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レーヴァティン

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第十八話 素材その六

「いいな」
「これ位あればな」
「村全部で食えるな」
「食いきれない分は干し肉か塩漬けにするか」
「燻製もいいな」
「悪いな、本当に」 
 村人の一人が車で運んで来た久志に笑顔で言ってきた。
「これだけ持って来てくれるか、じゃあな」
「今から調理するな」
「あんたはちょっと待っていてくれ」
「酒も出すからな」
「料理が出来るまで待っていてくれ」
「少し時間がかかるからな」
「そうさせてもらうな、あと食えない部分あるのか?」
 久志は村人達にこうしたことも聞いた。
「ウォーターリーパーで」
「いや、毒もないしな」
「皮だって食えるぜ」
「それに内臓だって食えるしな」
「食えないのは骨位だな」
「ああ、内臓食えるんだな」
 そう聞いてだ、久志は笑顔になって応えた。
「それはいいな」
「肝臓とか心臓美味いからな」
「そっちも楽しんでくれよ」
「焼いても煮ても美味いしな」
「栄養もあるしな」
「そうそう、レバーだからな」
 肝臓について久志はこうも言った。
「身体にもいいんだよな」
「精つくぜ、精」
「冒険にもいいぜ」
「だからそっちも食ってくれよ」
「あと胃とか腸も美味いぜ」
「全部食ってくれよ」
「骨はスープに使うからな」
 所謂ダシにというのだ。
「待っていてくれよ」
「どんどん作るからな」
「あんたが言ったオリーブで焼いたのも出すぜ」
「塩や胡椒を効かせてな」
「胡椒があるとな」
 それだけでとだ、久志はこうも言った。
「それで違うからな」
「そうさ、肉を食うなら胡椒だよ」
「今はうちみたいな村でも普通にあるからな」
「存分に使って食うからな」
「あんたも楽しんでくれよ」
「じゃあな、しかしな」
 こうも言った久志だった。
「さっきの話聞くと昔はこの村胡椒なかったんだな」
「昔だよ、昔」
「それこそ大昔だよ」
「もう今はあるさ」
「だから安心しなよ」
 村人達も久志に言う。
「ちゃんと胡椒使うさ」
「あと酒はワインとビールだ」
「好きな方飲んでくれよ」
「シードルもあるしな」
 林檎で造った酒だ、欧州ではわりかし一般的であるがこの島でもだ。
「どの酒も楽しんでくれよ」
「あんたがやっつけて持って来てくれた肉だしな」
「酒はサービスだ」
「どんどん飲んでくれ」
「そうさせてもらうな」
 酒についてうはだ、久志は笑って返した。
「俺酒好きだしな、どの酒もな」
「よし、じゃあ丁度いい」
「どんどん飲めよ」
「ワインもビールもな」
「シードルもな」
「そうさせてもらうな」 
 久志は笑顔で応えてだ、実際にウォーターリーパー料理と酒を楽しんだ。そうしたうえでだ。
 源三の家に戻って鰻と蝮を差し出した、そしてウォーターリーパーのことを話すとここでだ。
 源三は気付いた顔でだ、こう彼に言った。
「そうそう、その魔物もね」
「ウォーターリーパーもか」
「今回の薬には使わないけれど」
 それでもというのだ。
「精力剤の一つだよ」
「そういえば食った後やけに調子がいいぜ」
 今現在もだとだ、久志はツヤツヤとした顔で応えた。 
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