあって欲しかったんだが、それは期待しすぎか?
「さて、これからどうするか。……何もやるべき事がないってのは、ちょっと面倒だな」
タルタロスにも、ゆかりの体調の問題でもう数日いけないし……どうせなら、マジックアイテムの中に体調を整えてくれるような奴もあればいいのにな。
いや、あるのかもしれないが、まだ入手出来ていないだけか?
普通に考えれば、そういうマジックアイテムは当然のように希少な物だろう。
それこそ、タルタロスの低い階層で入手出来ないような。
もっとも、本当に体調がどうしようもないというのであれば、ネギま世界で入手した魔法薬があるんだが……今回の件は、別にゆかりが病気になったとか、そういうのじゃない。
1ヶ月に1度、自然の摂理として体調を崩したのだ。
勿論、毎晩のようにタルタロスの探索を続けているというのが関係している可能性もあるが……そんな訳で、ここで魔法薬を使って回復させるよりも自然に体調が回復するのを待った方がいい。
もっとも、タルタロスの攻略に向かわなくてもペルソナについて訓練をしてもいいと思うんだが……その辺りは、どうなんだろうな。
ああ、それと昨日入手した指輪と腕輪を渡す必要もある。
特に魔力を増やす指輪は、イオを使うゆかりにとってかなり重要だろうし。
増えた魔力が、具体的にはどれくらいなのか。
それこそ、イオ1発分くらいはあるのかどうかは、分からないが。
もっとも、分からないからこそ試して貰う必要もあるんだろうけど。
そんな訳で、今日の午後からの行動は決まり……ただ、今がまだ昼前ならそれまでは暇だという事に気が付く。
そんな俺の脳裏を過ぎったのは、長鳴神社の境内で会った犬だ。
うん、まだあの犬があそこにいるのかどうかは分からないが、それでも犬がいるのなら暇潰しには丁度いい。
そうと決まれば、犬に対して何か食べ物でも買っていくか。
昨日犬にやったのは、俺が普通に食う奴だった。
けど、犬に人間の食べ物をやるのは塩分が多いから駄目だって話を聞いた覚えがある。
ここは素直にドッグフードのように、犬用の食べ物を買っていった方がいいだろう。
幸いと言うべきか、最近はスーパーでもその手の食べ物は売っている。
そう判断し、昨日ゆかりのお見舞いの品を買ったスーパーに向かう。
そこで何となくイチゴが食いたくなってイチゴのパックを買い、他にも幾つかのパンやおにぎり、弁当を適当に買う。
そして最大の目的のドッグフード売り場。
……へぇ。こういうには詳しくなかったが、何気に色々とあるんだな。
げ、この缶詰はシーチキンとかそういうのが入ってるような大きさなのに、1缶で598円もするのか。
一体どんな材料で作られている高級ドッグフードなのやら。
ともあれ、金に困っている訳でもない俺は、その高級缶詰を含めて適当に何種類か買っていく。
ちなみに弁当の類は、まだ11時くらいだったせいかあまり並んでいなかった。
もう30分くらいすれば、弁当とかも増えるんだろうが。
会計を終えると、そのままスーパーから少し離れた場所にある建物の陰に移動して影に沈んでいく。
影を潜って次に姿を現したのは、予定通り神社の境内だった。
犬は……と人の気配のしない周囲を見回してみるが、その姿はない。
まぁ、考えてみればあの犬は首輪をしていた。
恐らく放し飼いにされている犬だったんだろうし、昨日は偶然この境内にいただけという可能性も十分にあった
……さて、だとすればどうするべきか。
少し迷いながら、周囲を見回す。
もう2月も終わり……関東地方なら、そろそろ暖かくなってきてもいいような気がする。
けど、この境内の中はまだ冬と呼ぶに相応しい光景だった。
本当に春になるんだよな? 影時間の影響で、実は春は来ません。……なんて事にならないといいんだが。
そんな風に考えつつ、先程のスーパーで買ったおにぎりを口に運ぶ。
タラコ。……それも、生のタラコのおにぎりだ。
普通おにぎりの具でタラコと言えば、焼きタラコが普通だろう。
だが、俺は焼きタラコより、生のタラコの方が好きだった。
「……現金だな」
「ワウ?」
俺が半分程おにぎりを食べていると、まるでそのタイミングを待っていたかのように昨日の犬が姿を現す。
こうして自由に動き回っているのを考えると、やっぱり飼い犬って訳じゃないのか?
もしくは、飼われていた家を逃げ出したという可能性もあるか。
「お前、誰かに飼われてるのか?」
「ワン!」
何だか俺の言葉を理解出来るかのように吠える犬だったが、そもそも俺が犬の言葉を理解出来ない以上、どうしようもない。
「まぁ、いい。……ほら、折角お前の為に買ってきたんだから、食えよ」
そう告げ、最初に犬の前に出したのは1缶150円くらいのドッグフード。
あの一番高価な奴を最初に出そうかと思ったんだが、最初に美味いのを食うと、それ以降のドッグフードが味気なく感じると判断した為だ。
勿論、高級品=美味って訳じゃない。
いや、このドッグフードはそこまで高級品って訳じゃないんだし、値段と味が比例しているのか?
高級なドッグフードの中には、人間が食べても美味いって話をTVか何かで見た記憶があるし。
まぁ、原材料は肉とか魚なんだし、別に人間が食べて食べられないものではないと思うんだけどな
「ワウ! ワンワン!」
その缶詰のドッグフードが気に入ったのか、犬はガツガツといった感じでドッグフードを食べる。
俺の中でドッグフードといえば、もっとこう……コーンフレーク? いや、違うな。小さくて丸い固形状の物をイメージするんだが……
まぁ、缶詰の方が生っぽくて、犬にとっても嬉しいんだろうけど。
ドッグフードを食べている犬の頭をそっと撫でる。
もしこの犬が俺の予想通り飼い主の元から逃げ出したか何かして、野良犬になっているのなら、飯を食うのにも困ってるだろう。
目が赤いという事もあって、この犬にはやっぱりどこか親近感があるんだよな。
それだけに、この犬が腹を減らしていると考えると、思うところがある。
出来れば俺が飼ってやりたいところだが……俺が住んでいるのは、あの狭いアパートだ。
とてもではないが、犬を飼うようなスペースはない。
それにこうしていると、何となくこの犬はこの神社を好んでいるようにも感じられた。
勿論犬の気持ちが分からない以上、多分そうだと思う……といった感じなのだが。
「ワン!」
渡した缶詰を全部食い終わったのか、犬が俺の方を見て吠える。
もっと頂戴。そんな風に言ってるように思え、俺は再び空間倉庫の中から缶詰を取り出す。
今度取り出したのは、198円の代物。
……さっきの缶詰よりも若干高いが、それでもそこまで味の違いはないだろう。
そう思いながら、犬に缶詰を渡したんだが……
「ワフゥ……」
一口、二口と食べると、食べる勢いが明らかに衰える。
これは……もしかして、不味いのか?
いや、正確には不味いのではなく、この犬の舌に合わないというのが正しいのかもしれない。
腹が一杯になったのかも? と思いつつ、念のために238円の缶詰を取り出して前に置くと、再びガツガツと食べ始めたのだから。
うん、やっぱり舌に合わなかったみたいだ。
……にしても、この食い残しをどうしろと?
この犬の為に飼ってきたんだが……まぁ、いい。いずれ使う事もあるかもしれないし、袋に入れて空間倉庫に収納しておくか。
空間倉庫の中に入れておけば、腐るという事はない。
そうである以上、邪魔になるということはないだろう。
そうして缶詰を食べ終わった犬に、次に……スーパーで売っていた中では最も高級品だった598円の缶詰を出す。
「ワフワフワフワフ!」
もの凄く嬉しそうに食べている様子を見れば、やはり高いだけあって犬には美味く感じられるのだろう。
うん、まぁ、喜んで貰えたようにで何よりだ。
「お前、いつもはどうやって食べ物を用意してるんだ?」
缶詰に集中している犬の頭を撫でながら尋ねる。
……もしかして、舞子が用意してるのか?
昨日この神社で遭遇した小学生は、この犬に慣れているように思えた。
なら、もしかしたら……
そんな風に思いながら、俺は犬と共に暫く時間を潰すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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