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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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670部分:第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその九


第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその九

「漢王朝の皇帝の家にゃ」
「流石にそれは知っていたか」
「勿論にゃ。美以は皇帝から南蛮王に封じられているにゃ」
 こう関羽に対しても述べる。
「だから勿論知ってるにゃ」
「ふむ。そういえば南蛮は」
 関羽は孟獲の話を聞きながら静かに述べた。
「漢に攻め込んだことはなかったな」
「南蛮は楽しく過ごせればそれでいいにゃ」
 これが孟獲の考えであった。
「他の国に攻め込んだりとかは特にしないにゃ」
「そうだよ。だって南蛮は食べ物が一杯あるし」
「楽しい遊びも一杯あるし」
「ここで平和に暮らしているから」
 トラ達もここで話す。
「無意味な喧嘩なんてしないよ」
「この国で生きていければいいから」
「だから戦争なんてしなくてもね」
「特に好戦的な人達じゃないですね」
「そうですね」
 孔明と鳳統もそのことに気付いた。
「悪意やそういったものもありませんし」
「お話すれば楽しい人達ですし」
「それじゃあお話は」
「簡単に進むでしょうか?」
「そうであればよいな」
 厳顔もこのことを願っていた。
「さて、それではどうなるかのう」
「それでなのですけれど」
 劉備はまた孟獲について話した。
「南蛮に来れば剣はなおると聞いたのですけれど」
「確かにその通りにゃ」
 孟獲はここでまた話した。
「この南蛮では何でもなおすことができる方法があるにゃ」
「そうなんですか!?それじゃあ本当に」
「このパヤパヤのヘソのゴマをにゃ」
 孟獲は自分の頭の上に寝ているその象を指差して言う。その手も指もどう見てもだ。ネコ科の、虎のものに他ならなかった。その指で、であった。
「南蛮の王宮の傍にある水と混ぜてそうしてその水をかけるとにゃ」
「それでなんですか」
「そうにゃ。どんなものもたちどころになおるにゃ」
 こう劉備に話すのだった。
「それこそ何でもにゃ」
「それじゃあ本当に」
「その通りにゃ。美以は嘘を吐かないにゃ」
 胸を張っての言葉だった。
「それでなのじゃ」
「それじゃあ申し訳ありませんがすぐに」
「けれど駄目にゃ」
 しかしであった。孟獲は強い顔でそれは断るのだった。
「それはどうしてもにゃ」
「どうしてですか、それは」
「パヤパヤ。南蛮象はにゃ」
 その象のことである。
「この南蛮の宝にゃ。決して外に出すことはできないにゃ」
「だからなんですか?」
「そのゴマを水に入れてかけると何でもなおすことができるにゃ。つまりそれはにゃ」 
 どういうことなのかと。孟獲は急に真面目になって劉備達に話していく。
「どんなとんでもないものでもなおすことができるということにゃ」
「そうね。劉備さんの剣ならいいけれど」
 神楽もだ。ここで話の意味がわかった。
「恐ろしい魔剣やそうしたものだったら」
「だからにゃ。このヘソのゴマは使わせないにゃ」
 そうだというのであった。
「絶対ににゃ」
「あの。けれど」
「駄目にゃ」
 孟獲はそれは何としてもであった。
「何と言われても駄目なものは駄目にゃ」
「けれどそれじゃあ剣は」
「どうしてもというのなら」
 ここでだ。孟獲はこう劉備達に言ってきた。
 
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